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【連載童話】ヘンリーと赤いふうせん5



「パパ、ママ!
ぼくね、村の外に出てみたいんだ。
そうして、あの山のむこうに行ってみたい!!」

ひといきに うちあけたヘンリーを見て
パパとママは かおを見あわせました。

“あぁ、きっと だめだって言われる!”

パパの口が うごきだすのを見て
ヘンリーは 思いました。

なぜなら 村の人たちは だれひとりとして
村の外に出たことがないのです。
村のだれもがやったことのないことを
パパやママがゆるすはずがない、
そう思いました。

ヘンリーのふうせんは いよいよしぼんで
今にも じめんにくっついてしまいそうです。

「ヘンリー
おじいちゃんのところへ行って
もういちど 今のおはなしをしてごらん」

パパはそう言いました。
そうして ぺしゃんこになったふうせんを
ひろって ヘンリーに にぎらせました。

〈つづく〉

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