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【246日目】隠居という選択肢
ご隠居からのメール:【 隠居という選択肢】
そういえば、天皇賞で万馬券をあてたことがあったね。高校の友人のおじさんが、行方不明になったそうだが、そんなおじさんは世の中にうようよいる。オレだって、行方不明になりそうな危機はあったので、気持はよくわかるが、行方不明だと、年金、健康保険、介護保険、マイナンバーカードなどの更新や申請の手続が面倒になり、高齢者は生存が難しくなる。
十年前といえば、おれがご隠居になり、随筆『新見太平記』『尼子の落人』を書いたころだ。心境の変化としては、「我に七難八苦を与えたまえ」と、つっぱるのをやめて、欲望をすて、金儲けや野望をあきらめることにした。
生活習慣の変化としては、人間交際や墓参りもやめてしまった。といっても、近くの寺社へのお参りはしているし、子どもや孫とのおつきあいだけは続けている。辛口の友人からは、「神様泥棒(あるいは仏様泥棒)だ」とか、「孫へのミエをはっている」と評されている。何といわれようと、我が道を行くーーその程度のわがままは許されるだろう。
隠居になるか、行方不明になるか、あるいは第三の道を選ぶか。高齢化社会の老人にも選択肢は与えられている。
返信:【Re_隠居という選択肢】
失踪もよくある話なんだね。調べると失踪事件も多いね。主な原因は、「友人・知人」「学業・進路」「家庭・親子」「夫婦・恋愛」「仕事」「金銭」「病気」「宗教」「暴力団」「その他」とあるようだ。
高齢者に多いのが、認知症による失踪らしく、身元がわからない場合はどこにいくことになるのだろうね。
人間がひとりで欲望をコントロールするというのは難しい。また、人に迷惑をかけてしまうことや、くだらないプライドによっておかしな方向に進んでしまうこともある。人間の社会というものは本当に複雑だ。自分や大切な人の身を守るためには人間性(人格)を鍛え、徳を積むしかないな。
しかし、これだけ毎日精神の事を考えているのに、実際にはどうしたら良いものかと考えてしまう。もちろん、意識はしてるので、自分を律してはいるのだけれど、それこそ、目に見えないものだから、紙に書いて貼りだした方が良いのだろうか。しかし、どんなに立派なひとでも道を踏み外してしまうことや魔の誘いがある。大切にしたい生き方がある。
昔、お世話になったシェフが一昨日亡くなったよ。死因は肝硬変。二年前に余命二ヶ月を宣告されたそうだけど、大好きなワインを飲み続け、生き続けたそうだ。仏さまが良い死にどきを選んでくださったのだろうね。
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