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『ワールドブルー物語』裏切り

この物語ワールドブルーはフィクションです

前回までは…



「ただいまぁ」
「あ、お帰りなさい。あの、蒼森さんの容態は…?」
「へ?蒼森くん、どうかしたの?」
え?

「だって一緒に救急車で…」
「へ?蒼森くん救急車で運ばれたの?そうかぁ…大変だなぁ」
どこか遠くを見るような目付きの社長を見て、ゆにの背すじが寒くなった。

何かがおかしい。
意識が戻らない蒼森育根そだねの搬送される救急車に乗り込んで、一緒に病院へと向かったではないか。

「そうだ、コーヒーいれてくれる?」
「…はい。分かりました」
チラチラと社長の様子を気にしながら、コーヒーの準備を始めると、内線電話が鳴った。

「はい。社長室ゆにです」
一  蒼社長は、お帰りになりましたか?蒼森さんのご両親から、お電話が入っています。一

社長を見ると、心ここに在らずといった具合でほうけてしまっている。

「つい先程、戻られたのですが、なんだか様子がおかしくて電話に出られる状態ではなさそうです…蒼森さんのご両親は何と?」
一  それが、息子が誘拐されたようだと…  一
「ええ!?」
自分の大声にビックリして、思わず社長を振り返ったが、全く耳に届いていない様子だ。

「すみません。社長も放心状態で…何かあったんでしょうか?」
一  …それは、なんとも…  一
「そうですよね。申し訳ありません」
一  いえ。それでは蒼森さんのご両親は、わたくしで対応を取るので、社長の方はお願いします   一
「はい。分かりました。よろしくお願い致します」

社長、何があったの?
受話器を置くと、社長室のドアがノックされた。
今度は何?

「はい」
ドアを開けると、この場に似つかわしくない人物が立っていた。
「すぬた…さん?」
「ゆにちゃん、ちょっと失礼するよ」
言いながら、すぬたは高齢とは思えない敏捷さで部屋に入り、後ろ手でドアを閉めロックした。
呆気に取られるゆにを尻目に、ズカズカと社長の座るソファへと向かった。

「蒼社長?」
「あぁ…すぬたさん、いつも綺麗にしてくれて、ありがとね」
これは、すぬたがバイトで清掃員をしていた頃、よく投げかけてくれた言葉だ。
様子がおかしい。
何かクスリを盛られたか。

「あの、すぬたさん、…ご要件は?」
ゆにはおずおずと尋ねた。

「蒼森 育根そだねが例の部屋で失神したと聞いてね。嫌な予感がしたんで様子を見に来たのさ。社長の様子からも事態は思った以上に深刻かも知れないね。すまないけど、ゆにちゃん、社長のそばにいてやってくれないか。今から応援を呼ぶから」
早口で言うと、どこかに電話をかけ始めた。

だんかい?ちょっと手を貸して欲しいんだが、今どこだい?…え?スットン共和国ゥ!?」
素っ頓狂な声を上げた。

なんだってこのタイミングなんだ。
もう、この!「すっとこどっこい!!」
一方的に通話を切ると、またどこかへ電話をかけた。

「直樹かい?今、社長室にゆにちゃんと居るんだ、来れるかい?…え?まさか。…それで大丈夫なのかい?…分かった」
すぬたは通話を終えると、ゆにに向き合った。

「蒼木部長が襲われた。どうやら軽傷らしいが、一緒に居た蒼身 守あおみ まもるは意識不明らしい」
すぬたの表情が硬い。

「蒼木部長がですか!?襲われたって誰に…」
きっと社内の人間だと直感が告げている。
まさか、よく知ったひとの犯行なのか。

「襲ったのは蒼林企業秘密だ。ところで、蒼林依沙耶ボアいさやボアは今どこに?」

「社長じゃ、ご両親の対応は無理だからと、救急車を追うように病院へ…。そうだ!蒼森さんが誘拐されたって!」
「なんだって!?」
「ごめんなさい!すぬたさんが来る直前に連絡があったんです…まさか先輩依沙耶ボアが誘拐を!?」
もう、いったい何がどうなってるの?
全く思考が追いつかない。

「ゆにちゃん、本来なら民間人には避難してもらうことろだけど、今は緊急事態だ。社長のそばに着いていてくれないかい?私は行かなきゃならない。もうすぐ蒼木部長もここへ来る。直樹蒼木部長と一緒に社長を守って欲しい」
そう言うと、すぬたはドアへと向かう。

「ゆにちゃん、気をつけて。それから、誰も信じちゃいけないよ」
言い残すと部屋を出ていった。



232話目。
どうも、あおです😄
ワールドブルーにハマってます(笑)
ストーリーを書くのも読むのも楽しくて、ワーブルオタクへの道を一直線です。


#挨拶文を楽しもう


この所、自分では珍しくひとつのストーリーが続くように書いてます。

前にも言ったかな?
私の場合、書きながらストーリーを考えます。
キャラに動いてもらいながら考える感じですね。
なので、書き始めました時には、どんな風に終わるか自分でも分かりません。
全くのノープランです。

次に書く頃には、違う作家さんによって設定が変わっていたりして、方向性がガラッと変わってしまったりもあるので、行き当たりばったりを楽しんでます。

今回のお話については、蒼森育根がシトラスの一員という新たな設定に沿うようにしました。

もちろんこの先もノープラン。

さあ、この先どんな展開になるのか。


試しに読んでみてください。
⬇️のマガジンに全部入ってます。
下から投稿順に並んでるから、まずは1番下のお話から読んでみて。

色んな作家さんが参加してるから、話ごとに雰囲気が全然違うでしょ?

どう?
あなたも書きたくなりませんか?

ワールドブルー物語に参加すると、参加者さん同士での「スキ」や「コメント」の交流や物語内での交流も楽しめます。

他の参加者さんも素敵な記事をたくさん投稿しているので、noteを続けるための分かりやすい情報も手に入れやすいと思います。

noteを楽しむきっかけにもなると思いますので、お気軽に参加してみてください。

◎ワールドブルー株式会社を潰さない。
◎ワールドブルー社内、又はその周辺のお話。
◎作中に『ワールドブルー』を最低1回入れる。
◎『#ワールドブルー物語』を付ける。
◎仲良くする。

ルールはコレだけ

ルールも簡単でしょ?
ゆにさんが作ってくれたサイトマップも充実してます⬇️


マイトンさんによる解説も⬇️


アルロンさんのビジュアル資料館も⬇️


という訳で今回は、

なんだかんだ、後は丸投げ(笑)

って、お話でした。


今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました😊
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ではまた!
あおでした😅

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