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旅の思い出その5 また2人は出会うことができるのか

僕たちはサイババに会うためバンガロールを目指した。

途中、N君は音楽に国境はないという名言を覚え

なけなしのお金でギターを買った。僕はもう何も言わなかった。

バックパックに寝袋、左手に太鼓、右手にギター。

もはや何者かわからない。

髪は金髪だったし、かなり目立っていた。

バンガロールに着き、僕はバスを降りた。

疲れた。人が多すぎるのだ。

僕「N君、早く宿見つけて荷物置こーー。つかれたーー。」

、、、え?

ええ?

まさか・・・!


バスに乗ったままのN君が見えた。

かなり慌ててる

やばい!!!

お互いそう思った。

僕はダッシュでバスを追いかけた

10分くらいしてバスは前から消えた。

終わった。最悪だ!

僕ははぐれたバス停に戻り、待った。

バス停の前に病院があったので、そこで

金髪でギターと太鼓持ったやつがいたら引き止めてください!と言って

N君を探した。

パスポートは僕が管理してたので、早く見つけないと彼は宿に泊まれない。

色んな人に金髪のギターと太鼓持った人見なかった?

と聞きまくった。

この時ばかりはそんな出で立ちに感謝した。

公園で見たとか、プールで泳いでたとか、カフェにいたとか

公園はまだしも、もしプールやカフェでいたら

僕は完全にブチギレていただろう。

いくら探しても見つからず

病院に戻り途方に暮れていた。

インド人がきて、まだ見つからないのか?

と聞いてきた。

うん、暗くなってきたし、もう少し待ってこなければここで寝るよ。

インド人、プールは見に行った?

僕、行ってない

インド人、なんで?

僕、もういい黙って!あいつが泳いでたら俺多分キレるから。

インド人、そうか......。

そのとき半泣きの俺の前に

半泣きのN君が歩いてきた!

僕たちは無言で抱き合った。

お互い探しまくってヘトヘト。

出会うとか探し物が見つかる、というのは本当に素晴らしい事なんだ。

二人で喜びと感動に浸ってる横でさっきのインド人は

なあ、お前プールでいただろ?

N君、無視

僕、無視

一瞬気まずい空気が流れたのは確かだったが

喜びが勝った。


今日は贅沢しよう!

クーラーの効いた部屋をゲットして

いつもより贅沢な食事を食べ

ビールを飲みまくり

二人で良かった良かったと語り

部屋に戻り寝る直前

僕は

N君プールにいた説と、カフェ説

まんざら嘘でもなさそうだなーと思った。

でも怖くて聞けなかった。

よし、次こそはサイババに会いに行くぜ!

ギターに太鼓、金髪のN君と、黒髪ぼさぼさの僕の旅は続く。

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