きみを呼んだよ　　　｜詩

リンリンリン　自転車の
リンリンリン　ベル鳴らそうよ

リンリンリン　ガッコのなかでも
　　　　　　　ヤバいあたしら
　　　　　　　ママチャリ集めて

リンリンリン　まっくらやみの
　　　　　　　校庭ですね
　　　　　　　自転車　列べて
　　　　　　　円陣つくって

リンリンリン　新学期なんか
リンリンリン　誰が出るかよ

リンリンリンリン
さあベル鳴らして　拍手して
円のまわりで
手に手をとって

リンリンリンリン
急いで呼びだせこのがっこうで
六月のあの日
行ったあの子を

急げや急げ　　ポリ公どもが
うちらの邪魔しに来るまえに

手ヲ打チ　ベル鳴ル
 円マワッテ踊レ

気が触れてるのは
そうよアタシよ

リンリンリンリンあっちが叫んだ
こっちはめまいが
そっちはヒキツケ

リンリンリンリン
吐く子　わらう子
泣く子　呼びあい

手と手をとって　
出るまで
そしたら

円のなかから　白い手くびが
リボンの裾が　きみのまなざし

憶い出すのが怖かった
雨の降る暗いあの日の夕方

その頬にいくつの
いくつのなみだを

ねえ　おぼえてるでしょ
あたしとのこと

さあ　思いだして
やんなよ　あたしを

あのとき　あの場所
ごめん　あたしが

だから呼んだよ　
いまここに
やっていいんだ
さあ遠慮なく

きみの言いたかったこと
したかったこと

できなかったこととか
夢見てたことも

ぜんぶ

もう断らないから

あたしをいっしょに

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最終改訂日：令和4年 12月28日
改訂稿公開日：令和4年 12月28日
初稿公開日：令和4年 8月11日

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©︎かうかう