0と1で超巨大システムを操る
nodesのひろがり
0と1で超巨大システムを操る
HPC(高性能計算機)向けシステムソフトウェア研究開発の醍醐味は、0と1の羅列で構成されるソフトウェアで最先端の超巨大システムを自在に操れること。思う通りにシステムが動作した時の達成感は格別で、モノづくりのおもしろさを実感するひと時です。
着任後、最初の任務は、Wisteria/BDEC-01のシミュレーションノード群とデータ・学習ノード群をつなぐ通信ソフトウェアWaitIOの研究開発でした。プロセッサも結合ネットワークも異なる2つのシステムを有機的に結合するWaitIOの実装により、複数システムにまたがるジョブ群を一体化して協調実行できるようになりました。2022年6月より試験運用が開始され、例えば、大量の気象シミュレーションの結果を機械学習してすばやい気象・気候予測を行うなど、実社会に役立つアプリケーションへの適用も始まっています。
大学時代に8ビットパソコンでのプログラミングに魅了されてから、はや40年。いままでできなかったことをシステムで実現可能にすること、そのシステムで世の中をよりよくすること、それがシステムソフトウェア研究者のなすべき仕事と考えて研究を続けてきました。本職でも革新的なシステムソフトウェアで新しい世界を切り拓いていきたいと思っています。
住元真司/ 専門は高性能計算機向けシステムソフトウェアおよびアーキテクチャ。慶応義塾大学大学院理工学研究科・博士(工学)。前職は富士通株式会社、1997-2001年 新情報処理開発機構出向後、国内ハイエンドHPCシステム(理研RSCC、筑波大PACS-CS、「京」コンピュータ、「富岳」等)の研究開発に携わる。2022年4月より現職。