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本気出したらバカを見る?

映画を観ながらこんなに笑ってるってこと、わたしはあまり経験ない。そういう意味でとっても面白い映画なんだけど、それと同時にあんたはどう生きるのか? ということを突き付けてくる映画でもある。

カメラを止めるな!

この映画には一組の家族が出てくる。
暴走しすぎてやりたいことをやめざるを得なかったお母さんに、情熱がありすぎて世の中と噛み合わない娘に対して、映画監督であるお父さんは迎合主義的だ。

映画監督のようなクリエイターに限らず、勤労者のほとんどは、自分が大事にしたいことを捻じ曲げて仕事してるんじゃないかと思う。
コストがクライアントが社長が……などと言われれば、自分の意見を捻り潰して妥協する。
世の中ではお金を払う側、権力を持っている側など、優位に立つものの言うことに従うことになっているように見える。

それでも、あるひとに突然スイッチが入って本気出して、なにかの間違いでそれが許されちゃうときがある。
成功すれば「あのとき周囲の意見を押し切ってチャレンジした」などといった美談となり、失敗すればプロセスも結果もすべてひっくるめて非難の対象となり、かなり長いあいだ尾を引く。これじゃあ怖くて本気なんか出せない。みんな損したくないのだ。

この映画のなかで作られている映画の立役者は、娘だと思う。
お父さんのためにとかいうのは一切ない。自分がやりたいだけで、できることがありすぎるからやっちゃうだけなのだ。
お父さんとお母さんは演じることでスイッチが入ったけど(お父さんは時々スイッチが切れる)、娘は常に本気で正直なのだ。

そんな情熱がマトリョーシカ状態になっているので、エンドロールまでちゃんと見てね。

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