3人の若者の青春の意味 小説「ピアノマン『BLUE GIANT』雪祈の物語」感想
読むきっかけ
日頃、Audibleで本を検索中、見落としていた。
大好きな漫画のスピンオフ?作品なので、聴きました。
内容(アマゾンより)
『BLUE GIANT』もうひとつの物語。
沢辺雪祈は、言葉を覚えるより先に音を覚えた――。
幼い頃、音が「色」に見えた少年は、やがてジャズの魅力に取り憑かれ、運命の仲間たちと出逢う。目指すは日本一のジャズクラブ「ソーブルー」での10代トリオ単独公演!
ただ真っ直ぐに、ただただ真摯にピアノと向き合い続ける青年は、夢の舞台で磨き上げたソロを響かせ、喝采を博すことができるのか!?
大人気コミックのストーリーディレクターが魂を込めて書き下ろすフルボリューム音楽小説!!
漫画でも映画でも描かれなかった『BLUE GIANT』もうひとつの物語。
感想
『BLUE GIANT』東京編の沢辺雪祈、視点での物語をたどる事で、描かれない分の
感情や情景を感じる事ができ、大の根本となるものや、今後の物語に出てくる別れによる
成長の意識の深みがわかったような気がした。
3人の若者の時間に関しての考え方
雪祈の時間の期限
大の時間の無限
玉田の時間の有限
青春という、時間を感じさせてもらった。
雪祈のように、「10代でソーブルーに立つこと」夢という焦りからくる青春
大のように「世界一のジャズプレイヤーになる」という、いつまでも終わることのない青春
玉田のように「二人にはなれないが、今、精一杯二人について行く」という、終わりがある青春
『BLUE GIANT』の意味のように、青白く光る高温のものをしっかりと感じることができ、心地良かった。
「JASS」の熱を感じた人たち
ピアノを辞めなかった、みゆきさんのような、光
ラーメン屋開業をできず、夢敗れ、去っていく大が恋した人に対する、
大の反応の青さ。
豆腐屋さん、川喜多さん、アキコさん、五十貝さん、平さんたちの
青春の熱、懸命さが伝染していく様子など、漫画もいいが小説でも味わえるのも良かった。
大の根本にあるもの
なぜ、ジャズに対して大が、ああなのか、本当に疑問だったが、
「母の死」が大きく関わっていること、その表現の形がジャズだったこと、
また、『BLUE GIANT』の新しい知見に触れることができ、楽しかった。
この作品は満足することは無いだろうと思う作品です。
それは、大の夢が「世界一のジャズプレイヤー」という、
なんとも抽象的な目標だからだと思います。
だから、燃え続けている作品なのかなと感じています。
この青さ、たまらなく好きな作品です。
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