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マンガ『約束のネバーランド』で現代社会に向けられたメッセージ -3

約ネバ読んでて思わずメモった、強烈なメタメッセージを感じたセリフを考察します。

前回👇

私はセリフのメタって視点で書いてますが、裏設定とか伏線の精巧さでも話題を呼んでいるのも魅力です。

続き👇

... 鬼が人間を食べずに済むことが可能になる。

それを現代社会版の社会課題とキーワードに差し替えてみます。

「人間(鬼)が石油(食用児)なんかなくても、自然エネルギー(ムジカの"ある力")でまかなえる社会にできる。」

もしくは、こっちもあり得るかも。抵抗ある人沢山いると思いますが。

「人間(鬼)が肉(食幼児)なんかなくても、植物・穀物(ムジカの"ある力")でまかなえる環境に優しい世界にできる。」

※ 温室効果ガス排出の原因に人間の肉食が関わっていて。CO2の吸収にも必要なアマゾンなどの原生林を、人間が食べる牛豚牧場及びそのエサとなる豆を作る畑のために人為的に森林火災を起こして焼き野原にしまくっていることが、実は現代で実際に起きています。

物語の後半で、人間を食わずに済むことと、これから人間を食えなくなるという、

鬼にとってしてみれば人間工場ありきの日常だったことが一変することに対して、

「人間を食えなくなるのかー(涙)」と平民の鬼が迷っている描写も描かれています。

ムジカの力を受け入れるか、受け入れないか。

受け入れた未来の先に平和が見えているのにも関わらず、迷う鬼の姿は、

読者側は「いーから受け入れろよ」と思いながら読むんですが、

このままいったら、全く同じような2択を将来突きつけられることになるのは、

現実社会に生きる私たちも同じです。

産業革命以降は、石油を握っている王族(鬼の王族)と、

最近ようやくライジングしてきた自然・再生可能エネルギー技術(ムジカの血)との関係を

対比させているかのよう。


小学生の子どもも読むジャンプでこんなセリフをバシンッと突きつけてきます。

レイ「何なら王達はそもそもそーゆー己の損得の都合でも約束を結んでいたのかも。人間の不戦どうこうって言う以上に、自分たちで人肉を管理統制できる社会の方が色々と都合がいいってさ」

(純粋無垢なエマはびっくり)

ノーマン「別に驚くことじゃない。みんな私利私欲で動いている。もちろん全員ではないけれど。これが世界。みんながみんなエマみたいに優しい気持ちで考えるわけじゃないんだよ。」(15巻)

みんな私利私欲で生きている。これが世界。。

その通りすぎて何の音(ね)も出ませんですぜノーマンさん。。

でも作者の白井&出水コンビは、主人公のエマの一見破天荒な考え方とか、周りの反応の変化を描きだすことでこんな風に言ってんじゃないでしょか。

「ホントはこうなんじゃないの、大人よ、社会よ、世界よ!」

例えば、まだまだ子どもの少女エマが仲間を奮い立たせるために、

、、見方と捉え方を深読みすれば、

くすぶって、妬んで、嫉んで、苦悩している読者の大人にも子どもに対しても含んで、

Theジャンプなこんなセリフ。

仲間「考えれば考えるほど不安になって焦って」
エマ「そんな時こそまず目の前のことからクリアしていくんだ。不安になったって世界は何一つ変わらない。できることから、すべきことから、一つずつそれが道になっていくんだから。」


スパイダーマン: スパイダーバースを作ったチームによって海外ドラマになるそうで。

肉食文化に対して少しは実行力も変化も経験してきている西欧の感覚でこのメッセージングを、英語圏で拡散したら、

もしかしたらその手のまじめでストレートメッセージングなドキュメンタリー映画とかよりも、

案外気づきを得る人が増えるかもしれませんね。

聖書しかり、ギリシャ神話、インド神話も。人は座学や口伝よりも

物語にすることで伝えてきている歴史がありますもんね。


(次回に続きます。)





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