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十角館の殺人

あまりミステリーを読む機会はなかったのですがこの本もおすすめしてもらい、読んでみることにしました。軽く、本の解説を調べているときに「1行で全ての真相がわかる!」と謳っている紹介文をいくつか見つけたので、その1行を楽しみにページをめくりました。

プロローグは、犯人が犯行を決めた瞬間の映像から始まります。どうやら目の前に海が広がる堤防で、犯行計画を記した紙を入れた瓶を海に投げます。
この始まりがとても暗い情景で、復讐に燃えている犯人の心情が抽象的に表現され、少し読みにくく、何度も読み返しました。何か恐ろしいことが始まるのは確かです。

大学のミステリー研究会に所属する7人が、十角館の館が建つ無人島を訪れます。そこで次々に殺人事件が起こります。本島との連絡手段もなく、次に誰が殺されるかもわからない状況で、生き残る者はいるのか、犯人は見つかるのかという物語です。
十角館で起こる事件だけではなく、いくつかの殺人事件が絡み合っていて、その動機のほとんどが恋愛絡みの嫉妬や恨みです。人を動かす憎しみの力は計り知れません。

衝撃の1行を読んだ瞬間に、頭の中で「え?え?え?え?」となります。そのあと犯行の一部始終が犯人目線で説明されているので、結末はとてもスッキリします。講談社からYA!としても発行されているので、若者にも理解しやすいミステリーだと思いました。

足跡を辿るシーンで頭がこんがらがりそうだったので、紙にメモをしていったら、次のページにわかりやすく絵が表記されており、「載せてくれてるんかーい」と心の中で突っ込みました笑

綾辻行人さんの館シリーズは、作品中に登場する中村青司が建てた館で事件が起こるというシリーズものだそうで、他の作品も読んでみたくなりました。

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