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信越トレイル day4

爆風テント倒壊から一夜明けた4日目。
ペグはしっかり指していたが抜けてしまったのは、テントの向きが悪かった。そもそも張った場所がいけなかった。でも爆風が吹く感じはしてなかったから自然は恐ろしい。

前日の日記↓


心も枯れた朝

昨日お話ししたご夫婦はすでに出発し、テントは跡形もなかった。
隣のブチギレお母さん家族はいた。

強風のせいでしっかり寝ることができなかったのがちょっと痛い。
耳栓もその役割を果たすことができず、どうにか轟音を防ごうとグリグリやったら千切れて死んだ。僕も死んだ。


いつもの

水はここが最後、補給ポイントは次のテン場まで無し。3.9リットルフルに水をキャリーする。とにかく暑さが敵だ。

アルファ米を水に浸して、ザックのサイドポケットに突っ込んで出発。
朝飯は行動食のPOWBERを食べただけだ。
昨日、キャンプ場に行くために降りてきた急勾配からスタート。
苔むしZONE(きみっとなつのおわり〜しょうらいのゆめ〜)

今日の行程は、地図アプリYAMAP上だと17kmとでていた。しかし、これは間違いでしかなかった(後述あり)

朝の霧の中涼し、くなんてない。暑い。


4日目となるともう登りが嫌だとかの感情はない


昨日逆方向に歩いたが、反対から見ると全く違う道に見える

写真家、森山大道さんもおっしゃっていた。通ってきた道を必ず往復する。そうするとまた別の風景があると。(的なことをいっていた)


苔のついた三角点

人工物が自然に飲まれていくディストピア感。なぜか惹かれる。
でも、それでも生きている。までがセットで惹かれる。


 鳥の鳴き声、木の音と自分の足音しか聞こえない

4日目となれば、歩くこと自体には何も考えなくなり、不安とか楽しみとか内面のことも考えなく、ただ目の前にあるものを見たり聞いたり、それも”見る”というよりかは”目に入っている”だけ、”聞く”わけではなく”聞こえる”という感覚のほうが近い。ただそこに存在していて、ただ在るだけ。
何をしても敵わない虚無感もあるし、何をしても変わらないなら何でもできてしまう無敵感もある。気持ちの持ち方でどっちにも振れる。


風と雪で横に生えてる木たち


3本


看板は嬉しい。
かわよ


小動物用、木のお皿に見えた


木たちがトレイルを沸き立たせる


通ってもいいよって避けてくれている

ザックの横に日傘を差していたから何回も木にひっかかってしまっていた。木にも悪いし、気分も悪い。このあたりから武士みたいにポシェットの横に指して刀みたいにした。気分は足軽。参勤交代じゃ!(意味不明)


峠に出た

峠でキャンプ場でお話した夫婦に追いついた。野鳥撮影しているおじさんもいて、少しお話した。ついでにザックの横に突っ込んでいたアルファ米をたべた。すでに汗だくでアルファ米に塩をふって食べた。生き返る。


みずぃ




気がついたら霧の中


街が見える


もぐら?道を横切っていった


突如あわられたきれいな池


イトトンボは青くキレイだ


しばらく眺めていた


んでまた、霧が濃くなった。

霧があると涼しいのだけれど、汗で濡れきった服がめちゃくちゃ冷たくなって寒くなる。寒くなる前に立ち止まって服を脱いで絞って少しでも寒くならないようにする。上着を着ればよいのだが、どーせまた日がさして暑くなるから少しの辛抱だ。


跨いで、跨いで、しゃがむ

ご夫婦と野鳥カメラマンと会ってから、誰とも会っていない。
途中、ブルゥルウウ!という明らかに可愛くない動物の低い声をきいた。熊しか思いつかなかったので、とりあえず歌った。
ラッコズのチャッホの歌を歌った。大声で。元気出る。おすすめ。


若干の晴れ間


まだ霧が晴れない

薄暗い霧の中で動物の低い声を聞いてしまって、恐怖という感情を完全になくすことができなかった。ずっと物音を気にしてた。時々大きな声を出したり、やれることはやろうとしてた。もし熊に襲われたら、スマホは動画モードにしておきたいなって思った(ポジティブ死)


やっと霧が晴れた。

500mlを1時間で飲み干すペースでいけば、7時間くらいは歩けると計算していたが正直暑くて、セーブしすぎて水分は足りていなかった。


TRAIL MAGIC!

伏野峠に出たところにTRAIL MAGICがあった。

水だ!!

峠に出るだけで安心感あるのに、水までもらえるとは!
2本いただいて1本は一気に飲み干した。

目的地まで9.5km

序盤に記載した「17km」とは何だったのか。23.7kmある。
かなり前に「やっと半分だ〜」と思ったのも虚しく、今やっと半分過ぎくらいだ。


とりあえず倒れた、びしゃびしゃ。
荷物もびしゃびしゃ


もう一回倒れても後がくっきり


低い看板


豪雪でめり込んだ。すげえ。


なんかシュール

休憩をしていたら普通に車が通り過ぎる峠なので、通りすがりの車に見られてた。びしゃびしゃの男が横たわっていたら見るよね。僕も車側だったら見る。みんな車の中のクーラーで涼しい顔しながら、コーヒーやらジュースを飲んでいた。
こちらも負けじとラムネを歯で砕いて水を飲む、これでジュースになるんだぞ!なるんだ!なれ!お願い!なってください!(届かぬ想い)


気分新たに進む


なんで撮ったか覚えてない


また霧がこくなる


ここも怖かった。動物が。


もうこのときは寒かった。


ここでも歌ってた。チャッホの歌。


さーけんでみーろ、X


若干のお腹の痛み(冷え)

ここらへんからシャリバテになって、歩けなくなった。
柿ピーをポリポリ食べた。本当は1時間に一回少しずつ食べなくてはならないのだが、乾いた食べ物は水を消費するから、あまり食べてなかった。湿った食べ物は重量が重いというジレンマ。いや、ディレンマ。目的地まで10キロを切っているので食べることにした。


もうキレイだなとか思わなくなってた


みずぃ


謎の切り株


霧が晴れて気持ちも前向きになってきた


宮殿に向かう気分


きのこを食べて空を飛びたい(食中毒)


峠にでた!
人工物、いいね。

やっと峠に出ることができた。あとはテントサイトまでロード。四日目が一番つらかった。暑いし寒いし水が少ないし熊が怖いしで精神的にやられて肉体的にもやられてしまった。


ご夫婦もここを通るから書き残してみた

ロードをてくてくあるく。


第一村人発見


こうして


こうじゃ!

車も通るからどけておいた(菩薩の顔)


野々海高原キャンプ場

やっとついた、野乃海高原キャンプ場。仮設トイレ一つに水道のみ。
ちなみに、この仮説トレイはめちゃくちゃキレイだった。

なかなか茶色のお水。浄水必須。


テントたてて、濡れた服を干す

もちろんここも電波はギリギリ1本。何もできない。というより予備バッテリー含めて明日の帰りまでもたせないといけないので、ずっと機内モードにしていた。


とりあえずラーメン食べる


チャーシューいれた



待つこと1、2時間、ご夫婦もやってきて再会した。


晩飯はアルファ米にカレーとサバを突っ込む

前日はあまり話せなかったので、夜一緒に御飯を食べながら色々お話ができた。今日の辛さも共有できて、とても良い時間だった。明日で終わりなのが寂しく思った。4日も続けているとこの生活が普通になってきて、不便も不便と感じなくなってきていた。仕事のことも思い出さないし、スマホもさわらないから、すごくいい時間だった。

昨晩は爆風で眠れなかったから割りとすんなり眠ることができた。


寝る前に日記を書いたりしてる。

四日目終わり。

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