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兎がほざく

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ショート•エッセイ、140字以内。毎日投稿、どこまで続く?
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2021年11月の記事一覧

兎がほざく🐇その260

兎がほざく🐇その260

色彩に似合う香り、考えてみます。
根拠は自分の勝手な想像だけです。

赤には少し酸味のある薔薇の香り。

白にはかすかな水仙の香り。

青にはういういしい鈴蘭の香り。

黄には陽気なフリージアの香り。

黒にはひんやり白檀の香り。

兎がほざく🐇その259

兎がほざく🐇その259

昭和を舞台にして書くともう時代小説でしょうか?

昭和後期。
テレビ、歌謡曲、煙草、デパート、聖徳太子のお札、新幹線......
ワインを飲む人はごく少なかった......

おまえはなぜよく知っているのか、って?

あたくし、おじいさまにうかがいましてよ。

兎がほざく🐇その258

兎がほざく🐇その258

十代の男女はジャージを着てきれいに見えます。

大先輩は昭和のプレイボーイは安いブランドの煙草を吸うのがカッコよかったと教えてくれました。

お洒落はお金をかけることとは違うようです。
持ち物に依存しないのがカッコいいのでしょう。

そこにセンスが表れます。

兎がほざく🐇その257

兎がほざく🐇その257

全身黒づくめのUNISEXの服を着たベリーショートできりりと化粧した若い女性に、車で連れ去られる夢を見たことがあります。

それからいくら街を歩いても、そういうことの起こる兆候はありません。

でも時々、いっそ早く連れ去られたくなります。

......おい、しっかりしろよ!

兎がほざく🐇その256

兎がほざく🐇その256

世界と認識とは左右の手が合わさってぽんと鳴るようなものでしょう。

認識の外の世界を見たという人がいれば、それは認識したということなので額面通り受け取れません。

でも、目をつぶれば世界はなくなるとか全ては気の持ちようとかいう話も変です。

ぽん、と出会うのです。

兎がほざく🐇その255

兎がほざく🐇その255

時を振り返ると、夏の女性には白と青が似合うと思うのです。

そして入道雲と自転車がまたよく似合うと思うのです。

みるみる遠ざかってゆく後ろ姿を見送るのが好きです。

汗に輝き、息のはずむ、幾分前かがみの白と青。

去りゆく時を思い出しました。

兎がほざく🐇その254

兎がほざく🐇その254

本当に自信があるときの心は意外とふつうだ。

勝ち誇る優越感も、他人に有無を言わさない威圧も無縁だ。

自分のなすべきことをひとりなすだけのことだからだ。

自信はつけたりもらったりするものでは本当はなくて、文字通り自分を信じることだ。

独りで、黙ったままで。

兎がほざく🐇その253

兎がほざく🐇その253

毎日合計一時間ぐらいは歩くので、日に焼けています。

以前は青白かったのですが今はすっかり黒兎です。

外では大抵リュックを背負っています。
中には万年筆とノートと折りたたみ傘、通勤のときはPCと弁当も。

最近はスマホでメモをとるので万年筆の出番は少ないです。

兎がほざく🐇その252

兎がほざく🐇その252

独りの散歩、もしも誰か同行者がいたら、どう思うのかな?

下町の碁盤の目の道。
現役のセメント工場。
カミソリ堤防。
見え隠れするスカイツリー。
参拝者がいない寺社。
路地の植木鉢。

都会の裾の襞をたどればいつわりのない人の姿が見える。

君、一緒で楽しかったかい?

兎がほざく🐇その251

兎がほざく🐇その251

腕力で押し通すタイプの人は自分は嫌われていると思っているのではないでしょうか?

だからこそ力づくで横車を押し通そうとするのでしょう。

それで得た獲物で自分を甘やかします。
名誉、カネ、愛人.....

本当は好かれて甘やかしてもらいたいのです。

たぶん、きっと。

兎がほざく🐇その250

兎がほざく🐇その250

穏やかに欲を縮めて生きましょう、という人がいます。

ぼくも長い間それが幸せと信じていましたが、幸せにはなれませんでした。

それは目を閉じて極楽に似せた味の飴をしゃぶっているだけです。

それより生きた人を信じたい!

兎がほざく🐇その249

兎がほざく🐇その249

徒然草には、ある僧が修行しないで宴会の余興の練習ばかりして、結局修行も余興も中途半端にしかならなかった話が書いてあります。

ぼくはその人は仲間内でけっこう受けたと思います。

一緒に遊ぶことで人は仲良くなります。

さてSNSでのやり取りも遊びのうちでしょうか?

兎がほざく🐇その248

兎がほざく🐇その248

街角の骨董品店や画廊、外から眺めるだけで楽しいです。

昼休みに眺めたのは、猫づくしの展覧会、江戸時代の象の絵、明治時代の飾り金具の動物。

奇しくも動物ばかり。

創った人のすなおに可愛いと思った気持ちが伝わります。
それが絵心というものなのでしょう。

兎がほざく🐇その246

兎がほざく🐇その246

ぼくの故郷は海に近い場所でしたが、海水浴にはほとんど行きませんでした。

回りの大人で連れて行ってくれる人がいなかったのですが、高校生になっても足が向きませんでした。

今と同じで街を独りで歩いてばかりでした。

独りで海水浴へ行くと街中より寂しかったでしょう。