旅の思い出その11 一文無しの僕たちに起こった奇跡
ネパールでしばしゆっくりした後、日本に帰るためまたインドに戻って来た。
そう、一番有名な町デリー。
大都会!そして一番騙されやすい町
何人行方不明になった事か。
アグラにあるタージマハルが有名!
僕達はもうお金を持って無かった!
帰りのチケットは持っていたので、
空港に行くお金とご飯代しか残していなかった。
チケットはフリーのチケットで、現地のチケット取り扱い店で乗りたい日のチケットと交換してくれるという優れもの!
僕達にはもってこいのチケットだ!
なんせお金がなくなったら帰ってくると言って出発した旅だし!
早速チケット取り扱い店に向かった。
今日の夜のチケットと交換してくれ!何時でもいいから!
わかりました!では七時のチケットでよろしいですか?
はい!!よっしゃー、日本に帰れる!!
では手数料15,000円です。
え??
んんん?
聞こえない。
なんか言うた??
僕もN君も顔を見合わせた。
えっ?
日本では手数料なんてかからないと言われたぞ!!
どうなってるんだ!
手数料頂く事になってるんで!
だ~か~ら!!
手数料かかるなんて聞いてない!!
あ~めんどくせー、どいつもこいつも!
いいよ!違う所でチケット交換してもらうよ!
僕もN君も内心ヒヤヒヤしていた。
ヤバい、日本に帰れない。。
近くのチケット屋では、チケットを買い直せと言われた。。
違う!!!もう日本でお金払ってる!!
だから交換してくれ!!
NO!!!!
なんでだよ!!日本語話せる、上の奴呼んでこい!!
N君がキレた!!
旅、開始早々から一文無しのN君がキレた。太鼓を持ちながら。笑
店長らしき人が出てきた。
こんにちは。
しゃべれるやん日本語!!
いきさつを説明してチケット交換を頼んだ。
わかった。交換してやる。
ただし、三日後のチケットだ!!
僕、なんでだよ!!
店長、それしかない!!!
N君、さっきの店で7時のチケットがあるって聞いたぞ!!
店長、嫌なら帰れ。迷惑だ。
僕、わかったよ。とりあえず交換してくれ。
さてと、どうしよう。
チケットはゲットしたが3日も生きる金がない。
デリーのメイン通りで立ち尽くす。
やばい、まじで、やばい。
とにかく持ってる物を売ろう!!
お土産用に買った物を道に広げ、座り込んだ。
なんか悲しくなってきた。
なんでこんなとこで、お土産並べてるんだ。
最後の最後でやってしまった、帰れるかな日本に。
N君がこそこそしてる。
必死で太鼓を隠してる。。笑
僕、おい!それ売れよ。
N君、え?????
僕、だから太鼓。隠してるやん。売れよ。
N君、これはちょっと・・・・・・・
そのとき、インド人の女性が僕の肩を叩いた。
ねえ。君たち映画に出ない??
泊まる所と食事、ギャラも出すわよ。
そんな上手い話あるわけない。
どうせ車に乗せられ僕たちは売られるんだ。怖すぎる。
なぁN君、いくら何でも映画に出れるわけないよな?
しかもギャラまでもらえるなんて。
N君はどう思う??
N君、太鼓売らなくて良さそうだな。笑
僕、はい終わった!!俺ら死ぬな。完璧に。
N君、どうせ死ぬなら、映画に出れると思って死のう!!
僕、このまま何も出来ないままよりマシか。。
N君、出ます!!
僕、どこに行けばいいですか??
女性、決まりね。今日はあそこのホテルに泊まって明日の朝出発よ。
僕、N君、はい!!
ご飯は食べ放題、酒も飲み放題。なんか最後の晩餐みたい。
明日が怖い。どうなるんだろう??
次回インド映画に出れるのか???
不安でいっぱいのキーマンと、太鼓を売らずにすんだN君の旅は続く。
PS、夜中に嬉しそうにN君が太鼓を叩いてた事は、書くまでもない。
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