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世界一詳しいETF特集 第六章(完)

こんにちは、アメリカ株式会社です。

ETF特集の最終回となる『世界で一番くわしいETF特集第六章』では、前回に引き続き、ETFのことが最も正確にわかるSEC情報開示データにまつわるN-CSR情報開示について、そしてN-CSR分析から得られる投資インサイトを紹介します。

内容は多少難しいですが、個別株より米国ETFに目が行くようになった方には役立つ情報だと思います。

前回はこちら(第五回)


報告書のどのセクションを探るのか、詳しく説明します。


今回も引き続きN-CSRの見方を学びましょう!


Schedule of Investments

投資スケジュールとポートフォリオ

投資スケジュールとポートフォリオ

ここを見ると当該ETFの組み入れ銘柄とその割合が分かります。例えば、「ARK ETF Trust」をチェックするとARKKがテスラ(TSLA)を「自動車(Automobiles)」セクターに組み入れ、2021年の7月31日時点で352万口、当時の時価で換算すると約9.42億ドルを投資していることがわかります。その他には、「生物工学(Biotechnology)」セクターなどが大きな比重を占めています。


投資のインサイト

では、そこから見出せる投資のインサイトとは何でしょうか?

通常、N-CSR報告書は10-Kと同様に毎年1回公開されます。

例えば、「ARK ETF Trust」が開示しているN-CSR報告書のポートフォリオを例に挙げてみましょう。

ここで、2022年と2023年を比較した時、特定セクターの割合が顕著に増加していると仮定します。

これは当該セクターの成長が期待できると運用会社が予測しているという意味です。

なお、このような動きに寄り添って見ていくと、特定セクターの組み入れ銘柄に対する運用会社の評価もくっきり見えてきます。同じセクターの中でも、銘柄をそれぞれ確認することにより、最も評価の高い銘柄がどれで、ダメな銘柄がどれなのか見分けることができます。
言うまでもなく、大きな割合を占めている銘柄は将来性と安定性において活躍が期待できます。だって、リスクを減らし、利益を最大化することがすべての運用会社の戦略ですからね。

ちなみに、運用会社の報告書を精読し、ETFの収益と成長に貢献したと評価される組み入れ銘柄のみを選んで、自分にとって最適なETFポートフォリオを組み立ててみることも重要です。
なぜなら、運用会社から高く評価される銘柄は、実質的に運営会社によって検証済みの企業と言えるからです。

N-CSRは運用会社が1年間にわたって様々なETFを運用して得た成果と損失を一目で確認できるように1つの報告書にまとめたものです

報告書が長いからと言って目をそらさないでください。通常、運用会社は10個以上のETFを運用しているため、N-CSRは非常に長くなりがちですが、それは避けられません。

開示された報告書をよく読みながら、興味のある分野のETFを深く掘り下げていきましょう。運用会社がどのような戦略を取っているか、どのような銘柄でポートフォリオを構成しているか、各銘柄の比重はどうかを確認してください。これらを踏まえて、S&P500などの株価指数のリターンと比較して、そのETFが卓越した実績を見せているのかをチェックしてみましょう。

N-CSRを読むだけで、ネットにあふれる投資アドバイスを参考にするよりもはるかに高度な情報を閲覧することができます。淡々とデータが記述されていますが、稼ぎ頭のETFを見極める時に役立つ情報であることは間違いありません。

さて、これで『世界で一番くわしいETF特集』は終わりです。

最終回まで読んでくださった皆さまならN-CSRの見方はもちろん、ETF投資の王道を分かっているはずです!

ぜひN-CSRを実際に見て投資判断に役立ててください。


第一章から六章まで、いかがでしたでしょうか?難しかった点や、もうちょっと具体的に知りたいというところが等ございましたら、ぜひコメントで私たちアメリカ株式会社にお知らせください!
内容に関するご質問もコメントにて受け付けておりますので、お気軽にどうぞ!


※ETF特集は今回で完結になります※


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