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あの日、湘北と過ごしたおもいでがある人は絶対見てほしい。スラムダンクオタクが映画『THE FIRST SLAM DUNK』を見てきた。

映画スラムダンク、公開前から賛否両論があってファンとして、見るのかどうしようかちょっと迷っていたけど結局公開前2日目に見てきました。そして見てきたけどもう素晴らしすぎたのでここに感想を書かせてください。

どこが素晴らしかったというと、まずは序盤、爆音のギター音と共にペンの音だけで1人ずつ描かれ、そして歩きだす宮城、三井、赤城、流川、花道。「映画を見ている」感覚ではなく「あの!俺たちが読んでいた!マンガのスラムダンクが!!動いている!!!!!!」という感動。

私がはじめて大人買いしたマンガがスラムダンクだったのもあるが、累計1億万部突破のバスケ漫画といえば、いやスポーツ漫画といえばレベルの名作スラムダンク。最終戦の山王戦で最高潮からのいきなりの連載終了でファンを泣かせたスラムダンク。夏休みに律儀に再放送をしてくれるため夏以降バスケ人口が爆発的に増えるというスラムダンク。そう、俺たちを熱狂させた宮城が、三井が、赤城が、流川が、花道が、あの時のマンガの絵で20年越しに動いているだ!!

と、開始から感極まってしまって、映画のアウトプットをしないとなにも手につかない状態になってしまったので、ネタバレにならない程度の感想を書きたいと思う。

表情や仕草で表現される名シーン

今回の『THE FIRST SLAM DUNK』は全体的に映画で新しく描き下ろしされたストーリーが半分、あとの半分がマンガの既存ストーリーを表現しなおしているという印象だった。

SNSでもよくあがっていた「見たかった名シーンが削られてさみしい」という感想は私にもあった。だって私達はマンガを繰り返し何度も読んでいるのだ。1億万部売れているマンガなら1億万人分の好きなシーンがあるし、2時間の映画の中にそれを全部収めることは絶対にできない。だから最初は見れないシーンがあるのは仕方ない…と思ってスクリーンを見ていたのだがすぐ考えを改めた。

キャラクターのちょっとした表情や動きの中に、マンガの各シーンが細やかに表現されているのだ…!!

表現上マンガにはコマ割りがあり、そのコマにメインにうつるキャラクターがいて後ろにいる他のキャラが何をしているかなんて分からない、というかそこまで描写できない。ただフルCGで進んでいく映画ではあのバスケコート上でキャラクターがそれぞれガンガン動くのだ!なので、スポットをあてられているキャラの後ろで別キャラが別のシーンを同時にこなしている。この話題のメインキャラを追いかけながら後ろで対戦しているキャラも追ってしまう、しかもマンガの名シーンだらけ。もう名シーンの大渋滞である。

なので、セリフはないしシーンとしてはなんでもないカットだけど、マンガを何度も見ているファンには分かるキャラクターの心情描写が試合中何度かでてきた。ファンだけに分かるウォーリーを探せだ。映画スタッフチームの丁寧なお仕事に泣かされる。

あの日、湘北と過ごしたおもいでが洪水

またマンガででてきたシーンの別カットも何パターンか出てきてくれた。そんなシーンが出てくるたびに「あの時このキャラはこんな感情だったのか」とか「映画ではでてこなかったけど、こんなこともあったよな」とスクリーンを見ながら、映画のストーリーにあの日読んだマンガの名場面をどんどん補完していくというはじめての体験ができた。それは、学生時代の写真を見るとその時のおもいでが走馬灯のように頭の中から湧きでてくるのとちょっと似ていた。

スラムダンクはマンガだ。マンガではあるけど、花道と一緒に私達も湘北のバスケ部に入った。ミッチーに体育館に乱入されたり、リョーちんと恋バナしたり、ゴリに殴られり、流川と喧嘩したりした。バッシュを買いに行ったり、庶民シュートの練習をしたり、ゴリんちでみんなで追試の勉強をした。陵南戦でシュートを決めたメガネくんを泣かせたり、逆に海南戦では負けて悔しくてボウズにした。マンガではあるけど、私達は湘北のメンバーと一緒に過ごしたことがあるのだ。そんなおもいでが映画中洪水のように流れてきてしまって、ただただずっと泣いていた。

おそらくスラムダンク初見の人にはない感情なので、映画がはじめての方は、ぜひマンガを読んでもう一度映画を見てほしいくらいだ。

最後の有名なあのシーン、音はないけど、観客全員に花道の声が聞こえた。映画では「ない」ものを、そこに「ある」ようにする。「ここは描写としてなくてもいい、でもみんなには聞こえるよね」と井上さんがファンを信頼してくれてるんだとすら思えた。もう大泣きだ。

という形でどちゃくちゃのファンだからこその楽しみ方をしてしまったのだが、本当に映画は素晴らしかった。ただ初見の人より一度でもマンガを読んだことがある人の方がより楽しめると思うので、スラダン好きだけど前情報がな〜みたいな人、声優が変わったからな〜の人、気になっているけど迷ってて〜な人、もうとりあえず行って見てほしい。映画ではじめてスラムダンクに入る人はぜひマンガも読んでほしい(2回目

最後に  「THE FIRST」とは

最後に、私はスラダンに関してはストーリーや他校のキャラ含め箱推しだが中でもダントツに宮城が好きで。(箱の意味とは

高身長に恵まれている湘北チームの中で圧倒的なハンデの168㎝というコンプレックスがあるところや、桜木のことを湘北唯一「花道」と呼び兄のように接してくれるところや、ミッチーに絡まれた時に頭だけは潰すと決めた戦略的なところや、アヤちゃんにベタぼれでそれを隠さず真っ直ぐなところや、試合では常に冷静で周りを見る司令塔のところや、電光石火と呼ばれるスピードプレイが得意なところやと推しポイントを語ると長くなるのだが。

ただ、湘北には花道、流川、ミッチーとドラマもあり花形になる選手が多くて、それ以外のキャラを上げると他校の藤真、神、仙道、信長などのこれまたそれだけでメインをはれるつよキャラや、湘北スタメン外のメガネくんや水戸洋平などの噛めば噛むほど味があるキャラが話題にあげられがちで、宮城推しの人に人生であまり会えていなかったのも事実で。

映画鑑賞後、「こんなに宮城ばっかりで本当に大丈夫だったのか」とドキドキしながらパンフレットを読んだら、井上さんのインタビューに「リョータは連載中もっと書きたかった。3年はゴリを中心に、三井にもドラマがある。1年の桜木と流川はライバル同士。2年のリョータはずっと間に挟まれていた。」と書いてくれていてまた泣いた。

個人的にタイトルの「THE FIRST」、はじめてスラムダンクを見る人へのファーストの意味や、次回がある初回=ファーストの意味など、SNSでは色々な推測がされているが、私はアヤちゃんが宮城の手に書いてくれた「No1ガード」の意味も含まれていると思ってる。

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