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【離島デリ・2024春】シュノーケリング🐟‼️(3/19)

2024年3月の八重山諸島研修2日目の午前の部を飾ったのは、美しい海の醍醐味シュノーケリングです!記事の担当は現在理科二類一年の田渕です。僕は鹿児島県出身であり、特に5歳までは美しい自然の宝庫:奄美大島で過ごしました。透き通る色彩美を誇る海や雄大な生命力を宿す森の中で、多種多様な生物と遭遇した島での幼少期。今回の研修は、その時のように島の豊かな自然に身を放てる点で、自分にとって原点回帰のような側面もありました。
 シュノーケリングは、物心つかない頃溺れそうになりながら奄美で行ったことしかなかったので、まともに経験するのは今回が初でした。生物学が大好きということもあり、童に戻るが如く心躍らせていました。

天気は曇り!3月のぬる寒い石垣の風に吹かれて、いよいよ海へ!

「いくら沖縄だといえ3月に海入れるの?」はい、入れます(海から上がった後そこそこ寒いですが…。)。ガイドさんによれば、夏よりプランクトンが少ないこの時期は、むしろ透明度が高く海のコンディションがいいのだとか。しかし、空はあいにくの曇天、、。「海に潜れば空は関係ない!」の精神で気分を上げていきます。その時でした!ボートの上からウミガメを発見!ガイドさんがすかさず水中カメラで撮影して下さいました。

アオウミガメ

我々も準備万端!シュノーケリングのスポットに到着しました。いざ、水中へ!

曇天でも気分揚々!

石垣の美ら海に釘付け〜珊瑚礁という魚類の宮殿〜

石垣島の海は発達したサンゴ礁🪸が特徴。サンゴはクラゲやイソギンチャクと同様の刺胞動物門に属する動物であり、立派な骨格を持ちます。この小さなサンゴという生物がたくさん集まり骨格を積み重ねた結果できるのがサンゴ礁という構造です。特徴的な幾重もの凹凸構造が魚へ隠れ家を提供し、多種多様な魚類の巨大な”シェア宮殿”とも言える役割を果たしています。石垣の海には、多くの種類のサンゴ礁が発達していました。その圧巻の海の生態系に魅了され、夢中に観察し続けました。スマホをジップロックに入れて写真撮影を試みもしましたが、うまく操作できない上に途中から水が入ってきて失敗しました。我がiPoneXRは無事でしょうか。下の綺麗な写真はガイドさんの水中カメラによるものです(笑)。

美しいサンゴ礁の世界へ

水族館で見た数々の景色が、ガラスなしで目前に果てしなく広がる

 石垣島の海は色鮮やかな魚の宝庫。幼い時に図鑑や水族館で見てきた魚が次々と現れます。水族館はいわば人間が作り出した海の「箱庭」。しかしそれは我々が生きる文明化社会からすると、あまりに悠々としていてどうしてもファンタジックに思えるもの。その世界が現実に存在するのだという考えてみれば当前の事実を、石垣の海の生態系を目の当たりにすることで初めて真に実感できました。
 綺麗だと感動する我々に内在的な美の感性を以て魚を堪能すると同時に、生物学的な視点から、適応戦略や性選択などの理論とその演繹に思考を巡らせました。

カクレクマノミ(左上)、アケボノチョウチョウウオ(右上)、ルリスズメダイ(左下)、セジロクマノミ(右下(橙))

(余談)恐怖の通知「液体を検出しました」

 シュノーケリングが終わってからホテルに帰ってスマホを充電したそのときでした。鳴ったスマホを手に取ると、そこには未知の通知が。「液体を検出しました」!?ジップロック穴あき浸水事故の余波がここで来てしまいました…。かなり焦りましたが、冷静にネットで調べて対応し、事なきを得ました。以後海にスマホを持ち込むのはもうやめにします(笑)。

恐怖の液体通知

美しいからこそ

 一方で、船の上でガイドさんから、島の抱える問題についてお話を聞きもしました。過去には、海を埋め立てて空港の滑走路を作るという構想や観光ホテルの設置に対して、自然を守るために反対する人と、経済の活性化のために賛成する人で大きく意見が割れた事例などについてお聞きしました。島の美しい自然は、観光地としての大きな経済的価値を持つことになります。しかし、そのような経済化と美しい自然の維持は、対立的な関係にあるので、バランスが重要になります。自分が育った奄美大島も、世界遺産登録後から観光がますます盛んになり、一層この経済と自然のバランスの問題が激しくなっていると聞いたことがあります。石垣島の高校生やガイドの方々の話を聞いて、島の人々は島の綺麗な自然を心から愛しているということが伝わってきました。当然ながら、経済化するにしても、島の暮らしを最大限尊重した開発でなければなりません。

麗しき記憶

 今回美しい生態系に身を置くことで、自分が生物学が好きであるということを強く再認識することができました。単に自然を愛でるだけでなく、その自然を理解する解釈と論理の美に感激するのです。奄美出身である自分の生い立ちを振り返る機会にもなり、島の生活の苦楽を追体験できました。豊かな自然で過ごした麗しい記憶を心に宿してのびやかに生きていきたいと願います。

文責:田渕辰樹

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