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前回③からの続き。

「... 私は、確かにワクチンを接種しませんでしたが、ウィルスの保有者でもありません。こちらをご覧ください。私が一昨日検査をした時の診断書です。」

カメラに向かって話していた彼が、手元からその診断書らしき書類をカメラに向けた。確かに一昨日の日付と、「結果: 陰性」の文字が確認できた。英語だった。
どうやら彼は国外逃亡した先で検査をしたらしい。

「皆さんがワクチンバッジで安心なさりたい気持ちはよくわかります。私だって打てるものなら打ちたかった。
元のウィルスの恐怖がない生活に戻りたかった。ただそのバッチをつけているだけで元の生活に戻れるなら、そうしたかったのです。
しかし私にはどうしてもそれができませんでした。」

続けて、彼が告発した情報は、
彼の顔写真がみるみる内に拡散されていった1週間前のあの時を更に超えるスピードで、日本国内と世界中に広がっていった。

彼の行動の背景にあったのは、こういった内容だった。

彼は仕事の関係で、ワクチンの開発に関わったある超大企業の存在を明かした。
その企業は、抗インフルエンザウィルス治療薬や、人工甘味料の製造元として、その業界では名だたる地位を築いていた。
その企業が開発した数々の種類のインフルエンザワクチンは、毎年子どもと共に打っている家庭もあれば、
ダイエット飲料、ガムや製菓などの食品に含まれているため、誰もが用意に手に入れることができ、気付いたら口にしている可能性があるほど流通していた。

彼は、覚悟を決めた表情でこう続けた。
この時点で既に、昨日まで出回っていたあの顔写真の印象は吹っ飛んでいた。
「私は、打っていないのに、ワクチンバッチをつけて過ごす日々がどうしても耐えられませんでした。ただ黙っていればよかったのに、つい緩んでしまい、信頼していたある人物にそのことを打ち明けました。それが私がこのような立場になってしまう発端となったわけなのですが。

私は彼のことを憎んではいません。彼はただ従順に 会社のためを思って、そのような行動に至ったことでしょう。組織の一員として当然のことだとも思いますし。
何より今の私は、バッチをつけていたあの日々よりも、清々しく生きることができています。愛する母国の地にもう二度と戻れないのはとても寂しいことですが。」

一呼吸おいて、こう続けた。

「私もこの動画を見ているあなたと同じように、あのパンデミックを過ごした1人です。だから私を批判の的にしている人々の気持ちがわからないわけではありません。

実際同じ企業が開発したインフルエンザワクチンで副作用によって命を落としたという話は公にはあまり聞こえてはきません。
世界中の人々が恐れたあのウィルスのために作られたワクチンには、私が勝手に恐れている作用が、今生起きない可能性だってあるのです。私には分かりません。
人工甘味料が発がん性作用があると言う話は、陰謀論のように扱われることもあれば、あまり摂取しないことを進めている医師がいることも事実です。実際がんになってしまったという事例を目にする可能性の方が少ないのかもしれません。

でも私はワクチンを打ちませんでした。
打つも打たないも、本来は選択の自由なはずなのです。
でも私たちは、ワクチンを打たない人々を受け入れないという方向に行ってしまいました。
本当にワクチンが効いているのか、まだ見ぬ作用が将来待っているのか。
あのウィルスは、果たして毎年インフルエンザで命を落としている人々がいる事実以上に、恐れなければならないものだったのか。
誰も確認はできていないのです。
最終的には、ワクチンを打っていないものはこの社会の中で一緒に生きていってはいけないという、今の世の中から生まれた新しい事実。

自殺をする勇気も、そのつもりもない私は、ただ、その社会と決別する生き方を選びました。でも私は決して自ら一大決心をしたわけではありません。私もあなたと同じく、"信じたい何か"に寄り添って生きる、普通の一般人でした。こうなってしまったからという結果論で、仕方がなく決別することにしたのです。
でも不思議と後悔していません。」


次回に続く。

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