【バイト】某宅配業者の仕分けバイトが地獄だった件
【急募】【現金当日¥10,000手渡し】
【無料送迎アリ】 【面接なし】
【日給¥15,000】【女性活躍中】
雇い主は派遣会社で、就労先は某宅配業者の大きなベース店。
各地域の営業所ごとに荷物を仕分ける場所です。
通年スタッフを募集してることも多いんですが、特に御歳暮の時期は派遣会社を通じて大量募集していることが多いです。
私が今まで一番しんどかったバイトでの体験談をご紹介したいと思います。
【目次】
①派遣会社に応募
②集合場所から送迎
③勤務開始
④つかの間の休憩
⑤ここからが本番
⑥神との出会い
⑦悪魔に精神的に追い込まれる
⑧強制的に残業
⑨地獄からの解放
⑩まとめ
①派遣会社に応募
学生時代のお話です。
年末年始に遊ぶお金が欲しかった私は、以前から活用していたショットワークスで日雇いバイトを探していました。
すると、驚くほど高収入な案件を発見。
職種:倉庫内かんたん仕分け作業
勤務時間:18:00~6:00(実働11時間)
給与:日給¥15,000
面接なし、履歴書不要、学生歓迎、未経験歓迎、
女性活躍中、無料送迎アリ
関西地方で学生が1日でこの金額を稼ぐのは容易ではありません。早速応募してみると、即派遣会社から電話がありました。
「16:30に○○駅前のカラオケ店の前に集合して下さい。送迎バスが来るんで、それに乗って下さい。」
勤務開始1時間半前に集合か、まあ仕方ないか...
②集合場所から送迎
指定されたカラオケ店の前に到着。
スタッフがいないので合ってるのか不安でしたが、
日雇い労働者っぽい人が何人かいたので察しました。
集合時間から10分経過、何の連絡もなくバスが来ません。
もしかして間違えたかな...
不安のまま15分経過したところでマイクロバスが目の前に
何の説明もなく、周囲の人が乗り込んでいきます。
正直このバスが何のバスなのか合ってるのか分かりません。
運転手に尋ねると応募したソレでした。
点呼していざ出発、すぐに都市高速から上がり高速道路へ
このバスが鬼速いんですw
満席のマイクロバスなのに信じられない速度でコーナーに進入していきます。いつスピンしてもおかしくないと思ってました。
もちろん追い越し車線番長です。
あっという間に勤務地に到着
周りの人を追いかけて事務所へ...
③勤務開始
事務所で軽く点呼をして、よく分かりませんが恐らく経験者と未経験者に振り分けられました。
事務所には40人ぐらいのバイトがいて、若い人が多かった印象です。
しかも4割ぐらいは女の子でした。
未経験者には説明するのでここで待機して下さい。
その間に棚からヘルメット、安全靴、ビブスを選んで下さい。
指示通り選ぶわけなんですが、どれが使用済みなのか分かりません。ごちゃ混ぜになってるので勘で選びましたが全部臭かったです。
じゃあ皆さんついてきて下さい
言われるがままついていき、ベルトコンベアがあるフロアへ
現場の社員に引き継がれて説明が始まりました。
お前は○○○~○○○の番号の荷物を積め
え、それだけ?
※ちなみにこの現場でのバイトの呼称は基本的に「お前」です
構内での安全上のルールとか、注意点とか一切説明ありませんでした。
流れてくる荷物を積んでいけ、
ということなんだと想像できましたが、
あまりにも説明が簡略化されていて正直驚きました。
ベルトコンベアには荷物が高速で流れてきます。
自分の担当の番号がきたらそれを取って後ろのカゴに乗せていきます。
間に合わないと怒号と罵声が飛んできますが、これがひどいんです。基本的に指示が罵声なんです。
2時間ほど作業した後、間髪入れずに冷凍商品を扱う冷凍庫に移動しました。
今度はほとんど動かない立ちっぱなしの作業です。
もちろんそんなこと知らなかった私達は、汗だくの薄着のまま冷凍庫へ...
急速に身体は冷え込み、まるで北風と太陽でした。
あまりの寒さに、身の危険を感じて自ら持ち場を離れる人もいました。
④つかの間の休憩
18:00から5時間経過、23:00から1時間の休憩。
ここでまた点呼があるのですが、早退(リタイア)を申し出る人もちらほらいました。
私は喫煙所で会ったおじさんと仲良くなりました。
「兄ちゃんココ初めてか?」
「そうです、結構大変ですね」
「ここは特にひどいよ。社員はろくに仕事も教えへんし、バイトの扱いも雑。せやからみんな1日で辞める。ほんで毎日未経験が来るから社員も手が回らへん」「それって悪循環だし効率悪くないですか?」
「せやで。兄ちゃんみたいな賢い奴が来るとこやないで」
そうこうしてると派遣の元締めに呼ばれて登録書類を沢山書かされて、色々案内されて、気付けば僕の休憩時間は終わりました...
⑤ここからが本番
0:00になり、仕事再開なのですが、23:00までいた女の子達が全くいません。
聞けば女性のほとんどは23:00で退勤して、0:00からは遅番の男性陣が出勤するそうです。
ここからは荷下ろしの作業です。
ベルトコンベアの前に等間隔でぎゅうぎゅう詰めに並び、後ろに用意されたカゴからベルトコンベアに流していきます。
もちろん隣ともぶつかりますし、常に社員が罵声を浴びせて急がせます。
ワレモノや壊れ物と記載された物もありましたが、社員は手足で放り投げてました。
さすがベテラン社員、壊れ物を足で蹴ってベルトコンベアに載せるのが上手い!
たまに床に落ちるけど、気にせずベルトコンベアに乗せちゃいます♪
・ビンが割れる音がした後、ビール臭くなった。
・破れた段ボールから和菓子が放出して詰まる。
私の目の前だけでもこんなことが起こってました...
二度とここには荷物預けないでおこうと思いました。
作業は断続的に続き、2,3時間ほどして10分間ほど水分補給してもいいと案内があり、一同はヘトヘトになりながら事務所へ向かいました。
⑥神との出会い
休憩後、一人一人に名前を確認していました。恐らく脱走した人間がいないか確認しているのでしょう。
皆が揃うと今後の作業の分担について説明されました。聞いたことない言葉が沢山出てきたので正直何言ってるかよく分かりませんでした。
僕は社員に呼ばれて1人で連行されました。
今から行う作業は死亡事故の可能性があるので注意して下さい。
え!?何に注意したらいいの!?
と思いましたが何の説明もなく外で待機しているトラックに連れていかれました。
社員とトラックの運転手の会話が聞こえました。
社員「彼新人なんで、よろしくお願いします」
運転手「なんで毎回新人なん?教えるの大変やねんけど」
社員「すみません人手が足らないもんで」
運転手「しゃーないなぁもう...」
肩身が狭い...
失礼があってはならないと思い、慎重にトラックに乗りました。
重い空気の中トラックは発進し、運転手が声をかけてくれました。
「ごめんな、君は悪くないんやで。気にせんといてな」
神降臨!
なんて優しい人なんや...
ここまでお前呼ばわりされて罵声を浴びせられ続けていた私には、その運転手が神に見えました。
このトラックは、仕分けられた荷物を営業所に運ぶんだそうです。
クルマ好きである私は、大型トラックに乗れたことが嬉しいと伝えると、運転手は過去の武勇伝を自慢気に語ってくれました。 その姿もまた、菅原文太のような男が惚れる男のようでした...
楽しい談笑もつかの間、営業所に到着。
「荷台からカゴを下ろしていく。俺が下でフォークリフトに乗せて運ぶから、君は荷台に乗って次のカゴを運んでくれ」
「はい!」
「効率が良いのは、次にフォークリフトがくるまでに次のカゴを荷台の端に用意するこっちゃ」
「分かりました!」
なんて優しい説明なんだ...
荷台の開け方や、安全の為のルーティーンなどをきちんと教えてくれました。
無事に荷下ろしが終わり、トラックと共に戻ります。
「君はこの仕事続けんのか?」
「いや、今日だけです」
「そうか。この業界は色んな奴がおるからなぁ。考えられへん奴もおるから、気を付けろよ」
「そうなんですね...」
この助言はフラグでした。
トラックと共に戻り、この運転手ともお別れに。
仕事を教えてくれたこと、優しく接してくれたことに感謝をこめて御礼を言うと、
「こちらこそありがとう。また乗ってくれよな」
最後までカッコいいスーパーグレート運転手でした。
⑦悪魔に精神的に追い込まれる
指示が無かったので社員がいるベルトコンベアを探していると突然社員に怒鳴られました。
テメエ勝手に動いてんじゃねーぞ!
意味が分かりませんでしたが、もう慣れました。
元のベルトコンベアで作業していると、また社員に連行されました。
「今後この現場に仕事しに来ますか?」
「多分来ないと思います」
「分かりました。ではこちらへ来て下さい」
質問の意図が分かりません...
今度はさっきと別のトラックへ
恐らくまた営業所に行くんだろうと思い作業を手伝いましたが、今度の運転手は超クセモノでした。
基本的にイライラしてて怒鳴りちらかしてきます。
さっきの運転手とも勝手が異なり、安全の為のルーティーンなんてすっ飛ばしてました。
煽り運転上等、急ブレーキ信号無視なんでもあり。
覚えたての丁寧な作業をする私に運転手は罵声を浴びせ続け、人間として否定されました。
営業所に着いてもそれは続き、ついには営業所の社員に愚痴をこぼしてましたが、社員は笑って誤魔化してました。
私は荷台の上で涙をこらえました。
仕事ができないことを怒られるのは仕方ない。
でもアンタの指示は適当であやふやだし、人間性まで否定されるのは納得ができない...
「次のトラックが来るから、お前はそれで帰れ」
一緒に帰らないでいいんだ、良かった...
次のトラックの荷下ろしをし、戻る途中の車内で思わず涙が出てしまいました。
⑧強制的に残業
気付けば時刻は朝5:00
集合してから12時間以上、勤務開始から11時間が経過
再びベルトコンベアに戻り荷下ろしをしていると、場内アナウンスが。
6:00までに終わらないので15分残業です。以上
たかが15分だし、いいだろうと思ってるのかなんか分かりませんが、この頃にはもうどうでも良くなっていました。
飛び交う怒号と罵声もBGMのようになり、特に気にならなくなりました。
⑨地獄からの解放
6:15になり作業終了、事務所で荷物をまとめて帰りのバスに乗ります。
途中、刑務所の前で1人だけ下ろされました。
あれはなんだったんでしょうか...
派遣会社の事務所に到着、1人ずつ¥10,000がその場で支給されました。そして、各方面へのバンに乗り換えて最初のカラオケ店の前に到着、解散。
その頃には既に朝8:00でした。
⑩まとめ
拘束時間:16:30~8:00 15時間30分
実働時間:18:00~23:00,0:00~6:15 11時間15分
休憩時間:23:00~0:00 1時間
総支給額:¥15,000(税引き前)
なぜか税金やら手数料が引かれて、実際受け取ったのは¥12,000ぐらいでした。
正直、私にとってはトラウマに近い経験でした。
・事故防止、安全上の注意を説明しない
・顧客の商品を乱暴に扱う
・呼称はお前、指示は罵声
・平気で人間として否定される
・体調管理は度外視
身内に系列会社で働いていた人がいたのでこの経験を話してみると、どうやら職場環境が悪いと有名な場所でした。
「あそこは人手が足らないわりに物量が多い。確かにあそこにいた連中は口の悪い奴も多かったし心当たりもある。そもそもこの会社は教育という仕組みがない。教えるということを皆知らないから、そういう現場になる」
その通りだと思いました。
このバイト後、私は街でトラックを見ただけであの時の恐怖と悔しさを思い出し寒気がします。
そして、この会社には二度と荷物を頼まないと誓いました。
あとがき
拙い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。
色々と文句も書きましたが、世の中には色んな人がいて色んな会社があるんだと勉強になりました。学生時代にやっておいて良かった1つの経験だと、今は前向きに捉えています。
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