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東大生読書王決定戦 白蓮の場合

一言コメント

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・読んだ本

江戸の異性装者たち―セクシュアルマイノリティの理解のために
長島淳子

竹次郎事たけと史料に残る人物は出生時は女性とされながらも男性として生きた人物だった―。封建社会の中、既存の性規範に抵抗して生きた人々の声なき声を聞く意外性と示唆に富む歴史書。

呪われた部分 (ジョルジュ・バタイユ著作集)
ジョルジュ・バタイユ

核戦争の危機の中書かれたバタイユの主著。従来の経済学を越える宇宙的視野を持った「普遍経済学」の構想が膨大な歴史的史料を読み解きつつ明晰に語られている。なお、バタイユは本書の出版によるノーベル平和賞受賞を期待していたらしい。

バタイユ (学術文庫)
湯浅 博雄

高校時代に読んだ時は難解に感じたが、今読んでみるとバタイユの思想全体が統一的に捉えられる好著。説明も改めて読むと丁寧で良心的。ただ、若干著者の思考の濃度が高く、どこまでがバタイユの思想か迷う部分があるので、酒井健「バタイユ入門」やバタイユ自身の著作を合わせて読むことをおすすめする。

同級生 (EDGE COMIX)
中村 明日美子

雰囲気・絵ともにとても美しい。今まで読んだ(数少ない)BLの中で最良かもしれない。

ノケモノと花嫁 THE MANGA 1~7
中村 明日美子

ストーリーは幾原邦彦作。ややともすればエログロになりかねない「ロリータハードボイルド」が耽美的・メルヘン的に描かれている。(某通販サイトで全巻だと思って中古を購入したら8巻まで続いていた……)

ヴァンパイア騎士 1~19 (花とゆめCOMICS)
樋野 まつり

とにかく絵が素敵。また、単なる学園ものと思いきや、壮大な世界観が魅力的。続編のヴァンパイア騎士memoriesにもつながる最終話には感嘆した。

愛蔵版 蛍火の杜へ (花とゆめCOMICSスペシャル)
緑川ゆき

「夏目友人帳」著者の短編集。絵・物語ともに儚く脆い何かを内に秘めている。日常の喧騒の中で何か忘れてはいないかと我が身を振り返るきっかけになった。

謡本(全て観世流大成版)

山姥 

後半部の謡が非常に難解。山姥は単なる化け物ではなく老荘思想や仏教を踏まえて造形された観念的存在であるらしい。世阿弥の思想の一端が伺える作品。

阿漕 

伊勢神宮への供物を漁る禁漁区で漁をしたためになぶり殺された漁師の霊が現れる作品。漁師として生まれ殺生の罪を重ねざるを得ない阿漕の悲哀は今日にも問いかけるものがある。

夕顔 

源氏物語に材をとった作品。フィクションの中の人物を鎮魂するというのが面白い。

邯鄲 

邯鄲の夢に材をとった作品。謡本では分かりにくいが、クライマックスで夢の中で達した仙人の世界から目の覚めた現実世界に急転直下に場面が変わるところはお囃子付きで見ると非常に素敵。

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