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【読書】『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身XII」』

 『本好きの下剋上シリーズ』完結巻です。小説33巻あるため、1巻から読んできた私にとって、完結は感慨深いものがあります。

 小説家になろうで連載されていた小説で、異世界転生ものです。本好きの主人公が、識字率の低い兵士の娘として人生がスタートしました。病弱の小さな女の子として目を覚ました主人公は、新たな人生に驚きながらも自分の望む世界を目指して爆走します。

 兵士の娘から神殿の巫女となり、神殿長、さらに領主の養女、敵対していた他領の領主となります。

 豊富な魔力をもって生まれた主人公は平民。貴族に利用される存在ではありましたが、豊富な魔力と転生前の知識を生かすことで、希少価値の高い存在となります。

 さらに、本にばかり興味が向くので、転生先の常識、貴族としての常識がなかなか身につきません。まわりをハラハラさせながらも、主人公の革新的なアイディアと言動に憧れるひともでてきます。

 兵士の娘からはじまったシリーズ。転生先の文字がわからない。平民は読み書きの必要がないため、両親も読み書きに対して意識が低く、本の1冊も目にすることはありません。そして紙もありません。もちろん、活版印刷という発想もありません。

「ないならつくればいいんじゃない?」

 読み書きができない状態から、本を作り、事業として展開していく主人公は、神々との関りも深い存在となっていきます。

 1巻からぐいぐいと引っ張られていきました。領主の養女となったあたりで、気持ちが離れそうになったのですが、魅力的なキャラクターが満載で、本当に気持ちが離れることにはなりませんでした。

 絶望的な状況はあっても、ラストはハッピーエンド。

 この先も主人公はあらゆる騒動を引き起こしそうですが、とりあえずのエンディングに読者である私も気持ちに一区切りついた気分です。

 現在は、別のシリーズが刊行されています。主人公の友人の物語。そちらも楽しみです。



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