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今日はやり切った日

いつだってやり切った1日というのは素晴らしい。それは毎日のように訪れるものではないにしても、ふとした時に現れて心に充足感を与えて帰っていく。


そろそろ実験が再開する。参加者を募って行うため、日程の調整や自分の稼働時間のことを考えるとできる時間が限られる僕の実験は、進捗を産むことが難しい。現にここ最近までは大学院の授業やインターンで悩殺されていて、まともに時間を取れる状況ではなかった。

今になってようやく暇になってきたので、募集を開始する。前回参加してくれたうちの数人と、新規で3人ほど。決して大きなコミュニティにはなっていないが、まだ数日は人が増えてもおかしくない。迅速な対応と臨機応変さ。イレギュラーへの対処を学ぶ、残り2年間になりそうだ。


今日のメインイベントは被験者との打ち合わせ。使用する器具や同意書の記入などで、継続の人なら5分で終わるが新規だと20分くらいかかる。午前中だけで4人の被験者を捌き切った。
先月から始めたこの本試験で、多少なりとも付け焼き刃の社交性が研ぎ澄まされてきている気がする。ほとんどが大学生・大学院生なのもあって、みなさん時間に融通がきいたり失敗に寛容だったりと、助けられている部分は大いにあると思うが。

12時。昼飯も食べずに作業。研究室の掃除当番係になっているので、来月の掃除当番表を作っていく。テンプレートがあるので掃除担当のメンバーの名前を入れていくだけなのだが、ここでひと工夫加える無駄な努力をしている。名付けて「アハ体験当番表」。毎月どこかの部分が変わっていくという、誰得なクイズ。まだ指摘されていないので、来月は思い切って「曜日の帯を生成り色に変える」ことをやってみた。生成り色というのはごくごく白に近い薄橙のような色で、正直かなりビビった結果の色ではある。この自己満足もあと半年で終わると思うと嬉しいやら、悲しいやら。

午後も2人ほど被験者がやってきた。うち1人は高校時代からの友人で、1年生の時にクラスが一緒でわりと仲も良かったので話題は尽きない。いまだに部活に所属してお偉いさんを務めているようなバリキャリなのだが、思えば高校時代に執行部の副会長をやっていた時から片鱗が見えていた。しかも今年中に留学するらしい。おいてかないでほしい。


最後の被験者対応が終わったところで、おもむろに食事を作り始める。自分が被験者として実験をするために、わざわざ昼飯を抜いていたのだ。自分のための昼ごはんを自分で準備して、部屋に戻って3時半。遅めの昼を食べて、2時間は安静にしていないといけない。当然やる気が起きるはずもなく、ひたすら眠気と戦った。8時間も寝たのに眠気が襲ってくるのは、きっと急にやってきた炭水化物に、脳と胃がびっくりしたからに違いない。

終了時、すでにコアタイムの17時を回っていた。周りのメンバーも少しずつ帰り始める。残していた洗い物を片付け、明日の実験準備をして、18時半ごろようやく研究室を脱出。まだ元気が残っていたので帰りにスーパーに2つほど寄っていいものを見繕った。でかいトマトを10個手に入れたので爆食いしてそのうち記事にでもしようかな。おすすめの食べ方とかあったら教えてください。なるべく生のままで。


いい1日だったと思う。何もしていない時間がなかった。当たり前のように聞こえるかもしれないが、僕は決して仕事ができるようではなく、ここまで予定を詰めて全部こなせるようなことはそうそうない。めげずにやりきった自分を讃えて、今日はレモン酎ハイ (研究室より入手) で晩酌したい。

忙しいという言葉は使いたくない。仮にそうだとしても、頑張ってるアピールをしたくない。これからも頑張らない程度に忙しくない生活を、しばらく続ける。死にそうなくらい忙しくなったら、多分noteをやめる。まあいいか。


2024.08.26 朝井リョウと加藤千恵のANN0に感化されて多少文学かぶれになったかも

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