オッペンハイマー:ノーラン監督の功績…?【映画レビュー(前編)】
感想①:この映画を世界中の人が見るべき理由
※以下ややネタバレ有り
原爆・核兵器テーマの映画はとても扱いが難しいと思う。
映画を見て思ったことは、想像していたより「核兵器反対」のメッセージが強かったこと。
特に映画最後のセリフは現在の世界情勢の「核抑止力問題」を意味していると思う。
核爆弾投下によって起こった広島・長崎への被害の様子、核兵器の与える影響を十分に描いていないという意見もある。
確かにその点への描写はほとんどない。この映画はあくまでオッペンハイマー博士の「半生」を描いたものなのだ。
私はこの映画で何より大切なことは、
・広島・長崎に核爆弾が落とされたことによって、どれだけの民間人に甚大な被害が及んだのか
・核兵器を禁止するべきという事実
この2点が世界に知られることだと思う。
欧米の映画・ドラマには、たまに広島のことを比喩にした表現がセリフに使われる。
例えば、以下のセリフだ。
“I’ll Hiroshima you”(お前を潰してやる)
こんなセリフを聞くと、私は「なんて無神経な....」と感じてしまう。
ホロコーストのことをこんな風に比喩で使ったら、許されるはずがない。
こんなセリフが書けてしまうのは、核爆弾によって広島・長崎に実際に起きた凄惨な事実を知らないからだと思う。
だからこそ、世界中のより多くの人に映画を見て、核兵器の恐ろしさについて知ってもらうことが必要だと感じている。
もし、爆弾投下当時の状況を詳細に描写していたら、R指定年齢は18まで上がっていたのではと感じる。
でも、この映画は小学生だとしても見るべきだと感じるからこそ、今のR指定年齢(R15)でいいと思う。(本当はR12ぐらいにしてもっと対象年齢を広げてほしい)
感想②:イギリス白人男性監督が撮ったからこそ、欧米社会でも受け入れられたのでは
同じテーマの映画を日本人が撮ったとしても、アカデミー賞作品賞は取れていないと思う。
既にハリウッドで「巨匠」の部類に入り、過去に興行的にも成功を収め、幅広い世代に人気のあるノーラン監督が撮ったからこそ、ハリウッド及び欧米で受け入れられたと思う。
また、彼はイギリス(WW II:連合国側)生まれの白人だ。
そんなバックグランドの彼が原爆を扱って映画を撮ったことは意味があるし、だからこそより多くの人がこの映画を見たし、アカデミー会員も評価をしたと感じている。
この映画には言いたいことがまだあるので後編も書きます(笑)
では、また次回。
追伸:後編書きました!
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