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【Twitter連携企画】クイズ★進振りケース(CASE23)

 オンライン授業が始まって早1ヶ月。新しい生活様式での「大学生活」に慣れてきた人も多いのではないだろうか。しかし一方で、定期試験や成績評価、そして特に、進学選択、いわゆる「進振り」には不安を抱えているだろう。コロナ禍の影響を完全に取り除くことはできないが、我々にできるのは進学条件を今一度確認し、問題なく志望学部・学科に進む準備をすることだ。
 UT-BASE公式Twitter( https://twitter.com/UtBase )で行われている、進振りのあれこれを具体的な例を用いて理解する「クイズ 進振りケース」。第23回は「農学部指定平均点」についての出題だ。解説もあるので、ぜひ参考にしてみてほしい。なお、断りの無い限り、既習外国語(英語)と初修外国語を選択した非TLP生を想定しているので、これに該当しない人は適宜、『履修の手引き』を見て確認してほしい。

CASE23 【指定平均点】

【問題】
農学部に進学したい学生A・B・Cが、農学部指定平均点(第一段階)について話していて、画像はその一部である。A~Cの1人だけ明らかに間違ったことを言っている。それは誰か?

スライド93

【選択肢】
① A君
② Bさん
③ C君

Twitterでの出題はコチラ

知識の確認

 今回は、指定平均点のうち、農学部の指定平均点についての説明だ。簡単に制度の紹介をし、少々戦略的な話もしよう。

■指定平均点
 指定平均点とは、特定の進学単位(学部・学科などのこと)で個別に設定された、進振りのための成績評価基準である。通常、進振りにおける成績等の評価は「基本平均点」を用いるが、学部学科等は任意に「指定平均点」を設定することができる。指定平均点が置かれている場合、その進学単位の進振りに参加する学生はすべて、基本平均点ではなくその指定平均点を用いる。指定平均点は(基本平均点もそうであるが)2S2ターム・2Sセメスターまでに履修した単位数と成績から算出される。
 また、『履修の手引き』56ページに掲載の②~⑧のルール、(2)の指定重率・履修点(CASE20で扱った)のルールは指定平均点についても適用される。

 指定平均点は2020年現在、
・後期教養学部の超域文化科学の第二・三段階
・工学部(全学科)の第一~三段階
※工学部システム創成学科の第二段階は「システム創成学科第二段階指定平均点」が別途用意されている。
・農学部(全専修)の第一・三段階
で設定されている。そのうち、後期教養以外では、基本平均点の決まりをベースに指定平均点を算出するので、まずは基本平均点を理解しておく必要がある。

スライド92

<参考>
『履修の手引き』56ページ、94~95ページ

■農学部第一段階・第三段階指定平均点
 農学部の全専修において、「農学部第一段階・第三段階指定平均点」が導入されている。その算出の方法は『履修の手引き』95ページに記載されており、「基本平均点」×取得単位数で求める。(「平均」としつつも分母にあるものをかけてしまう。)
 したがって、農学部の指定平均点は「基本平均点」をベースに算出されるとわかる。よって、まずは基本平均点についてよく知っておく必要がある。基本平均点については、CASE04CASE17を通読すれば完璧にマスターできる。

 農学部では、基本平均点に「取得単位数」を掛け合わせる。この取得単位数は1S~2Sの間に取得した(=50可以上であった/「合格」をもらった)総単位数のことである。従って、合否判定しかない「初年次ゼミナール理科」や主題科目の単位もこれに参入する。
 ただし、算入できる取得単位数は90単位までと決まっているから、主題科目を取り巻くって100単位取得したとしても、かける数は90が最大である。

 さて、ここで勘のいい人は気づくと思うが、農学部で大事なのは、「基本平均点」ではなく「取得単位数」であり、さらに、その中で重要な地位を占めるのは主題科目である。基本平均点を頑張って1点上げるより、取得単位数を1増やした方が進振り点を大幅に上げられることは簡単に気が付けるだろう。
 そして、主題科目といった、成績が合否でしか表示されない(点数の出ない)科目は基本平均点には算入されないのであった。だから、そのような科目は、基本平均点に影響を与えることなく、ほぼノーリスクで総取得単位数に貢献することができるのだ。加えて、主題科目には「集中講義」という特定の曜限で行うのではなくて短期で集中的に授業を行うものがあるが、これはキャップ制の対象外であるため、気兼ねなく履修することができるのも利点であろう(『履修の手引き』10ページ)。主題科目の中には純粋に面白い講義がたくさんあるのでおすすめだ。

 以上から、農学部の進振りでは基本平均点をほどほどに上げつつも、いかに多くの単位を取得できるかにかかってくる、そして単位の取りやすさや面白さで言えば、主題科目が一番である、ということが言える。

 なお、第三段階については定員に余りが出ないと行われないことがあるので留意されたい。加えて、第三段階には面接が行われる場合もある(『履修の手引き』101ページ)。また、農学部の指定平均点と同様の計算方法が、工学部の「システム創成学科第二段階指定平均点」で採られている※(『履修の手引き』95ページ)。
※ただし、掛けられる数は基本平均点ではなく「工学部指定平均点」である。


■第二段階は?
 農学部の指定平均点は「農学部”第一段階・第三段階”指定平均点」であり、第二段階には適用されない。よって、第二段階は原則通り「基本平均点」に基づいて行う。しかしながら、農学部の多くの専修は第二段階において「指定重率」を設けているので注意が必要だ。詳しくは『履修の手引き』98ページを参照してほしい。なお、農学部では「履修点」は設定されていない。

問題の解説

【問題】

スライド93

【選択肢】
① A君
② Bさん
③ C君

【解答】
③(C君)

【解説】
 農学部の第一段階は、基本平均点×取得単位数で計算される点数で競う。基本平均点の最大値は100、取得単位数の最大値は90であるから、9000点満点ということになる。
 A君については、指定平均点が5600点で「あまりたくさん履修していない」と言っているので、基本平均点は80点、取得単位数は70単位というところだろうか、とにかく、間違ったことは言っていない。
 Bさんについては、指定平均点が6390点で「目一杯まで単位取得した」と言っている。すなわち、Bさんは90単位取得している。このとき、基本平均点は6390÷90で71点だとわかる。
 C君については、3人の中で一番点数の高い7789点(満点である9000点との差は約1200点)だと言っている。ここで、C君の7789点を素因数分解してみよう。7789 = 1 × 7789 …アレ?ということで、7789点は素数である。当然、基本平均点が7789点であることや、取得単位が7789単位であることはありえないから、C君の発言は明らかにおかしい。
(終)

 以上のことは基本的にほぼ全て『履修の手引き』に掲載されている。万が一履修条件の抜け漏れがあった場合は、すぐに手引きを参照しよう。特殊な成績計算方法を採用している学部・学科もあるため、各位志望に合わせてチェックしてほしい。
 また、進振りに関する詳細な情報を掲載しているUTaisaku-Webや成績を入力すると自動で基本平均点を計算してくれるUTESなどのサイトを活用するのも有効だろう。
もちろん、UT-BASEでも進振りに関する耳より情報をご提供していく予定なので、参考にしていただければ幸いである。次回は「定数と底点」の問題を出題する。お楽しみに!


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