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フランス、ロックダウン45日目に思うこと

こんにちは。皆さんいかがお過ごしですか?

本当は、こちらのブログの最初の記事は私のクラリネット人生について書こうと思っていましたが、世界がこのような状況なので、今感じていることを書いてみたいと思います。

3/17から始まったフランスの外出制限は、今日で45日目を迎えました。私はパリのアパートに1人で過ごしていて、食料品の買い出しに行く以外は外出していません。
外出制限の始まる前後で私の周りの日本人の方達はどんどん帰国してしまい、それに関しては少しさみしい気持ちがありましたが、私自身にとってはこのままパリにいるのが自然な選択肢でした。そして、とても孤独ですが今もパリに居続けることに違和感がないので、不思議な気持ちです。

最初の1ヶ月ほどは、ポジティブな気持ちでいる事ができ、充実した日々を送ることが出来ていました。毎日の練習、家事、自宅トレーニング、映画、などなど。また、これから先もしばらくは演奏会を開くことが難しいことを踏まえ、自分がどのような奏者としてありたいか考え、その方法を考えること…。毎日自分の課題を見つけて取り組むことがとても楽しくもありました。

しかしこの1週間ほどは、すこし精神的に落ち込むことも増えてきました。やはり、許可証がないと外出すらできないこの異常な状況に対してのストレスが溜まっているのだと思います。日本のお友達のSNSを見て、日本も大変な状況に代わりはないのだけれど、まだ好きな時間にどこまでも散歩ができる自由を羨ましく思ってしまうこともあります。

そんな時ずっと晴れの続いていたパリに久しぶりに雨が降ってきました。窓の外を見るとお向かいさんはベランダで水着を着て雨を浴びていたり笑、また別の方は雨をスマホで録画していたり。
私は窓を開け、雨の匂いを嗅ぐと、とても新鮮な気持ちになることが出来ました。そして雨や雷の音、鳥の声を聴きながら、それを題材に書かれた沢山の音楽と、それを書いた作曲家について思いを馳せました。

フランスはあと2週間ほど経つと外出制限が緩和される予定です。ようやく終わりが見えてきたので、自由になったらこれがしたい!と、そういう事を考えることも増えてきました。(実際それができるかどうかは別ですが)
ふと思うのは、これまでこんなにも、喉から手が出るほど何かを求めたことがあったのか、ということです。あれをしたい、あの人に会いたい、これを見たい、聴きたい…。
今までも、そういった欲求はある程度あったのだと思いますが、何でも求めれば手に入っていたところからそれが不可能な世界になり、そこで生まれた憧れや渇望。それこそが私にとって次の素晴らしく新しい喜びを生み出してくれるのではないかと今は感じます。

そして今1番やりたいことは…やっぱりコンサートに行きたい!生の音楽を聴きたい!!!ということです。

6月の帰国までには難しいと思うので、またいつかパリに来て、沢山の音楽を浴びたいです。

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