うたた寝ノ助

はじめまして!!仕事しながら趣味の物語を書いています。色々素人なので小説というのはおこ…

うたた寝ノ助

はじめまして!!仕事しながら趣味の物語を書いています。色々素人なので小説というのはおこがましい気はしますが、noteで色々なことができればなと思っています。よろしくお願いします。

最近の記事

小説:プネウマ

EP5 イリ  海岸沿いに女が立っていた。 女は何をするわけでもなく、目の前に広がる海を眺めていた。  女は深く深呼吸をし、海に向かって歩きだす。そしてその姿は、海の中に消えていった。 沈んでいく海の中で女は瞳を開き、空を見上げる。太陽の光が差し込み幻想の中にいるような綺麗な青の世界の中で女は呟く。 「ああ、やっと……」 女は微笑み、そっと瞳を閉じる。 やがて、女の体は、綺麗な青の世界から暗い暗い黒の世界へと沈んでいった。 ーーーーーー  目を開くとそこは見知ら

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      EP4 ジェイク 「チッ!! ここはどこなんだ?」 体躯のいい男が舌打ちをしながら見知らぬ森の中を彷徨っていた。 「何で俺はこんな森の中にいるんだ? ここはどこなんだよ?」 しばらく歩いてみるが森の中の異様な静寂さに男は違和感を感じていた。 「それにしてもこの森は生き物の気配がねぇなぁ。だが、なにかに警戒されてる感じはあるんだが、まっ、ジタバタしててもしょうがねぇな」 男はドスンと地面に座り、辺りを見回す。 「おい!! いるんだろ? 隠れてねぇで、出てこいよ?

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        EP3 カイリス 砂嵐が吹き荒れる砂漠を青年は歩いていた。 「ハァー、ハァー、ハァー」 乾いた唇から吐息が漏れる…… 回りを見渡すとそこには屍とかした動物の骨が彼方此方と散らばっている。 左目の下に黒子があるその青年はそんな砂漠をあても無く進み続けていた。 「どこか、どこかに水はない……のか?」 喉の渇き、空腹、歩き続けた疲労感、青年は体力の限界に近づいていた。 「ハァー、ハァー、ハァー」 「こんなとこで死ねない。奴に会うまで……は」 力を振り絞り歩くが、

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          EP2 サイシューとマナ 「ここはどこなんだよ?」 俺と妹のマナは、気がついたらこのどこかもわからない森の中を迷い込んでいた。 「お兄ちゃん……怖いよ」 妹のマナが泣きそうな顔で俺の方を見る。 「大丈夫だ!! 兄ちゃんが必ず守ってやるからな!!」 「うん」 マナは俺の腕をギュッと握りながらついて歩いてくる。それにしても、ここはどこなんだよ。確か俺達は父さんに殴られて……それから父さんが俺達を置いて出ていってしまって……いや、考えるのはやめよう……先ずはこの森を

        小説:プネウマ

          小説:プネウマ

          EP1 サーシャ 眼を開けたらそこは見知らぬ場所だった。 森……の中だろうか? 周りには木々が生い茂っていて、少し先には川が流れている…… 「ここは……どこ? 私はどうしてここに?」 体を起こし、思いだそうとすると。 「痛ッ!!」 ズキっとこめかみ辺りが痛くなる、ダメだ……思い出せない。私はとりあえず近くにある川に行き、顔を洗い、口に水を注ぐ。喉の渇きを癒し、辺りを見渡してみる。空からは太陽が顔を覗かせていて木々や川、植物達に光を当てる。 凄く、穏やかな時間……

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