仕事と彼女
次男に彼女ができた。
非行の再犯防止には【仕事と彼女】と聞いたことがある。
仕事で誰かの役に立ち、好きな人といる幸せがあれば悪いことなんてしないのだろう。
単純だがこれに尽きると思う。
彼女は明るく元気で何よりも次男を好きになってくれて嬉しかった。
彼女の親御さんとは面識があった。
羨ましいくらい家族仲のよい素敵なおうちだった。
次男は仕事から帰ると身支度をし毎日のように彼女の実家で夕食を食べて泊まった。
彼女の作ったお弁当を持って仕事へ行き、休みの日にはペアルックでデートに出かけ、時々彼女に怒られたりしながらも楽しそうだった。
2人はいつも一緒に過ごしていた。
我が家に寄り付かず、汚れものだけ出して他の家に行く次男。
私たちとは食事もしないのによその家では楽しく食事をしていた。
私も淋しかったが夫はもっともっと淋しかったのかもしれない。
ほかに居心地の良い場所を見つけた次男に思うところがあったのかもしれない。
保護観察中の門限は23時までと決まっていて、外泊するにも許可が必要だった。
夫は遵守事項を守らず毎日泊まりに行く次男にいい顔をしていなかったし、きちんとルールを守らせなければと必死になる私たちだった。
次男はというと、
「仕事もして家に金も入れてるしやることやってる。」と主張し生活は変えなかった。
ある時、彼女のお母さんと話す機会があった。
次男のことを「素直でいい子」と褒めてくれた。
次男なりに頑張っていたのだと思う。
小さなケンカをよくしているようだと聞いて、少しだけ心配な印象を受けた。
数ヶ月後、彼女から初めて私に電話があった。
…夫は少しイライラしていた。
夫の気持ちは理解出来たが、私は次男をかばい夫の態度を責めた。
このパターンが通常のスタイルになっていた。
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