ちょっとした思い出 ムサ男

窓辺からの差し込む光が好きだった。
朝焼け、夕焼け、特に満月の日に見える月明かりが好きだった。
君と見る月が好きだった。
なんの変哲も無いアパートの一部屋。
少し狭い窓。
肩を竦めて、くっつきながら一緒に月をみたっけ。
幸せだった。
君と飲んだワイン。
君とみた景色。
君と過ごした日々。
君とする事見るもの全てが美しくて新鮮だった。
机に散らかってるのは君の好きだった機械いじりに使っていた工具。
結局理解できなかったな。
でも、君の真剣な横顔が好きだった。
なんの使い道もできない工具を私は捨てれずにいる。
工具も、写真も、思い出も。
いつまでも忘れられない。私の思い出。
君はもう帰ってこないのにね。

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