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いつまでもあると思うな、自分の好きな物。

先程ツイッターである場所が廃業になるという事を知った。

それは、私がいつか、いつかいこうと思っていた
レトロ自動販売機という場所だった。
勝手にずっと続いていく場所だと思っていた。
しかし、その場所は
無くなると知った時には既に廃業になった。

その瞬間、
私は何処か知らない場所へいける切符をひとつ
失ったのであった。

話は逸れるが、私は風景を撮るのが特段と好きだ。
風景の中にある、一つ一つのものに、
人という存在と歴史が刻まれているのだと、
錆び付いた場所や、すり減った場所を見て、
思いを馳せるのである。

だからこそレトロ自動販売機は私
にとって特別な場所だった。
身を熟して、人が触れてきた歴史の空気を
吸い取りに行きたかった、行けると思っていた。

思えば、私は同人誌なるものが好きなのだが、
気に入ったものを見つけては、いつか買おう。
お金が出来たら買おう。
と思っているうちに本の発行が終わっていたり、
作者が界隈から身を引いたりと、

いつか、と思っているものは大抵なくなっていた。

さらに思い返せば学生時代、
私が唯一、初めて恋をした相手と
だらだらと連絡をとり、
いつか、いつかと思っているうちに、

彼は新しい彼女を作っていた。
彼の友人からはタイミングが少しばかり
遅かったんだと伝えられた。

夢を掴むタイミングでさえ、今だ、と思う瞬間を取り逃がすと大抵は掴めなかったりする。

あると思っていたものが突然、今この瞬間、無くなってしまうことだっていくらだってあって、

いつか、いつかは、と
思いを馳せている行為は
消費期限を
いつの間にか無作為に消費いる行為なのだと
気づいた時には
既に遅いものが沢山並べられているのだ。

もし、
今からでも間に合うものが沢山あるとするなら
私の消費期限があるうちに、

いつかではなく、今、この瞬間、

願ったものへ、たどり着きたいと思う。



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