マガジンのカバー画像

短歌

13
短歌の記事まとめです
運営しているクリエイター

#短歌連作

短歌連作『架空の恋愛について』

 雲の切間に伸びている光から天使が降りるの、見たことないけど

 自分とは向き合うことが億劫でノイズキャンセル消してこの世を

 暗闇でブルーライトを浴びた指で繋がっている気がするだけ

 見ていた動画を止めたとき寂しい無音が虚空がそばにいるの

 歪みから顔を出したの嫌いな子目が眩むのは貴方のせいね

 目眩って世界が回ると言うけれど回ってるのは私の中身

「愛とは」と語るあなたのしたり顔つねり

もっとみる

短歌連作『連続した私と途切れた毎日』

目を瞑る瞼の裏に星屑が見えたらあなたを迎え入れる

夢の中「入ってますか」ノック音は逆再生で返ってきた

カーテンに透けた陽射しのやさしさは誰かに似てる思い出せない

ゆっくりと目をあけてほら、あさがきたおもい身体もあいしてあげて

寝坊して始まる今日も正常に過ぎてくれるの願うばかりだ

乾いてる肌をなぞった指先は未来を見てからシーツに落ちる

目覚めから完璧だった幼き日々を引きずって、20数年

もっとみる

短歌連作『再燃するゴミ』

1引いて私が消えたらどうします? 有りえなくもないでしょうから

金髪の彼がいくつも立っていて、祈りというのかはたまた呪いか

推しはクズまたは浪費家、嘘つきで結婚できないから大好き

毎日の投稿チェックにいそしめど付かず離れず、心臓を渡す

好きだったそれは事実であり嘘で二度と私に姿を見せるな

連作を読んでいただきありがとうございます。

記事を読んでいただけたら、いいねを押してくださると、と

もっとみる

短歌連作『裸体の春』

「過ごしやすい天気ですね」そうですね、あなたがいないともっと良いです

間違えてすこし根気を見せたときやっぱりやめておけばよかった

染み込んだ憂いの香りに騙されて愛してくれよと裸で迫る

「エモいって言葉で片付けないでくれ」片付けてない、散らかってるの

誤嚥した小さなイチゴのビーズたち君の唾液で美しく見えた

首にあるしこりが膨らむ夢を見てああ、また生き延びたのか、私

大胆な軌道に見惚れて立

もっとみる