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スプラトゥーンでの戦い方を概念から考えてみた

はじめに。
この記事はスプラトゥーンの立ち回りを画像付きで丁寧に解説するようなものではありません。ゲームの構造を手前勝手に分析しつつ、上達のために自問自答し続けている内容を文章にしたものです。間違っているかもしれないし、私より上手い(ごまんと居ます)人達は「これはおかしい」「これでは勝てない」と思われるかもしれません。それは素直にすみませんという感じで、そこらへんは単なる読み物として面白がりながらスルーしていただければと思います。

とはいえさすがに私のステータスだけご紹介すると
・1と2それぞれ2500、1500時間程度プレイ(合計約4000時間)
・1ではガチホコにハマり、ガチホコでウデマエカンスト(維持は微妙。定期的に落ちる)
・2は全ルールX維持。変わらずガチホコが好きで、月末500位以内を経験(ポイントは不明)
・使うのはシューター。スシ/ZAP/ボールド等

・FPS/TPS未経験でスプラトゥーンを始めた
・ゲームは好き。大会に出たことは無い
こんな感じです。
まあ本人としては素人に毛が生えたくらいの自己評価だけど、友人に謙遜するにしては上手すぎる、みたいな感じです。(周りの反応などを鑑みて)

また、特にガチホコが好きなので「スプラトゥーンというゲームが王冠ほど上手いのか」と問われると難しい。ナワバリバトルやガチエリアをスプラトゥーン的だと解釈した場合、アサリやホコは相対的に戦略的要素が強く、対面がそこそこでも勝てちゃったりすることが多いですからね。

実際、私はほかのFPS/TPSが未経験だったこともあって、ウデマエのわりにエイム力が低いんじゃないかなと思っています(実際には比較したことはありませんが)。スシやZAP以下の射程のブキばかり使っていたので、相対的にエイムを必要としないブキを使っていますし、それこそ遮蔽物無し、平地無風で戦うのにエイムを活用した勝ち方を得意としていません。(ZAPなら人速で躱す。ボールドならステップで躱しつつ回り込むようにしてキルする)

エイムはトレーニングしないと会得が難しいスキルだと思いますが、それ以外であれば、トレーニングをせずとも上達することが可能です。具体的には対面や戦い方を熟考することによって、シチュエーションを微分しつつ、選択すべき立ち振る舞いをフレームフレームで最適に判断することができるようになれば、かなり勝てるようになります。

私がこの記事で解説するのは、この「フレームごとに最適な判断を選択する」ことができるような思考の作り方、根本的なゲームに対する向き合い方のアップデートを目論んだものです。多少具体例も示しますが、具体例ごとの選択を機械的に解説するのではなく、新たなシチュエーションに出くわしたとしても、およそ最適解に近い解答を自ら導き出すことができるようになることを目指します。


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では早速、スプラトゥーンとはどういうゲームなのかを考えてみたいと思います。

まず「ナワバリ」の概念ですが、純粋な攻撃を繰り返していくことで、その飛沫やキル結果に応じて自陣が広がっていきます。加えて自陣を丁寧に(能動的に、意図的に)塗り固めていくことで、ナワバリバトルでいえばそれが勝利に直結、ガチルールで考えてもいわゆる「クリアリング」を目視できる形で実現できることに繋がります。

まだ塗られていない自陣を塗り固めるのはガチルールでは無意味では?という指摘もあると思いますが、しかしこのゲームにおける「自陣」にはハイドが可能です。ハイドできる領域を1ピクセルでも増やしておくことは、最終的な勝利につながる可能性を明確に孕んでいるものです。(もちろん絶対ではありませんが)

この事実から、スプラトゥーンにおける「塗り」行為は、およそ勝利に影響を及ぼす作業だと言えます。ただしこのゲームは、相手を全員キルした時点で勝利ではありません。どのルールにも制限時間が存在し、その中でのアクションとなります。よって、完全に塗れば勝つわけではなく、より効率的な作業が行えるかどうかが極めて重要です。

よって、このゲームにおける「慎重さ」「丁寧さ」は、常に「滞留」「停滞」「遅延」と表裏一体です。使う可能性の低い隅っこを塗っておくべきかどうか、というところは、状況次第で全く変わるということをよく理解する必要があります。

つまり「自分が最大効率で動けているか」というのは、いつ何時どの瞬間だろうと重要です。たとえば塗るなら「自分の位置がここなので、こういう順番に塗っていくと作業効率が良いな」とか「あそこはクイボで塗れば一気に塗れるな」といった思考です。

また、作業効率はインク塗り行為だけではありません。すべての移動や、味方からの分散、サブスぺの使い方についても同様に考えられます。

移動でいえば、どのルートが目的地まで最短なのかを理解しているかとか、壁塗り作業のブキごとの効率も重要です。スシの弾2発で登り切れる壁を3発撃ったら無駄です。誤差だと思われるかもしれませんが、その一瞬で味方へのキャッチアップや、塗れたはずの1ピクセルが塗れなくなるのですから。

サブの使い方でいうと、私が提唱している説で「初動でスプラッシュボムを投げるイカは全員下手」というのがあります。初動の塗りでスプボムを投げるケースは基本的にあり得ないため、何も考えずに遠くを塗っておきたいのだろうなと想像できます。
こちら、かなりの確度なので、見かけた人は是非確認してみてください。キルレ、活躍の仕方、動きそれ自体、かなり微妙なことが多いです。(もしご自身がやっている場合は、是非行動を見直してみてください。もちろん、意図があるんだ!効率的なんだ!であれば、止める必要はありません。私の理解が及んでいないだけなので)

このように、多少は知識やスキル依存するような部分はあります。分かりやすく考えると、たとえば初動でホコ割りに一直線の際、同じブキ同じイカ速でレースして誰かに負けるようであれば、そのトレーニングが必要であるということになります。そういう意味でヒーローモードは極めて重要です。あれがスムーズにクリアできるようになると、およそのブキや動きをマスターできたことになります。(RTAの動画とか見ると戦慄しますよね)

このように、すべての行動における作業効率というものが、このゲームにおける極めて重要な側面であることは明確です。
まずは一つ、この「作業効率」というものを結論めいたところに置いておきましょう。


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さて、作業効率で片付けられないものがあります。それは勿論「相手」の存在です。相手がコンピュータ、プログラムであれば、オブジェクトは塗れば塗れるし、動きもある程度単調(シャケなら向かってくる、オクタリアンなら撃ってくる)です。

しかし「相手」は、いったいどういう動きをしてくるのか分かりません。相手はプレーヤーであり、その正体は意思を持った人間です。複雑な思考を持ち、スキルも様々、ブキも様々。そして何よりこちらを攻撃したり、邪魔をしてくるという目的を持っています。

これは簡単に「効率的に動けばよい」というものではありません。敵の動き次第でこちらの「効率的な動き」は変化し続けることになりますし、そもそもどう動くのが効率的なのかがよく分かりません。オブジェクトやプログラムされた敵とは話が違う。フレームごとに正解が違います。(それこそ具体的なシチュエーションとそれに対する解の説明となり、この記事の目的に合いませんね)


では一度視点を切り替えてみましょう、フレーム単位のミクロではなく、マクロな目線で捉えなおしてみようと思います。ところで、敵は一体何をしようとしているんでしょうか?
答えは簡単です。私を含む味方陣をキルして、陣取りを行ったりルール進行をしようとしているのです。

ということで、敵対している際にとるべき行動の答えは簡単です。味方陣がキルされず、敵の陣取りやルール進行を阻害すればいいのです。当たり前のことを言っているように聞こえるでしょうが、これがスプラトゥーンの対面における最重要な行為です。

もう少し噛み砕いて解説すると、私は相手をキルすべきだとは一言も書いていません。キルが必要なケースもありますが、キルは必須条件ではない。キルすることしかできないブキであればキルしないと敵の阻害ができませんからキルしましょう。でも、重要なのはキルそのものではなく、敵の阻害および味方の作業効率(=デスしていない&動きやすい状況で動けていること)です。

たとえばリッター4Kに対するヘイトが集まった時期がありますが、アレはけっこう的外れだと思っています。4Kはキルしないと何の活躍もできないブキなので(言い過ぎ)、キルしてようやくニュートラルなんです。
想像してみてください。4Kが安全な位置からわかばをキルしたとします。中央まで来た時点で4Kに狙撃されたことにしましょうか。わかばがデスしている間4Kは自由ですが、わかばが次に中央まで戻ってくる時間で塗れる領域はたかが知れています。(おそらく、塗りもそこそこに他のプレイヤーのキルに向かうでしょう)
一方、わかばは極めてインク効率の優れたブキです。わかばが中央地点まで出てきた4Kをキルした場合、そこから一気に塗れる範囲が広がります。4Kは中央でキルされた結果、中央を眺められる安地からでないとわかばを狙い撃ちできません。

もちろん、中央まで上がる前に4Kがわかばを狙撃して、中央地点を陣取ることも可能ですが、4Kは横腹を食われる動きをされるリスクから中央にソロで居座ることができません。これは味方依存以外の何物でもない。じゃあそのお返しは何かというと、キルです。4Kはキルレが圧倒的に優れていることを前提としているようなブキなのです。

前述のように私はチャージャーがそこまでうまくありませんが、X維持くらいはできます。でも、敵対してどうしようもなかった4Kなんて数えるほどしかない。イカに難しいブキなのかは、作業効率の観点を鑑みれば自明ではないでしょうか。

ちょっと脱線しましたが、つまりキルは手段でしかないということです。しょっちゅうキルレ自慢をするツイートを見かけますが、いやもちろんすごいんです、すごいんですけど、キルレと勝利への貢献度合いは、必ずしも一致していないことがあるということは念頭に置いておく必要があります。

(※補足しておくと「キル」と「キルレ」は違います。良いタイミングでのキル(=阻害=貢献)で、試合全体でのキルとデス(=対面の上手さ)だと思います。ルールに寄与しないところで裏取り連発してキルしても、それが活躍といえるかどうかは分かりません)


話を戻します。「味方陣がキルされず、敵の陣取りやルール進行を阻害すればいい」ためには、具体的にどうすればいいのか。キルがその手段の一つ(それも、最大効果を発揮する分かりやすい手段の一つ)だということは申し上げましたが、これらを実現するための方法とは何なのか。

突き詰めていくと、スプラトゥーンにおける対面(作業効率という枠に収まらない)挙動は2つしかありません。たった2つです。それは「前線維持」と「裏取り」です。スプラトゥーンにおいて、敵と接触する程度まで自分が前線を上げている場合の動き、接敵するかしないかの境界線まで前に出ている場合、もしくは敵が強烈に前線を上げてきている場合、あなたが取りうる選択肢は「前線維持」か「裏取り」しかありません。

もちろん、大枠です。「前線押し上げ」は「前線維持」に含めますし、敵陣ギリギリの飛沫インクにハイドしてからの4タテは「裏取り」に含めます。重要なのはどういう行動をとるかではなく、その目的にあります

味方陣営をキルされないようにするためには、まず膠着状態というものが極めて重要になります。膠着状態を軽視するイカは上達しません。意図的に膠着状態を作り出すことで、それがキルを実現しなかったとしても大きな成果を生み出す可能性があります。

たとえば味方が事故でデスしました。3対4です。敵のほうが長距離射程武器が多めで、こっちは裏取りしに行かないとキルできそうにありません。敵のインク飛沫は明らかに少しずつラインを上げてきていて、こちらは防戦一方です。やばい、どうしよう。
こういうシチュエーションは少なくないと思います。ここで焦って裏取りに回る人はかなり多いと思います。また、やばいやばいと言いながら思考停止して少しずつラインを下げてしまうだけの人も多いでしょう。押し上げられている状況では動きも難しいですから、そのままうっかりデスすることもあります。

どちらも間違いではありませんが、どちらも上達にはつながりません。こういう状況では、今まさに何をすべきなのかがとても重要です。ガチマッチ序盤であれば、相手に抜かせつつラインを上げさせつつ、味方の復活を待つのは非常に効果的な振る舞いです。また、復活してきた味方の動きに合わせつつ(それこそ、ソロで突っ込んでデスするプレイヤーはまた同じことをする可能性が高い)、前線維持しながら裏取りしている味方の到着を意識して味方にキルさせるのは立派な戦略です。
また、裏取りをするのも、デスしない自信があるのであれば、全く間違いではありません。たとえば敵が自陣の塗り返しをおろそかにしていて(長距離ブキが多い敵はそうなりがちです)、マップを見ても裏取りされているかどうかを判別しにくい場合、バレずに裏取りすることが容易になります。そこを見極めながら振舞うことで、今何をすべきかが分かります。

もちろん、裏取りできるシチュエーションでも、味方が全員裏取りに向かっているようであれば、前線維持を選択するのも手です。この際、敵が押せ押せでリスキルに近い動きを2-3人で行っている場合、裏取りしている側が大きく活躍することが見込めるため、自分の命を賭して自陣で死なずに走り回ることができれば、敵を引きつけつつキルはできないしデスも多いリザルトで、しかし勝利に貢献することができます。

究極、何がどう作用するのかは味方同士の「前線維持」と「裏取り」の噛み合い方に掛かっているといえます。何があっても裏取りしかしない味方より、状況次第で前線維持も選択しつつ、適宜(ちょっと敵が攻めすぎてるな、前のめりだなと思った時に)ローラーが横から抉ってくれると、前線維持していただけのスプラッシュボムが敵をキルしたり、自信のないエクスプロッシャーが直撃してキルできたりすることになります。
勿論、ブキによって得意不得意があります。あえて4Kを担いで裏取りに行く人は少ないですし、ボールドマーカーで前線維持ばかりする必要もありません。

ただし、まれに平地のキルで、有り得ない裏取りポジションに足を運んで3キルしてから自陣リスポーンするとかいう神がかりした4Kも居ますし、飛沫インクへのハイドや置きボムの極まったスキルで前線維持をこなすボールドもいます。これが両方できることが実力であり、完璧でなくても前線維持/裏取りの両方をこなすことが勝利につながるのです。
大切なのは、自分の好きなことや得意なことを連発してキル数を稼ぐのではなく、やるべきときにやるべきことをやる。それだけです。

これを意識するとしないとでは、全くプレーが異なります。特に1試合中に上手くいかない不審なデスが多い場合、味方と噛み合っていなかったり、自分のプレーが相手に筒抜けだったりすることが多いです。ここはあえて、苦手な前線維持をしてみるとか、バレバレな気がしつつも裏取りをしてみることで空気を換えてみるというのもいいのではないでしょうか。


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ここまでで私は以下の二点を述べました。
・作業効率を最大限に重要視する
・対面には「前線維持」と「裏取り」しかない

最後にもう一つだけ申し上げたいのは、これらをブラッシュアップするために必要なテーマです。それは「経験」です。

急に現実的というか、実現不可能そうな話になったとお思いでしょうか。しかし単にプレー時間が長ければ長いほどいいという話をしたいわけではありません。(この記事における私の提案は常にただの概念であり、根本的に向き合い方を改善しましょうという話でしかありません)

「経験」というのは、量も重要ですが、質は更に重要です。質の悪い経験は量があっても意味がありません。
ただ考えずに自陣を塗ったりホコ割りをしたりすることと「こう塗ると早いな」「こうするとインク効率がいいな」「こうすると早く動けるな」と、作業効率を意識しながらプレーすることは違います。
ただ考えずに対面することと「今は前線維持をしている」「今は裏取りをしている」「今は前線維持をしている味方が多いので裏取りすべきだろうか。しかしリードしているし終盤だから前線維持しつつ相手が焦るのを待つべきか」「裏取りばかりしている味方が多いがどうだろうか。裏取りの味方が接触しそうなイカの注意を引こう」「あと1分切った。今抜かないとまずいな、味方リスポーンしたら裏取りしよう」と、構造を意識しながらプレーすることは違います。

これが「経験」の「質」にダイレクトに刺さってきます。何をやって失敗しても構いません、こうしたら失敗したのだ、次に似たようなシチュエーションになったら逆をやってみよう、と、そう思えれば充分です。
私は絶不調だと、ウデマエを無視して「毎回裏取り以外全くやらない試合」「前線維持しかやらない試合」を何度かやってみることにしています。キルレは散々なことが多いですが、不思議なことに5割くらいの勝率に戻ってきます。(おそらく味方が馬鹿なイカがいるぞと合わせてくれる結果なんだと思いますが、それも勝利の一つです)


また、質の良い経験を獲得するためには、状況を理解することが大切です。状況というのは、ステージの構造、敵のブキ構成、遮蔽物の位置、さらに自分が使わないブキも含めたブキの性能情報を含みます。

たとえば敵のブキ構成について考えてみましょう。自分たちはスシ、ローラー、プライムなど中距離、4Kと全距離を射程に収められそうな構成です。一方相手は4K~プライム程度の射程ブキしかなく、短距離での戦いを不利にする構成になっている。

これを見た瞬間、どう考えるでしょうか。裏取りが極めて効果的なチーム編成であることと、相手が裏取りを強く警戒するのではないかということが同時に判明します。敵が多少前のめりになるようであれば横から攻撃を仕掛けますし、敵陣が引きこもりがちなのであれば丁寧に詰めたり、定期的に敵陣へ仕掛けて引っ掻き回して相手に攻撃させるといった刺激(による揺らぎ)を呼びます。

これらを考えながら行動することで、前線維持をするべきか裏取りをするべきか、経験して理解することができます。やることは「前線維持」「裏取り」だけだとしても、今どちらを選択すべきかということをより適切に(正解に近いような)判断ができるようになることが期待できます。

私は指さし確認の意図で、スタート直前に味方と敵のブキの名称を声に出すようにしています。また、スタート直後のマップの塗り跡を見て、特に意識すべき敵(4K等のチャージャー、ローラー等のハイドしがちなブキ)のポジションを確認することがルーティンになっています。(もちろん推測ですが、4Kやローラーのコロコロはマップでおよそ分かります)


続けて敵ブキの性能情報について考えてみます。私はシューターばかり使いますが、ローラーもチャージャーも定期的に握りますし、ブキを学ぶ意図でバイトに潜っています。

4Kのチャージ時間を把握していると、射線を隠しつつこっちを見ていることが分かるようになり、チャージマックスの瞬間にこっちに照準を合わせる首振りをかましつつshotするタイミングが読めるようになります。その瞬間小さくジャンプしながらヒトになることでチャージャーをかわしつつ、そのまま別の遮蔽物にハイドすることで難を逃れるケースがあります(ガチホコ持ちなら頻繁に行うテクニックです)。

また、ローラーを使うと、そのエイムの合わせ方の難しさに驚くと思います。上手い人はさも振れば1キルみたいに振ってきますが、ゼロ距離で攪乱されるとなかなか1発でキルするのは難しいものです。また、特にノーマルローラーは意外と振るのが遅いので「自分がローラーならここにハイドしておくなあ」というところでイカロールして躱すと(見えていない敵を想定して試してみる)、敵のローラーが湧き出てくることがあります。

これ以外にも、敵のブキと動きを読むことは非常に重要です。
たとえばヤグラの上にハイドしている際、ローラーの敵が突っ込んでくるのが見えたときはあえてハイドし続けて、ヤグラの上に居ることは(ヤグラが動いているのだから)バレているとしても、ではヤグラのどこに隠れているのか?というのを悟らせないことで、敵の狙いを少しだけずらすことで優位に戦うことができます。あんなに狭い枠ですら、厳密なポジションを悟らせないことが対面で大きく優位に働くのです。

ローラーが対ヤグラなら、ヤグラの下からタテ振りしてくる可能性が高いです。ヤグラ柱の右か左か自分の位置を悟らせずにタテ振りさせれば、相手は片方しか塗りません。反対側へ移動しつつ立て振りして次の振りを試みようと硬直しているイカを撃ち抜けば勝利です。
また、ヤグラ側面を塗って上ってくる可能性もあります。上ってきた瞬間に横振りを仕掛けてくるでしょう。TPSの視点を利用してヤグラの上にハイドしつつヤグラ側面を眺めて、上ってくるのを待ちます。敵がまさに上りきったその瞬間、敵イカが上ってきた側面へ飛び出し、ヤグラから落ちつつ敵イカの背後を取って撃ち抜きます。

これらは一見すると、ただの対面に見えますが、細やかなハイドによる勝利です。平地無風でインクに隠れずに対面する戦い方を前線維持と呼ぶなら、これもごく小さな裏取り的戦術であると言えます。これをマクロまで拡大したものが4対4の対面です。

ヤグラに乗っている時、油断している瞬間はありませんか?敵が自陣寄りの飛沫インクにハイドしていて、へらへらしてヤグラに乗っているあなたをローラータテ振りで一撃で仕留めに掛かるかもしれません。その際、味方は皆敵陣までラインを上げてしまっている。それでは勝てません。


油断せずに常に作業効率を意識すること、ミクロ~マクロでの前線維持と裏取りの仕組みを考え続けることが、結果的に質の良い経験を獲得することに繋がります。


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以上3つを述べました。

・作業効率を最大限に重要視する
・対面には「前線維持」と「裏取り」しかない
・質の良い「経験」を積み上げて行動を正解"的"にする

この3つを鍛えることが、スプラトゥーンというゲームを楽しむことに大きく寄与すると私は考えます。記事中では特に経験と対面の関係性を説明しましたが、たとえば作業効率が良い動きは前線維持に寄与しますし、裏取りの成功率、敵からの逃げテクを改善します。(塗るのが早くて走るのが早いイカは、当然キルも上手いし回避も上手いわけです。極めてシンプルな前提です)

そして、作業効率が最善でなければ得られる経験はベストではありません。なぜなら、同じ意図で動いても、動きがもっと早ければ逃げられた/キルできたはずのシチュエーションで失敗した時、その経験が失敗として積みあがってしまう可能性があるからです。


ここまで概念的かつ抽象的なアドバイスばかりだったので、最後に具体的なアドバイスを書かせていただいて、この雑記の締めとしたいと思います。
(とても月並みな内容になります)


■ストーリーモードをすべてクリアする

隠しステージ含めて多少の難易度がありますが、作業効率やすべてのブキ/ほとんどのサブ/スぺに触れつつ、スピード感のあるショットやインク効率を意識した動きを求められるストーリーモードは基本を学ぶのに最適です。正直、すべてをクリアせずにS+到達するのは簡単ですが、あれを余裕でクリアできる人とそうでない人は、根本的な動き方に差があります。
(作業効率、経験)

■サーモンランを軽視しない

バイトをあまりやらないイカも多いらしいですが、サーモンランほど作業効率を求められる機会は通常なく、むしろバトルのほうが少ないくらいです。バイトが上手い=どんなブキでもある程度動ける ですし、 バイトが上手い=作業効率が極めて優れている です。コンピュータの敵(シャケ)ですが、だからこそその規則を読んでの適切な行動、ものすごいペースで塗り返してくる彼らを押し込みつつ、メイン/サブ/スぺの使うタイミングを意識するのにとても良い練習になります。
(作業効率)

■全てのブキを使う

ローラー使いがローラーしか使わないとか、チャージャー使いがチャージャーしか使わないといったことを頻繁に聞きます。もちろん一つのブキを極めることは脱初心者の一手ですが、ここまでこの記事を読んでいるあなたはもう初心者では全然ないので、そろそろすべての武器を使えるようになりましょう。チャージャーのチャージタイミングが分かっていること、ブラスターの爆風範囲が分かっていること、ローラーの確1の距離を把握していること、プライムシューターの飛距離が分かっていること、クアッドのインク残量を理解していること、これらはどんなブキを使っているイカにとっても極めて重要な情報です。
(対面、経験)

■すべてのルールをプレーする

さきに述べた通り私はガチホコを堪能していますが、基本的にはすべてのルールで遊んでいます。1でS+に到達したのはエリアとヤグラで、そこからホコを好きになったという経緯もあります。端的に、とあるルールだけやるよりも、ほかのルールをプレーすることで自分の得意ルールを更に上手くプレーすることに繋がります。たとえばヤグラやホコのようにターゲットが動くルールでは「前線」が明確に動きますが、その押し込まれ方とエリアで強く前線を上げられている状況下での振る舞いは似ています。どんなシチュエーションでも柔軟に対応できるような能力が身に付けば、まさにそれが良質な「経験」として積みあがっていきます。
(作業効率、対面、経験)

■とにかく散歩する

試し打ちでブキの構造を理解したりエイム練習をする人もいると思います。これも重要なことですが、散歩も同じくらい重要です。ヤグラのルート、エリアの位置、ガチホコを運べるルート、アサリの発生場所。単純に塗れる壁と塗れない壁。最速でオブジェクトまでたどり着くためのルートと動き方の確認。特殊なハイドポジション。これらは散歩でなければ獲得の難しい経験です。無論、通常バトルでも繰り返すことでもある程度は身に付きますが、散歩のような静かな状況でないと気づけないようなこともあります。
(作業効率)


以上、具体的かつ簡単なアドバイスでした。月並みで面白くないアドバイスだと思いますが、私が書いてきた概念を踏まえて読むと、これらの重要性がすこし分かりやすくなったのではないかなと思います。練習らしい練習をあまり楽しいと思えない人もいると思いますが、これくらいは意識してやってみるとかなり効果的です。是非、実践してみてください。


気まぐれに書き始めたのに1万字を超えてしまいました。
私はあまりスプラトゥーンにおける常識(?)が無いので、実はこういう記事は普通にネットにありふれてるのかなとも思ったのですが、簡単にググってみると「イカロールの使い方」とか「慣性消し」とか「ボムコロ」「カベキューバン」「疑似ボムラッシュ」「射線隠し」みたいな、ミクロのテクニカルな手法ばかりが書いてあったり、こういう概念的な記事をあまり見かけませんでした(見かけても「ちょっと偏り過ぎてる」「この人4K使いだな」「この人がエイム上手すぎて説得力無いな…」「キルを前提にしているな(※)」とか、そんなんばっかりでした)。

※キルは超重要プレーで「塗りゲーというよりキルゲー」といわれがちですし、半分くらいは同意しますが、それだけで勝つには骨の折れるゲームだと思います。キルは阻害目的(相手をリスポーン地点でしばらくスタンさせるもの)であって勝利判定事象ではないということが忘れられがちだなと思って、こういう記事にしてみました。


そこまで上手くない私だからこそ書ける記事もあるんじゃないかなと思い、こうして書いてみました。みなさんの素敵なイカライフに寄与できる内容になっていれば、とても嬉しいです。


ほな カイサン!!!

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