泡沫ノ調(うたかたのしらべ)

私たちは、某高校の文藝部です。 拙い作品ばかりですが、読んでいただけたら幸いです。

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マガジン

  •   湘南

    初心者です。

  • 書いたものをまとめてます

  • 透 《作品》 卒業済み

    2023年3月卒業 描写に快楽を覚える生き物の書く、文章たちです。 読んで、どう思うかは自由です。 それこそ、ジャンルも。そもそも、小説とするのかさえも。

  • 三語一夜物語 ~ オンライン部活動 ~

    ★オンライン部活動★ 毎週木曜日に出題 →翌週の水曜日までに作品投稿(下書き) →木曜日にちゃんと投稿&リアルで合評会。 ★ルール★ ランダムに決めた3つの言葉をテーマにするか、実際に使って掌編小説を書く。

  • 紬物語 卒業生

    遊びに来て下さってどうも有難う。嬉しいです。 申辷蛇崩(さるすべりじゃくずれ)という物かきです。 まだまだひよこさんですが、御贔屓に。

最近の記事

消えた妻

スミスとスーザンは結婚して10年になる夫婦だ。新婚当初こそ、マイクはいっさいの遊びをやめ、スーザンとの家庭生活に愛情を注いだが、今はもう、スーザンな就寝する前に帰宅することもなくなっている。ある日、スーザンの堪忍袋の緒が切れた。 「私が、あなたの前からすがたをけしても、あなたは、何も感じないんでしょうね!?」 その日から、スーザンはスミスの前から姿を消した。スミスは自分の一言を深く反省した。 5日後 ようやく、スーザンがマイクの前に姿を現した。正確に言うとスーザンの姿が

    • 呪いの王子

      むかしむかし、ある王国に、いたずら好きの王子がいた。幼い頃から家臣や城内の人々に悪さや、意地悪をしていては喜ぶような性格で、国中の嫌われ者だった。しかし、王も王妃もそんな王子に甘かった。誰も王子に注意することができず、そのまま育っていった。
 15歳になったとき王子は、家臣と共に狐狩りに出かけた。家臣からは見ているだけでいいと言われたが、王子はそれでは物足りなく、家臣が目を離している間に狐を追いかけた。しかし、狐は簡単に捕まらず、深追いしているうちに王子は森の奥に入ってしまっ

      • 愛されたいと、願ってしまった

        8月5日 その日は、満点の夜空が広がっていた 月明かりの下で、ひまわりがユラユラと揺れてていて何だかそれが僕を嘲笑しているようだった だけど、もういいんだ もう、死ぬんだから 僕の17年の長い旅は今日で幕を閉じる 何故と聞かれても答えはでないだろう けれど、どうしようもないんだ 僕には泣いている時、膝を貸してくれる人もいなければ 頭を撫でてくれる手人もいないんだから 死ぬ場所は樹海に決めた 持っているのは縄と地図と方位磁針と少しの小銭だけ けれど、入口で足が竦んでしまった

        • また君に逢えたから

          これは、丸‥バツ、バツ ペンの擦れる音が教室に響いく 夏の暑い日、今日も寡黙な僕は1人教室に残って勉強をしていた そんな時、扉を開けた音がした こんな時間に教室の扉を開ける人物なんてあの腐った教師ぐらいだろうと扉の方を見ると意外な人が立っていた 阿部 アズ 、僕のクラスメイト いつも、うるさく友達とたわいものない話をしている人とは思えない冷め切った表情は、蒸し暑い教室に冷気を送り込んだ 「ねぇ君、名前は?」 こいつ‥クラスメイトの名前くらい覚えておけよと思ったが、そう聞いてき

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          3本
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          6本
        • 夜鍋
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        記事

          REM    七ツ星薫

          ① 何か、無機物にならましとす、女に生まれた人間の末路。一 ④ その女は、何か、無機物になりたかった。何でもよいのだ。唯、人間であることを辭めようとしていた。 ③ 資料を見る。□□って資料好きだよね。ん、□□□も■だったか。 メタルCGのがいこつは、ポージングもシュールで、とてもヴェイパーウェイブだった。 私の性癖を刺激する。三 ②  あつい。 髪を結う。ゴムを、――伸ばしすぎて、ゴムが切れて、私の左手を叩いて飛んだ。誰かのロッカーに飛び入った。 直後生まれたの

          落し物係まいちゃん

          「落し物係からです」 先生の声と共にまいちゃんのお仕事が始まる。 「今日は、ハートの消しゴムが落ちてました。」 今日のお仕事はこれで終わりみたいだ。 まいちゃんは、僕のクラスメイト。 まいちゃんは、いつも大人しくていつも1人でなにかしている。 けど、誰も目に止めてない。 まいちゃんは、少し可愛い。 最近、気づいた。 伏せられた目に隠れてる綺麗な目。 少し、ほのかに桃のような色をしてるほっぺ、少し少し可愛い。 そんなことを思うのも、この帰りの時間だけ。 「落し物係からです」 ま

          流される、或いは流すノイズ。それは私から、決して発されることはない。 申辷蛇崩

           夏風が心地良い日。西から東に窓は開け放たれて、南の窓が間に入って尚風を吹き込ませる。やはり部屋の温度は高くて、じつとしていると、その場の空気ととけあう感じがする。自分の体温が、気温と同じくらいになって、そうやって一つになれる感覚。  私はあおいちゃんのお家の、あおいちゃんの部屋にいる。呼ばれて来た。この家には、私の自宅よりも、なんだろう、居心地の良さがある。ここをとても知っている気がする。少しいい匂いがする。  あおいちゃんは好きな曲を流して、お部屋のお掃除をしてる。よ

          流される、或いは流すノイズ。それは私から、決して発されることはない。 申辷蛇崩

          ★ 薔薇の木の下で

          「AI廃止を求める」 「我々の職務を返せ」 今日も煩い浮浪者の声が街に響く、そして今日も僕はネクタイを閉めて君にさよならを言う。 君と出会ったのは、騒がしい街の中だった。 何かに追われてる君を助けたいと思って引いた手は冷たく、君が何者であるかをすぐに悟った。 けれど、君の瞳が何者であるかを誤魔化した。 「今日からよろしくね」と感情なんて持ってない君にキスをした。 冷たく、なんの味もしなかった。 けれど君は、舌足らずな口調で「よろしく」と放った。 その声は、周波数の合わないラジ

          ★純白 湘南(1年8組村松和樹)

          六月二十一日、夏至。 僕の心は虚無感に襲われ必然的に空も白に染まっていた。 澄んだ白色のカーテン、茶色のソファー、ソファーの上で気持ちよさそうに寝る犬。 全てが合致し一枚の絵画のように構成されている光景は僕を安心させた。 自分を変える機会を与えてくれた犬と出会ったのは一昨年の夏。梅雨が明け、蒸し蒸しとした空気の中僕は食材調達のため最寄りのスーパーに出掛けていた。割引券やクーポンが使える食品を優先的に確保していた僕は突然今の日常に疑問を覚えた。何も変わらない日々。毎日同じ時間

          ★純白 湘南(1年8組村松和樹)

          薔薇の木の下で

          「AI廃止を求める」 「我々の職務を返せ」 今日も煩い浮浪者の声が街に響く、そして今日も僕はネクタイを閉めて君にさよならを言う。 君と出会ったのは、騒がしい街の中だった。 何かに追われてる君を助けたいと思って引いた手は冷たく、君が何者であるかをすぐに悟った。 けれど、君の瞳が何者であるかを誤魔化した。 「今日からよろしくね」と感情なんて持ってない君にキスをした。 冷たく、なんの味もしなかった。 けれど君は、舌足らずな口調で「よろしく」と放った。 その声は、周

          ★ヒーローになりたい男 夜鍋(1年8組大曽根)

          「昨日未明、水死体が〇〇市の海岸で発見されました。遺体は警察が行ったDNA鑑定から先月△〇市で起こった未成年殺人事件の加害者だと確認されました。警察は、、、、」 お茶の間で流れていいのか怪しいニュースがテレビから流れている。 手元には解しすぎてボロボロになった焼きジャケと机に張り付いた米粒が九つ。 なんだか、今日も、食欲湧かないな、、。 机に置かれている紙を忌々しげに見つめて、やがて根負けしたように目をそらす。 一昨日学校で配られた進路希望書。 それが三日間も己を蝕み続

          ★ヒーローになりたい男 夜鍋(1年8組大曽根)

          ちょっとした思い出 ムサ男

          窓辺からの差し込む光が好きだった。 朝焼け、夕焼け、特に満月の日に見える月明かりが好きだった。 君と見る月が好きだった。 なんの変哲も無いアパートの一部屋。 少し狭い窓。 肩を竦めて、くっつきながら一緒に月をみたっけ。 幸せだった。 君と飲んだワイン。 君とみた景色。 君と過ごした日々。 君とする事見るもの全てが美しくて新鮮だった。 机に散らかってるのは君の好きだった機械いじりに使っていた工具。 結局理解できなかったな。 でも、君の真剣な横顔が好きだった。 なんの使い道もでき

          ちょっとした思い出 ムサ男

          純白  凛太郎

          六月二十一日、夏至。 僕の心は虚無感に襲われ必然的に空も白に染まっていた。 澄んだ白色のカーテン、茶色のソファー、ソファーの上で気持ちよさそうに寝る犬。 全てが合致し一枚の絵画のように構成されている光景は僕を安心させた。 自分を変える機会を与えてくれた犬と出会ったのは一昨年の夏。梅雨が明け、蒸し蒸しとした空気の中僕は食材調達のため最寄りのスーパーに出掛けていた。割引券やクーポンが使える食品を優先的に確保していた僕は突然今の日常に疑問を覚えた。何も変わらない日々。毎日同じ時間

          ★朱、紅、赤、赫、アカ (1年8組 大曽根)

          ガタンガタンとなる電車の中でただひたすらに見ていた。 窓からの景色か、誰もいない電車の中か、これから未来か、それとも。 己が起こした過去の過ちか。 ふと何かを思ったのか暗い顔をしてスマホを取り出した後、外からの音を遮るようにイヤホンで蓋をした。 しばらく経ってようやく目的の駅に着いたのか乗ってきた電車はまた無人に戻り、次へ次へと向かっていった。 有人の電車は無人へ。 無人の駅は有人へ。 自分が起こした少しだけの変化を心に弾ませながら駅の外に出、そのまま少し歩く。

          ★朱、紅、赤、赫、アカ (1年8組 大曽根)

          ★一夜のお姫様 むー(2年3組宮本武蔵)

          白馬の王子様に憧れた。 いつか、白馬に乗った王子様が私を迎えに来てくれる。 そして、お城に行って王子様と愛を誓う。 これが私の夢だった……。 王子様は私を迎えに来た。 17の冬。 4つ上のあなたは突如として私の前に現れた。 あなたはとてもかっこよく、頼り甲斐もあって私が好きになるのもそう時間はかからなかった。 私とあなたの関係は少し歪だった。 あなたに恋した私は今ではあなたの彼女だった。 出会って数日。 思い切ってのダメ元での告白。 あの日私の初めての口づけを交わした。

          ★一夜のお姫様 むー(2年3組宮本武蔵)

          紫苑 時雨

          生きていたはずの彼。 死んでいたはずの私。 生きるべきだった彼。 死ぬべきだった私。 未来がない彼。 未来がある私。 私にはあの人を想う資格なん