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ちょっとした思い出 ムサ男
窓辺からの差し込む光が好きだった。
朝焼け、夕焼け、特に満月の日に見える月明かりが好きだった。
君と見る月が好きだった。
なんの変哲も無いアパートの一部屋。
少し狭い窓。
肩を竦めて、くっつきながら一緒に月をみたっけ。
幸せだった。
君と飲んだワイン。
君とみた景色。
君と過ごした日々。
君とする事見るもの全てが美しくて新鮮だった。
机に散らかってるのは君の好きだった機械いじりに使っていた工具。
★一夜のお姫様 むー(2年3組宮本武蔵)
白馬の王子様に憧れた。
いつか、白馬に乗った王子様が私を迎えに来てくれる。
そして、お城に行って王子様と愛を誓う。
これが私の夢だった……。
王子様は私を迎えに来た。
17の冬。
4つ上のあなたは突如として私の前に現れた。
あなたはとてもかっこよく、頼り甲斐もあって私が好きになるのもそう時間はかからなかった。
私とあなたの関係は少し歪だった。
あなたに恋した私は今ではあなたの彼女だった。
出会
ホオズキをあなたに。 ムサ男
薄暗い部屋。
息を切らし合う男女。
一定のリズムと不定期にベットの軋む音が響く。
「愛してるよ。」
「俺も愛してる。」
俺は、彼女に嘘をついた。
「ねぇ。大好きだよ。」
「ああ。俺も大好きだよ。」
俺は彼女に、また一つ嘘をついた。
俺が狂うほど愛し、愛おしさでおかしくなるほど大好きだったのは。彼女ではない。
俺が、愛していたのは……。
ーーーーー
大学一年の春。僕は君に出会った。
サークルで