(うときゅういっきの「これから」同調圧力 デフレ4)

2021/11/30-4
(うときゅういっきの「これから」同調圧力 デフレ4)
価格下落圧力により商品の中身の手抜きやごまかしが始まった為に仕事に誇りが持てず、更には製造と営業の間に挟まれてその調整ばかりを繰り返す日々を送っていたためにうつ病になったと申し上げましたが、そのうつ病を更に悪化させたものがありました。
それは
データドリブン経営。
「全ての意思決定はデータによって行う。バブル時代の情術経営は許されない。数値で説明できないもの。数値の流れが途切れて続かないものは認めない。設計図に一点たりとも曖昧な処があってはならぬ。あれば物は動かんから」
と言う訳でした。
その儘聞いていると誠に筋の通った話に聞こえましたが「全て」を数値化するというのは逆に何処かに無理があり、却って非効率を招く側面がありました。
言ってみれば「数値化自体が極めて困難でそれを数値化する事自体には余り意味がないような場合、それでもそれをしようとすると却って手間暇が掛かり非効率になる。
それでも敢えてそれをしなくてはお咎めを受けるというのは本末転倒そのもので数値化自体が目的になっている」としか思えませんでした。
完全な目的と手段のはき違えで、非効率そのものでしか…
ところが在ろう事か、なんと自分がそのデータドリブン経営の手法を社内に伝播する講師役を命ぜられたのです。
理由は
「うつ病で企画等と言う創造的な仕事は出来ないのだから、後方支援的な仕事をしていろ」
と言う訳でした。
しかし是は地獄でした。
自分は元々最初に結論を出しそれを順々に下ろしていく演繹法的な思考の人間なので、一つ一つ照査を繰り返して積み上げ、最後に結論を出す帰納法の権化のようなデータドリブン経営の伝播等まるで肌に合わなかったからです。
なので、自分は鼻から
「言いたいことは分かるが、でも」
という意識がつよかったのです。
自分が納得いかず、且つ余りにも高度な統計学で理解出来ていないようなものを何でも答えられなくてはならない講師と言う役柄。
それを果たさなくてはならない事ほど辛い事はありません。
更に加えて此処でも全てが右へ倣え。
反論は許されない。
流れが右と言ったら全て右。
左と言ったら全て左。
反対反論は非国民扱い。
同じ目的での別のアプローチも許されない。
アプローチの仕方は一つだけ許される。
他の例外はなし。
事を起こすな、面倒にするなと。
最早呼吸をする事すら叶わぬような状態になっておりました。
しかし当時は、
「是をこなせないのは自分が悪いのだ」
としか思いませんでした。
結果、自分は当時の精神科の医師の言葉を借りれば
「この人は最早廃人になってもおかしくはない」
程の状況に陥っておりました。
デフレの下方圧力と同調圧力は当時、最下部に於いてこんな景色や心象を産み出していたのです。
注)
次回は「同調圧力 その正体」を予定しておりますが、脱稿にはかなりの困難が予想されますので、暫くお時間を頂戴致したく存じます。

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