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新人デザイナー、はじめてのパッケージデザインづくり

はじめまして。UXDCのくにしーです。
デザイナー歴ちょうど1年の私ですが、このたびISIDのグループ会社であるISID Brightが独自で作るブレンドコーヒーの、パッケージデザインづくりに初チャレンジすることになりました。
今回は、そのデザインを具体的にどう作り上げていったのかをお話ししていきたいと思います。
なぜ作ることになったのか、取材の様子はどうだったのか等の話は、先輩デザイナーの高見さんが書かれたこちらの記事をご覧ください!


はじめに

今デザイナーとして働いている私ですが、入社前は普通の理系大学院生でした。UXDCは過去にデザイン経験のある方が大半なのに対して、私は情報工学専攻出身。研究のためのシステム作りでユーザー観点で考えることはあれど、デザインはほぼ未経験の状態からのスタートでした。
パッケージのデザインを手がけるのは今回が完全に初めてでしたし、興味があって「やりたいです!」と言ってみたものの、自分にできるのかなという思いが最初は強かったです。

デザインの方向性を考える

パッケージデザインを作っていくにあたって、そもそも既存のコーヒーパッケージにどのような種類があるのかを知るために、ひたすら事例集めを行いました。
コーヒーパッケージデザインは全体的におしゃれで洗練された印象のものが多かったのですが、その中でもシンプルにまとめたパターンや、柄、イラストを華やかに散りばめたものなど、さまざまあることを知りました。
その上で、今回作っていくデザインに、ISID Brightのもつ理念をどういったモチーフで表現していくかを考えていきました。
アイデアを発散させるために、まずは「Bright」や「コーヒー」から、どのような単語が思い浮かぶか連想することから始めました。その上で、ISID Brightの理念である「輝き方は一つではない」という思いをどう表現するか、ラフに手を動かしながら考えていきました。

考えたモチーフをもとに作ったラフ案たち

ISID Brightの社長である関島さんとも話し合い、一番Brightのコンセプトに合っているということで、星をちりばめる案に決定しました。

実際に描き起こしてみる

モチーフが決定したところで、先輩デザイナーの高見さんから、「今のデザインは可愛いけど、やや幼い印象がある。ビジネスの場で使うこともあるパッケージなので、テイストを改めて考えた方が良いかも」というアドバイスをいただきました。
私自身も今の星のデザインは雑貨屋さんに置いてあるような雰囲気になっているな、という自覚があったため、改めて「幼くない星のデザインってなんだ?」と考え直すことに。
そのために、あらゆる星の形をつかった既存のパッケージデザインを参考にしつつ、色々な形の星をひたすら描き起こしました。

描いた星たち。画力がほしいと切に思いました

「星といえばあの形」という固定観念にとらわれていたので、あらゆる描き方を知ることで、Brightが掲げる「多様性」という理念をより形にしやすくなった、と感じています。
そして、高見さんや関島さんとのすり合わせを繰り返し、デザインをブラッシュアップしていきました。
今回作るパッケージの種類は3種類。朝用のブレンドと、昼用のブレンド、夕方〜夜用のブレンドのイメージに合うよう、星同士の組み合わせや色の使い方を工夫しました。

デザイン確定。そして完成へ…

デザインが固まってきたところで、各ブレンドに対してデザイン案を2~3個ずつお出しして、Brightの社員の方々にどの案が良いか決戦投票を実施していただきました。
その時興味深かったのが、自分の中では自信のあった案が第三者から見るとそうではなかったこと。

夕方〜夜用ブレンド(Luna Blend)の最終候補2つ

たとえば、私はより星座っぽさを追求した案としてpackage-C1(写真左)を追加で作ってみたものの、リアルさよりも柔らかい印象が感じられるpackage-C2(写真右)の方が、「Brightらしさがある」と評判が良かったりなど。こういった潜在的なニーズを、制作前に的確に拾えるようになりたいなと感じました。

そのようにして確定した案を微調整して、高見さんが作成されたロゴと組み合わせて細かな調整を行いました。
調整を行う中で感じたパッケージデザイン独自の難しさは、印刷するとイメージが全く違って見えること。思ったより色褪せて見えたり、実際のパッケージのサンプルに貼り付けて立体感が生まれることで、ロゴとデザインがアンバランスに見えたり。

プリンターで印刷したサンプル。特に左のデザインの色味が薄いねという話に

いままで作ってきたデザインは画面上で完結することが多かった分、考えるべきところが多いなと感じました。
このテスト印刷を経てさらにブラッシュアップを重ね、ついに3種類のパッケージが形になりました。

まとめ

現物を見て最初に思ったのは、自分の手がけたものが現実になった嬉しさでした。自分がデザインしたものが「手元にある」というのは、画面上でデザインを仕上げた時とはまた違った感覚で、愛着の湧くものになりました。このパッケージが、実際に色々な人の手に渡ると思うと少し緊張はありつつも、なんだかわくわくしてきます。
また、今回のデザイン作業を経て、さまざまな学びを得ることができました。画面上で完結するデザインに通ずるところもあるので、普段の業務にも活かしていきたいです。

  • まず、どのような場所で使われるものなのか?受け取るユーザーは誰?というところから、デザインの方向性を定める重要さ

  • 依頼してくださった方々の想いやニーズを拾い、デザイン上で表現することの大切さ

  • 紙の質感、印刷の仕様など、ちょっとした要素でデザインの見え方はがらっと変わってしまうこと。それに対処するために、事前にきっちり検証を重ねること

この経験を糧にして、さらにデザイナーとして成長していきたいと思います!!

written by くにしー
UXDC内最年少デザイナー(2023年時点)。先輩方の背中を見つめながら日々奮闘中です。

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