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本を読む。三千歳になる。

ウルクの王、ギルガメッシュについて素描された英雄伝、「ギルガメシュ叙事詩」は、前12~13世紀ごろにまとめられたと言われている。

有難いことに、今はこのギルガメシュ叙事詩やその注釈書を読むことが出来るのだ。


本を読むこと。

それは、字面を眺め、情報を取り入れ、かみ砕くことだけではない。

本を読むこと。


それは時間を超えることに等しい。


ドイツ観念論のイヌマエル・カントは、「純粋理性批判」を完成させるのに、12年を費やしたという。

西洋哲学の中でも理解するのが困難と言われている「純粋理性批判」だが、もしこれを理解できたとするならば、

あなたはカントの12年分の骨折りを吸収したといえるかもしれない。


トマス・アクィナスの「神学大全」をほとんど理解したのならば、

あなたは古代ギリシアのアリストテレスの智慧や、トマスの弟子たちがその完成に費やした時間分の努力の成果を享受できたといえよう。


色々な本を読んでいれば

あなたがもし100年生きていないとしても。軽く1000年分の「何か」は手に入れているかもしれない。

本を読む。

一冊だけでもいい。

一時間ほどで完成する本など存在しえないし、何より新しい情報だけの本はもっと存在しえない。

本は、きっと誰かの肩の上に立っていて、誰かの知識や経験を受け継いでいる。親から遺伝子を受け継ぐように。誰かと思い出を共有するように。


一冊でも手に取って、それを読んでみれば

あなたは大分長く生きている、そう信じている。


今日も大学生は惟っている。

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