【連載童話】ヘンリーと赤いふうせん３

さぁ、しゅっぱつだ！

みんなは　いそいでおうちに帰りました。
たびに出るじゅんびをするのです。

しかし　そのことを知った
ジョージの母さんは　言いました。

「おまえには　ヤギのミルクしぼりがあるだろ！
おまえのしごとは　だれがやるってんだい！！」

エミリーのママはこう言いました。

「まぁ！だめよ！！
そんなあぶないこと　ゆるさないわよ！
エミリー、あなたがだいじだから　言っているの。
わかってちょうだい」

マークのお父さんは　こうです。

「村の外には　おそろしいばけものが
わんさかと　いてな。
外になんか出たら　とても　帰ってこられんぞ！！」

トムのパパは

「おぉ、からだのよわいおまえが　村の外に？
そんなの　むりにきまってるさ。
あたらしい図かんを　買ってやるから
おうちにいなさい」

と言って、トムのあたまを　ぽん　となでました。

おうちの人のことばに　みんなはすっかり
げんきをなくしてしまいました。
ふうせんも　ぺちゃんこです。

〈つづく〉