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おうちで練習しなくてもできた。

大人は、
「ちゃんと練習しないと上手になりません。
ちゃんと練習しなさい。」
と言います。
でももし、練習してないのにできちゃったら、
大人はどう言うんでしょう?

世の中には、練習してないのにできちゃまずい、
みたいな、風潮さえあるのではないかと思います。
なんだかなあ。

練習の前に大事なのは理解です。
本当はピアノの習得に限らず、何事もそうなんじゃないでしょうか。

・・・・・
Mちゃんは、好きな曲を弾いてみたいということになって、
学校の歌集にあった曲をハ長調に楽譜を書き直しながら
左手は歌集に書いてあるコードを頼りに、
佐々木ピアノ教本で馴染んできた
三和音の伴奏をつけています。
ここのところ、レッスンでやっているのは、これだけ。

普段、書き殴るようにして書いていた楽譜も
だんだんに愛着が湧いてきたのか、毎週少しづつ
書き進めるうち丁寧になっていっています。
好きな曲に触れる嬉しさ。

水曜日、今回のレッスン時。
今までやってきた8小節をまず 弾いてみたのですが
最初辿々しかったのも、弾き進めるうちに感覚がよみがえってきたのか
少し音が伸びやかになってきて、そのうち先週よりもすっかり綺麗に
流れるように弾けてきました。
Mちゃん、いつも弾いているときに「どう?」という感じで私の方を見ます。
目が合った時のドヤ顔。

右手 弾いてみたら案外できたので、今度は左のコード
おや、すんなり弾けてるじゃないですか。
Mちゃんの目はますます嬉しくなってキラキラしてきました。

じゃあ 両手でやってみて ってことになって 両手で弾いてみました。
先週は、難しくて諦め気分で帰った課題。
最初 難しい そうだったけれども
だんだん 雲が張れるように聞こえてくるようになると
どんどん集中していって最終的には自分のものにすることができたようです。

そこまで私は今週は何も手を入れていません。

これまでの 主要三和音の弾き方、聞き方 をやってきたこと
それから メロディーの理解を続けてきたこと。
楽譜を自分で書いてきてること。

「練習してないのにできた」
と、とても意外そうでした。

理解が進めば演奏はじょじょに身についてきます。
なぜ世の中には理解することよりも練習することの方が 尊ばれるのでしょうか。
私には理解ができません。

きっと、Mちゃん、来週はたくさん弾いてきてくれるでしょう。
それは練習ではなくて、
すきだから、嬉しいから。


utena drawingによって見えてきた、一人一人の中に生まれる音楽
そのプロセスを大事に活かすために、音楽教育を変えたい。
ここの音楽教室は修正を続けています。


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