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うつ病夫婦が考える「大麻」という存在について ~『ダメ、ゼッタイ!』は本当なのか?~

はじめに

ツレとツレがうつになった夫婦の妻、うつペンさんです。
かれこれ2年ほど、夫とともにうつと付き合っています。
うつになるまでは、新卒からベンチャー界隈で働くいわゆるバリキャリ女子でした。

今回は皆さんに、最近の私たちうつ病夫婦のテーマである「大麻」という存在について考察したので記事化しました。先日Instagramに投稿しようとしたのですが、あまりの文量にInstagramから「そんな文字数受付けてないんですよね!」となんとも悲しい仕打ちを受けたので、noteで改めて文章化しました。

大麻?!うわwなんだかヤバいこと考え出したなと思った方、
まあよければコーヒーブレイクがてら、ご笑覧ください。

「大麻」について考えたきっかけ

私たち夫婦の最近のお気に入りは、リラックス効果のあるCBD(合法大麻)ドリンク『CHILL OUT 』です。( https://butfirstchillout.com/

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夫は禁煙トライ時期も重なり、メンタル不調の日は1日7〜8本ほど飲んでいます。
そんなにガブガブ飲まんほうがええんちゃう?と忠告しつつ、一方でふと思いました。

「大麻の毒性や依存性はどれほどのものか?」
「そもそもなぜ日本では違法なのか?」

2年前うつ末期の時、2人とも闇落ちし生きた心地がしない毎日。こんな地獄から逃れられるなら、なんでもいいからすがりたい。
しかし薬の関係でアルコール摂取は不可、タバコはお互い苦手、カフェインはもはや気休めにもならない。
もっと強い嗜好品でなんとかこの心身の苦しみを緩和したい。
自殺未遂をした後、夫はふと言いました「大麻が合法なら絶対吸いたい」と。その言葉が妙に心のどこかに引っかかっていた。
そして最近CBDドリンク摂取をきっかけに、また私の中で先程の問いがまたフツフツと沸きだしました。

大麻について向き合いたくて『日本人のための大麻の教科書』を元にあれこれ調べると、そこには知らなかった大麻の事実がたくさんありました。
(面白い事例はたくさんありますが一旦かいつまんで書きます。もっと詳しく知りたい方はぜひ書籍にて。)

そもそも「大麻」とはなにものか?

「大麻(麻)」は約3000年前の稲作を始めるよりも前、約1万年前の縄文時代から栽培をした日本古来の伝統的な作物。メイン利用は繊維と食品、薬品です。
狩猟時代から衣服や搾油等の日常利用はもちろんのこと、戦国時代の武具から農業、漁業、建築、絵画、繊維業等、日本の衣食住から商業や文化を支えてきた。
漢方薬において大麻は毒性が低く長期服用可能な「上品」薬剤に指定されています。
そして特筆したいのは宗教との関わり。神社のしめ縄から仏閣の建具等あらゆる部分に使われる「神聖な素材」だったこと。「大麻」と表記する由来は「大いなる麻」という敬いの意味を込めたためです。

現代でも横綱の腰の縄も大麻です。大麻の葉が小学校の校章に使われるところも今もあります。大麻草のように真っ直ぐ高らかな子の成長を願うためです。
といったように、大麻は日本人の生活に欠かせない身近で神聖な作物であり、明治時代まで全国各地で国を上げて大規模栽培をされていたのです。

日本における大麻の転換点

しかし「戦争」と「大量消費型社会」が日本の大麻のあり方を大きく変えてしまいます。

まず「戦争」について。
大きなターニングポイントは第二次世界大戦敗戦後にGHQが行った国内での大麻栽培規制。マリファナ規制を進めていた米国は、日本国内の大麻植物を根絶せよと命令を出します。ちなみに日本の大麻品種には、いわゆる麻薬成分はほとんどない無害の種であり絶滅させる必要性は皆無です。
生物学に秀でた昭和天皇を筆頭にGHQに折衝を重ね、折衷案として大麻取締規則(後に現代の日本の大麻取締法のもとになる)を結びます。

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これまで当たり前だった繊維向けの大麻栽培は許認可制で厳格な管理体制を敷かれます。国内大麻農家は激減。もちろん食用や薬品としての利用は違法です。
その後1960年代アメリカのヒッピー文化が日本に持ち込まれ徐々にマリファナとして薬物乱用が日本の社会問題になっていき、ついに厚生省はあの有名な標語『ダメ、ゼッタイ!』を掲げるのです。規制薬物の中には大麻が入っています。日本人が「大麻=危ないモノ」とイメージするようになったのはまさにここからです。

そして「大量消費型社会」について。
戦後の経済成長のために商工業を加速させる中、繊維としての大麻は置いてきぼりをくらいます。手作業で丹念に編む必要のある大麻は当時の技術力では機械化ができませんでした。代わりに機械化が容易だった綿およびポリエステル等の化学合成繊維が日本人の「衣」を完全に乗っ取ります。上述の国内の大麻農家激減の影響も相まって国内の大麻繊維業はほぼ絶滅しました。2021年現在、大麻草をいちから手作業で編み込み衣服を作れる人は国内にたった1人のおばあさんだとか。

現代の「大麻」という存在について

では世界的に見たときに、現代では大麻はどのような存在として捉えられているのでしょう。
語ることは多いですが、一旦「繊維」「食」「薬」の観点で見ていきます。

まず「繊維」について。
繊維としての大麻はピンとこないでしょうが、「リネン」「ジュート」なら耳にしたことがあるはず。これらは繊維の有用性と栽培農法の観点から見直されています。詳しくは省略しますが大麻は綿よりも繊維の機能性として優秀です。そして栽培の紡績工程での農薬や水の使用量は綿より少なく環境負荷が低い。そう、今世界が必死こいて追い求める「サスティナブル」な素材こそが大麻だったのです。ジーンズブランドのリーバイスはリネン利用をSDGsのいち活動としています。

次に「食」について。
大麻の実であるヘンプシードは今健康志向が高まる欧米で流行しているスーパーフードの1つです。高タンパク質で、必須アミノ酸がすべて含まれていたり、体で合成できない必須脂肪酸が理想的なバランスで含まれていたり等々食材としてアピールしたい魅力はたくさんあります。ヘンプシードはナッツ、オイル、パウダーなどに加工され、クッキーやチョコレート等の材料にも使われています。海外のスーパーに行ったら買ってみてください。

最後に最も気になる「薬」について。
まず述べておきたいのは、大麻の薬用成分には医薬的効果のあるもの(CBD)と、いわゆるドラッグ的な嗜好性のあるもの(THC)があります。マリファナ(THC)としての大麻は違法な国が多いですが、CBDは合法化が進んでいます。2019年にWHO等の国際機関が大麻成分を医療的価値を認め規制緩和を行ったのが大きなきっかけでした。医薬品としてがんやてんかん用の薬品開発がされています。またセフルケアやウェルネスを追求するアメリカのエリート層では、ヨガや瞑想とともに日常的なCBD摂取が流行し、大麻産業は急速に市場拡大しています。大麻の世界的市場規模についてはこちらのnoteがとてもわかりやすくまとめられています。

ちなみに、CBD製品の開発販売を行うアメリカのベンチャー企業MedMen( https://www.medmen.com/ )はいまやユニコーン企業です。ぜひMedMenのCM『The New Normal』をYoutubeで見てみてください。2分の動画にアメリカの大麻の歴史と現状が非常にわかりやすく表現されています。動画タイトルのようにアメリカで大麻は"Nomal"な存在なのです。

なおアメリカでコロナが流行した時、そのストレスを緩和させるためのCBD産業はエッセンシャルワーク(人間生活に欠かせない職業)として認定されたという話もあります。ノーマルを超え、エッセンシャルというわけです。

で、結局のところ毒性や依存性はどうなのか?
現在科学的にはカフェインやアルコール、ニコチンよりも毒性と依存性は低いとされています。小難しい説明は省きますが、人間の体の中には神経や免疫バランスを調整するシステムがあります。このシステムに作用する体内で作られる物質が、実は大麻に含まれる成分に近いものだったことが証明されています。毒性や依存性が低いのも納得いただけたでしょうか。

うつ病夫婦が考える大麻という存在

さて、最後に私たちうつ病夫婦が大麻に対してどう考えているか。

まず私個人の話ですが、たまたまですが昔からリネン素材が好きでした。今住んでいるログハウスの木の風合いにもあう素材感が好きで、インテリアやバッグ、ベッドシーツ、そして畑やDIYの紐も土に還るようにとリネンやジュート材にしていました。こんな日常に大麻がいたなんて!なんとも偶然の発見。

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夫はうつ病緩和にCBDオイルが良いことをリサーチしてくれて、2年前うつ病当時から2人で飲用してました(が、高価なので継続購入はやめました)。

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そして最近発売された上述のCBDドリンクにたどり着きました。日本国内にいながら大麻を安価に摂取できるようになりました。精神疾患を抱える私たちからしたら、心身のしんどさを緩和させてくれる本当にありがたい存在です。ただ日本の大麻取締法があり海外よりも大麻利用は遅れています。この法律の存在と利権や三権分立の崩壊やらがいろいろ重なり、一市民からみても大麻に対してトンチンカンな対応をしているのが日本の現状です。

「日本に在住する限り自分たちの幸福追求は無理ね」ということで、海外移住も夫婦で本気で検討していたりします(これは大麻に限らないテーマなので、またどこかで改めて話しますね)。

別に「CBDおすすめだからぜひ飲んで!」と宣伝や布教をしたいわけではないです。大麻に対する考え方は人それぞれなので。


以上、あくまで私たち夫婦の個人的な見解でした。
こんな長文を読んでいただいた方、ありがとうございました。


さて、コーヒーブレイクはできましたか?

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