「日本もうダメ」論は好きじゃない。

こう言いたくなる気持ちは、分からなくもないですが、私はこういうレトリックは好きじゃありません。

だって、憂国の心から言ってるのか、それとも反日左翼が願望を言っているのか、パッと見で区別つかないじゃないですか。

それに、今の時代、ローマ帝国が滅びたり、オスマン帝国が滅びたり、清が滅びたときのように、一国が消滅するなんてことは、現実的には起こり得ませんよ。

日本の未来がバラ色だとか言うつもりはないけど、だけど未来はある。明るい未来じゃないかもしれないけど、そんなに暗い未来でもないと思います。

テレビの報道がなんだと言うのでしょう。

今どきテレビなんて誰も見てませんよ。見てるのは暇な高齢主婦と、リタイヤした老人だけ。若い人はテレビなんてほとんど見てない。どうしても見たいアニメやドラマがあれば録画して見ることはあるでしょうが、情報番組なんて見る価値ないですからね。

私も数年前までは偏向報道ガー!!って思ってましたが、今やもうどうでもいいという感じです。だって本当にテレビなんて誰も見てないもん。特に、日本の未来を担う若い世代は本当に見てない。

それに、テレビが反日的なんて今に始まったことではないですからね。もしテレビが反日だから日本が終わるのであるなら、とっくの昔に終わってなきゃおかしい。だけど、実際には、慰安婦問題でも朝日新聞を謝罪に追い込んだし、日韓併合を肯定的に評価しても大臣を辞職させられなくなる程度までには、我々は反日勢力を押し返してます。世論調査を見ても、もう韓国に謝罪する必要はないと考えている国民のほうが圧倒的に多数派です。つまり反日報道は我々が考えているほど日本に深刻なダメージは与えてないということです。

台湾に抜かれる?台湾に抜かれたらなんなんでしょう。別に我々は台湾と競争をしているわけじゃない。台湾に抜かれたら命取られるわけじゃないのです。別に台湾に抜かれたって良いではないですか。そのときは台湾すごく頑張ってるね、台湾素晴らしい、と褒め称えれば良いのです。

それとも、台湾に抜かれることは国辱だと思っているのでしょうか。それは台湾に失礼な話だと思いますけどね。大事なことは他所との優劣比較じゃなくて、日本国民が幸せかどうかでしょ。例えば中国は今、世界2位ですよね。じゃあ中国国民は幸せなんでしょうかね。もちろん、豊かになれてハッピーだ、中国共産党ありがとう、って思ってる中国人も大勢いるでしょう。しかし、その裏で、同じ中国国民なのに、民族や言語や宗教やイデオロギーが違うという理由で抑圧され、隔離され、強制労働をさせられ、改宗を強要され、監禁され、不妊手術を強要され、殺されている人たちが大勢いるではないですか。

かつて日本経済が絶好調だったころ、日本人はエコノミックアニマルだ、世界一幸福度が高い国はブータンだ、みたいな議論がありました。別にブータンが本当は幸福度高くないとか言うつもりないけど、そういう議論があったという事実が、豊かさと幸福度は必ずしも一致しないということだと思います。一方で拝金主義を批判しながら、もう一方では台湾に抜かれるのは国辱みたいなことを言うのは、矛盾しているのではないでしょうかね。

戦前は東亜解放に燃え……いや、そのおかげで、とは言いませんが、ともあれ今の東亜はとっくの昔に解放されています。それに、その「東亜解放」を大義名分とした戦争で、大勢の命が失われたのに、それを美化するのは、どうなんでしょう。

ただ、あえて言うなら、まだ東アジアにも解放されていない地域があるにはあります。それが、ウイグル、チベット、内モンゴル、香港、そして北朝鮮ですね。これらの地域の民族や住民をどのような手段で解放するかについては、よくよく考える必要があるかとは思います。とはいえ、彼らを解放するために多くの命を犠牲にするような過ちは、繰り返してはなりません。「戦わずして勝つ!」これが鉄則です。

そして、矛盾したことを言うかもしれませんが、東亜解放のために戦った人たちは、最後の最後まで「日本はもうダメかも」なんて弱音は吐きませんでした。それなのに、現在の自衛官は、戦いもせずに「日本もうダメ」って簡単に諦めちゃうんでしょうかね。

確かに、今後の日本は「失われた30年」以上に厳しい時代になるかもしれません。ですが、それでも昭和18~27年あたりの、戦中戦後に比べたら、そんなものは屁でもないはずです。あるいは、明治時代には、日本にはもう希望がないと考えた人が大勢、新天地を求めてブラジルやハワイに渡りました。ところが今や、GDP世界2位の中国や、1人当たりのGDPでは日本を超えたはずの韓国から、新天地を求めて日本にやってくる人が大勢いる時代です(そして、その逆の流れは非常に少ないです)。本当に日本がオワコンなら、そんなことにはなっていないはずです。

危機感は大事ですが、諦めは禁物です。今後の日本はますます厳しさを増すことになるでしょうが、しかし日本が終わるなんてことは絶対にありません。



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