二歳年上の朝子が泊まりに来た。
「呼びに行ってちょうだい」
夕飯の準備へ取り掛かる母に頼まれ、僕は早歩きで婆さんの部屋に向かい、障子の扉をそっと開ける。
朝子は畳の上で寝転がり、英語だらけの本を熱心に読んでいた。振り向いた朝子の目は、僕を睨みつけているように見える。

(短文)
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