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メキシコで得られた、たくましさと寛容さ

「私を変えたあの時、あの場所」

~Vol.1 メキシコ / メキシコ国立自治大学(UNAM)

本コーナーでは、東京大学にゆかりのある先生方から海外経験談をお聞きし、紹介していきます。初回は、2021年度国際交流センター長の受田 宏之先生にお伺いします。取り上げた場所については こちら から。

自由で大らかそうだという憧れから、メキシコ留学へ

――海外経験も豊富な受田先生ですが、留学経験について教えてください。

受田先生: 課題は色々あっても自由で大らかそうだという憧れから、中南米のことを勉強する分科に進学しました。

そこで、先輩や同級生にならって日本とメキシコの政府間の交換留学プログラムに応募したところ、なぜか合格してしまい、1992年から1993年、メキシコ国立自治大学(UNAM)に留学をしました。

自分の性分に合っていたようで、以後、日本とメキシコを往復する生活を続けています。


憤りも覚えたことも。しかし、メキシコ人の寛容さに救われた

――留学で苦労されたことはありましたか?

受田先生: 留学して最初の頃は、官公庁の仕事が遅い、時間にルーズなど、日本との違いに憤りを覚えていました。

でも、危険な目にあったのはむしろ他の国においてでしたし、路上のタコスを食べてお腹を壊したこともありますが、今はメキシコ人よりも丈夫な胃袋を持っていると自負しています。スペイン語の誤りや踊りが下手なところも、メキシコ人の寛容さに助けられ、恥ずかしい思いをしたことはありません。

貧富の格差については、メキシコに限らずラテンアメリカ最大の課題ですが、その改善に尽力している人がたくさんいることに希望を見出しています。


――メキシコ人の寛容さと力強さを感じるお話です。ほかにも留学中や、留学後のエピソードがありましたら教えてください。

受田先生: 留学の後半に、家を地震で失った人たちを支援するNGOでボランティアとして働いた経験は、大学での授業や学生との交流とは違う新鮮な経験でした。

ボクシングやサッカーを見てもわかるように、メキシコ人は打たれ強いところがあって、留学から30年間、私の方がメキシコの友人に悩みを打ち明け、慰めてもらってきた気がしています。

留学を通じて、たくましさ、寛容さという点では成長できた反面、自らの性格の緩さや、アバウトな部分はむしろ強まったかもしれません(笑)。これはメキシコ人とばかり付き合ってきた結果だと思います。

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▲ 留学当時(1992年)の受田先生。留学時に海岸にて。


――そういった影響も! ほかにも、海外経験で得られたことはありますか?

受田先生: 相手の悪いところよりも良いところを見ようとする姿勢や、外に出ることで自らの先入観を絶えず刷新しようとする習慣を、徐々に身に着けてきました。こうしたことは、海外での経験が今に活きているなと思う部分です。

留学には、意外性や驚きがある

――国際交流や留学に興味がある学生に、メッセージを頂けますか?

受田先生:オンラインが新たに切り開く交流と学びのある一方で、対面式留学の利点は意外性や驚きにあります。目的と手段をきちんと定めると同時に、計画の中に遊び、ゆとりを含めておくといいでしょう。


――最後に、伝えたいことなど、ございましたらどうぞ!

受田先生:留学先、交流先のことをあらかじめ調べておくだけでなく、好きな食べ物、観光地、音楽や漫画、政治や経済面における課題など、日本のことを説明できるようにしておくことをお勧めします。

――ありがとうございました!


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