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お金があれば精神疾患は治るのか?

どうも、しま子です。

うつ病になると、一番困ることと言えばお金ですよね。

収入がなくなることを恐れてなかなか休職できずに、症状がさらに悪化したなんて話はよくあります。

休職をしても傷病手当があるものの、当然働いていた時よりも収入は落ちるのでやはりお金に関する不安は拭いきれません。

では、もしもお金に困らない世界だったら、うつ病は改善するのでしょうか?

今回、その疑問をちょっぴり解決してくれるような面白いスウェーデンの論文を見つけたので、見てみましょう。

参考論文:お金と精神疾患:その関係性に関する研究貧困と深刻な心理的問題https://www.researchgate.net/publication/282573312_Money_and_Mental_Illness_A_Study_of_the_Relationship_Between_Poverty_and_Serious_Psychological_Problems

上記の参考論文は、ぶっちゃけ読むのが大変なので、要約すると以下のようになります。

  • うつ病患者に社会的な「活動支援金」として毎月6,500円支給

  • 手当を受けた人は受けていない人に比べてうつ症状が緩和された

  • 生活の質が向上し社会的意識も見られた

ほうほう、金額は少ないもののうつ病患者に一定のお金を与え続けると病状が解決したとなると、もうこれはお金を握らせておけばうつ病は治るということですな!

確かに、これは一理あると思います。今の日本は30年以上物価が上がり続けているのに対して、給与は変わっていないという状況が続いているので、健常者でもお金の不安はつきものです。

おそらく、国民全員に一定のお金を振り込むベーシックインカムのような制度が始まれば精神疾患になる人も大幅に減ると思います。

しかし、すでにうつ病になっている人にお金を与えても完全に治るかというと疑問が残ります。

なぜなら、うつ病になる原因が全てお金に関するものだとは限らないからです。

例えば、職場での人間関係が原因でうつ病になった人は、いくらお金があったとしても職場を辞めなければうつ症状は改善しません。もちろんお金があって働く必要がなくなれば職場も辞められると思いますが、それは間接的な解決方法であって、直接的な解決にはなりません。

また、大切な人との死別が原因でうつ病になってしまった場合は、いくらお金を積んだとしても死別した人が生き返らないと改善することはないでしょう。お金で改善するかどうかは、うつ病になった原因によって異なるのです。

お金で解決できるうつ病の原因としては、借金や貧困くらいでしょうか?

仮に、毎月一定額のお金をうつ病患者に与え続けたとして、働かなくてもいい環境であればストレスはだいぶ減ると思います。

しかし、今度は働かないことによって暇を持て余してしまい、それで病んでしまうという状況もないわけではありません。人は暇であればあるほど病む生き物ですからね。

あと、お金があればうつ病が「治る」という表現も微妙で、精神疾患界隈では症状が出ていないことを意味する「寛解」が一般的な表現で、完治はありません。つまり、一時的に改善したとしてもまた、何かのきっかけで再発してしまう可能性が高い病気でもあります。

私の結論としては、うつ病になったことによるお金の不安は解消するが、完全に回復するのは難しいといったところでしょうか。

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