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【俳句エッセイ】水蜜桃は秋の季語

 水蜜桃は、桃のことです。桃も水蜜桃も、秋の季語になります。暑いさなかに、夏の空気がただようなかで、みずみずしく甘い桃を食べる。これも秋を味わっていることになるのでしょうか。

 最近、何度か桃を食べました。

 スーパーで売られている大きな桃ではありませんが、地産地消を目的としたお店です。近くの農家と提携し、新鮮な野菜を置いています。スーパーで買うよりも安いときがあります。なかには傷があり、不揃いということもありますが、気にしない方にとっては良い買い物になるのではないでしょうか。

 桃の旬は6~9月になるようですが、最盛期は7~8月になるようです。

 6月下旬から出回っているのを見ているせいもあり、桃は夏の季語という思い込みが強かったようです。

 丸くてやさしげな色合いのピンクは、気持ちもやわらかくなります。熟すほどにただよう甘い香り、さわればやわらかいうぶげが手のひらに当たります。

 そうっと皮をむき、水分たっぷりの実を口に入れると暑さも和らぎますね。

 大きな種にあたるまで、名残惜しくナイフか包丁で実をけずっていきます。

 桃のゼリー、桃のシャーベット、桃のケーキ、桃に関するスイーツがたくさんありますね。この時期だからこその特別メニューに心が躍るかもしれません。

 1年中、あらゆる季節を味わえる現代ですが、この時期だからと思うとちょっと楽しくなりますね。

 俳句の世界に身を置いていると、夏でも秋を味わうことがあります。季節を先取りしているような感覚は、面白くもあり新鮮さも感じます。

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