setsuko Fukushima

ドイツ在住美術関係生業/日々の徒然

setsuko Fukushima

ドイツ在住美術関係生業/日々の徒然

最近の記事

Cichorium inytbus =キクニガナ

春になると忙しい。あれこれの植物が動き始めるからだ。 すると蜂の様にあちこちを点検しなければならない。 Cichorium inytbus 初めて美しい紫がかった青の花を見た時、なんと美しい花だろうか?とときめいた。畑の畦道や、土手、道路の中央分離帯などを飾ってくれる。 キクニガナの名前が示す通りこの植物はとても苦い。とは言っても蒲公英ほどのにがさだ。(蒲公英もかなり苦いけれども)野生のチコリは葉を細かく刻んでサラダに入れたり、湯がいてからオリーブ油たっぷりに、ニンニクを加

    • 花の絨毯

      昨日から急に気温が上がって木々草花が急に勢いづいている。 おかげで花粉の大波が空気中を乱舞するので、くしゃみが止まらず涙するお供と連れ立ってチューリップ畑に立ち寄った。 いわゆるインスタ映えする景色を背中にポーズをとる人々の周りを携帯カメラを構えた人々が蝶々のように舞っている。 のどかな景色だ。次々に花見にくる人々の車が道を埋め尽くす。 周りから聞こえる言葉はロシア語や中国語や日本語や中東の言葉がまるでチューリップ畑の様に多彩だった。 今朝読んでいたニュースの爆破された街の写

      • クマニラ=ラムソン=ベアラウホ

        辺り一面のベアラウホの海。詰む人も多いらしく踏みかめられた道ができている。 向こうの茂みに二、三人見えて、賑やかなお喋りの声が聞こえた。 耳をすますとそれは中国語で、口も手も賑やかに動いているのだった。 花が開いてしまうと葉の香が失せ、苦味が出て、葉も硬くなるので今が収穫どきだ。 ベアラウホの間に西洋イラクサが潜んでいて痛い目にあうが、それごときの痛みには食欲は負ける事は無い。 刻んでバターに練りこんだり、ペストにするという人は多いけれども、私は断然醤油漬けを優先する。そ

        • 土筆

          夏にはトマト栽培の為に杉菜を河原から取ってきて肥料を作る。 春先に杉菜の生えていたあたりに出向いて目を凝らすのだが土筆がなかなか見当たらない。 昨日はいつもの散歩道から離れて人通り少ない畑脇の土手を通りがかった。すると視界の端にひょこひょこという感じに草むらに背伸びしている土筆を見つけた。 1回分のつくしご飯にはは十分という量がとれた。 つくしのほろ苦さと茎のごたえがとても良く、今回は佃煮にしてから、炊きあがりのご飯にグリーンピースと一緒に混ぜ込んでみた。 春の味がする。春の

        Cichorium inytbus =キクニガナ

          350kHz

          トマトは350kHzの音を感じた時 花粉を放出するという。 350kHz それは蜂の羽音だ。

          Datura stramonium シロバナヨウシュチョウセンアサガオ

          埃の膜が目立って来た棚板に枯れ葉や石や木片などの小物がひしめき合っている。それらの煤払していたら、シロバナチョウセンアサガオの枯れ枝がセーターの袖を掴んだ。 近所の畑の中にはシロバナヨウシュチョウセンアサガオと長ったらしい名前を持つ植物がぐんぐんと育ちやがて濃い目の緑の葉を茂らし、純白の花を咲かせる。名が示す通りの朝顔に似た花だがナス科の有毒植物で、薬としても利用されたと言うけれど、素人が手を出すのは危険だ。ちなみにチョウセンアサガオという名前を持っているのに原産国は北アメ

          Datura stramonium シロバナヨウシュチョウセンアサガオ

          Juglans regia 胡桃

          我がテラスに出没する生き物に栗鼠がいる。 毛並みの色や体格で三匹の常連が確認できた。(もっといたのかもしれないが、私には見分けがつかない) その小柄な栗鼠は胡桃や榛の実をカリカリと齧っていたり、あちこち飛び回っては咥えていた胡桃をプランターの土の中に埋める。春になって、植栽の用意に土を返すと、スコップにコツンとあたる物があり、それは胡桃だったり、榛やアーモンドだったりした。胡桃などは太い根がグンと伸びており、胡桃林をテラスに作るわけにはいかないので、私は栗鼠の仕事をことごと

          Juglans regia 胡桃

          Koelreuteria paniculata モクゲンジ

          風船のような種子の莢が房になって垂れ下がっているのが面白くて、時期になるとモクゲンジの木の下で落ちた種子を探しに行く。 風船は種子を守っているのだが、やがて熟した黒い種子は自由になって、振ると莢の中でカラカラと乾いた音を立てる。 どうやらこの種子も炒ってたべることができるというが試してはいない。 ある時この風船がわさわさと付いた大きな枝を抱えて訪ね来た知人があった。大きな枝の向こうに笑顔がのぞいている。 随分昔の事なのにその笑顔ははっきり記憶に残っている。 思い出は様々な物に

          Koelreuteria paniculata モクゲンジ

          台所実験:味噌

          友人宅で料理をしていた時のことだ。味噌を作ったのだけれど、こんなに硬いの、大丈夫かしら?と彼女が言う。 見れば、醗酵がかなり進んで食べてみると少し酸味がでている。 これだけで味噌汁などには使うのは難しい。野菜や肉を漬けてみるのは一手だけれど、すぐに漬けるものが無かったので、カチカチに干し上げてみたらどうだろうという話になった。最初は一つ二つその味噌で球を作って乾燥させてみようと言っていたものが、勢いついてええい全部干してしまえ!ということになった。 十分乾燥したら、おろし金で

          台所実験:味噌

          大晦日

          大晦日は友人夫婦と年明けまで美味しいものをのんびりと食べる。 この2、3年中止していた恒例行事だったので久しぶりのことだった。 最近お酒もたいして飲まなくなったし、食事もかつてのようにお腹がはち切れるほどに食べることもないので、さぞ退屈かと思いきや、気がつくとデザートを出す前に年が変わってしまった。 年が開ける数時間前から外では爆竹の音が聞こえてくる。最近の花火や爆竹は派手になっている。爆竹は好きではない。犬や猫の聴覚には更に爆音として聞こえているのだろうから気の毒だと思

          師走

          よく考えれば何も急ぐ必要はないのに心忙しい。 「クリスマスは料理の時間」 毎年の恒例行事で友人宅に出向いた。 つい先日まで、彼女は久しぶりに故郷を訪ねていたので、持ち帰った珍しい食材があった。胃袋が老化している今、あれこれと思いついても食べきることができないのが口惜しい。 探し求めてきたというお茶が色々あったので、やはり自作の冬瓜糖をつまみながら喫茶を楽しみ、おしゃべりをすることが年末の心の煤払いということになる。 料理をしては食べ、食べ終わっては「次は何作る?」と二日間過

          月夜

          月が 私の 影を 描いた それは さっき丸めて捨てた紙屑に似ていて それは さっき本に見つけた色褪せた押し花の色だ 雲が 月を 抱くと 紙屑は闇の向こうに 消えた。

          久しぶりに鮮魚

          久しぶりに魚屋に行った。 この頃インターネットで魚を捌く動画をひたすら眺めていた。活きのよい魚が手に入り易い国ではないから、滅多に鮮魚を買うことは無いので、今夜は祭りだ。 鯖は小ぶりだったけれどピカピカ光っていたので買った。 あとはサーモンとイカだ。この組み合わせに意味はない。他の魚よりお財布に優しかった。 さあ、何を作ろうか。まず鯖から行こう。 塩焼きが美味しいと思うけれど、オーソドックスすぎる気もする。鯖入りコロッケも食べたい。サーモンフレーク入りコロッケもいいな。なぜか

          久しぶりに鮮魚

          ワタネズミガリ

          綿鼠狩り。 綿鼠はベットの下や家具の隙間を好んで生息している。 ふわふわとその身はとても軽いけれども動きはそれほどすばやくは無いから捕まえようと思えばすぐに捕獲処分できる。 しかし見かけては知らん顔を決め込むこともある。 すると調子に乗った彼らは丸々と太り始めるか増殖を始めてドアを開け閉めするたびにユラユラと動いて私の気を引く。時にはとても希薄になって目の端に入っても薄い影のようで気がつかぬこともあるが放っておくとその黒味がましてとタンプルウィードの様にコロコロ動き回る。

          ワタネズミガリ

          冬の入り口で

          最近1日の半分程が終わるとすでに、薄暗い。ここ暫く天気が悪いということもあるのだが、今日の日没は16時49分。早い。(本日7度)今年は11月7日が立冬だった。 私は冬の入り口が1番苦手だ。真冬になって仕舞えばそれはそれで慣れてしまう。 今日も背中から肩を通して腕が痺れている。これもマウスを使う作業やその他手を使う作業が原因だということはわかっているけれど、加えてメンテナンスもせずに長年こき使ったつけなのだ。 作業をするのが辛いので、気晴らしにブックアート展を見に街に出かけた

          きのこに会いに出かけた。

          昨日、森の中はひっそりしていた。 枯葉を払うと時どき顔をだすキノコたちは、美しく可愛らしかったが目当ての食菌ではなかった。 帰路につき森を出ようとした時、オニナラタケを見つけた。いつもならどこを向いてもオニナラタケが生えているのに。今年は何故だか見つからない。タイミングが悪かったのかもしれない。スーパーマーケットに行けばジャガイモをいつでも買えるというように、森に行けばキノコがいつでも手に入るわけではない。 今年はあまりキノコに会いに行く時間がなかった。 オニナラタケは世界

          きのこに会いに出かけた。