ペントミノ講座⑥ もう一つの対称
みなさんどうも、うつろです。
これまでは主に解の発見を容易にする特殊な図形についてのお話を続けてきました。数学の問題を解くために必要な公式を説明してきたようなイメージです。
今回は、最後の公式をご紹介します。水曜日以降はより実践的な、数学でいうところの問題演習に移っていきます。もう少しだけ、新しい要素の説明にお付き合いください。
最後の公式 〜点対称な図形〜
これまでの記事を全て読んでいて、
「点対称な図形もあるんじゃないの?」
とすでに思っている方もいるかもしれません。
実際、これまでに紹介した5×3の長方形は、対称軸が2つある線対称な図形であると同時に点対称な図形でもあります。ただ、「線対称ではないけれど点対称である」図形は、長きにわたって見つからないままでした。
理由は簡単。一例として下の点対称な図形を挙げてみます。真紫に染まったいつもと違うイラストを見て、なんとなく察してもらえると思います。
この形はTミノ以外を使うことでもできますが、Lミノ2つ、あるいはPミノ2つと、やはり同じミノを2つ用いることでしか作れません。当たり前ですがペントミノパズルでは各ミノ1つずつで解を作るわけですから、2ピースでできた点対称な図形を解に組み込むことは不可能なのです。
3ピース以上となるとどうでしょうか。下に3ピース構成の点対称な図形の例を挙げてみます。
この図形、使えそうにも見えますが、横のサイズが7マス。これが大問題です。
ペントミノパズルは6×10マスと決まっているので、この図形は横方向にしか置くことができないわけです。したがって非常に扱いにくい。
こんなふうに点対称な図形は、ペントミノパズルとかなり相性が悪いんです。
やっと見つけた点対称
そんな中でも点対称な図形、きちんと見つかりました。
下が実際に使われているものになります。
4ピース構成ということで使用頻度はかなり低いのが難点です。またこの図形は90°回転させた状態で解に含まれていたのですが、そうなると残りの小さい部分には必然的にIミノが入ることになりますし、また残りの大きい部分はよーく見ると巨大線対称の形になっています (下の図がわかりやすいです)。また上の向きで6×10のプレートに組み込むことは不可能です (細長いピースの多くが点対称な図形で使われており、上下の隙間を埋めることができないため)。残りの形がおおむね決まってしまうのでこれを特殊組として認めていいのかわかりませんが、せっかく見つけたので一応公式としておくことにします。
いかがでしたでしょうか。
実際今回の記事で得た知識はあまり気にしなくていいです。点対称は難しいんだな、とぼんやり思ってもらえたら御の字。
次回以降あげる記事がペントミノの本領だと思っています。
ぜひ更新をお楽しみに。
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それではこのへんで。