Go Toは東京が初めて味わう「劣等感」

非難の嵐にさらされているGo Toキャンペーン、実は東京の人が初めて味わう劣等感が原因のように思う。(東京以外から見た意見です。東京の人の気分を害するおそれがあります。先にお詫びしておきます。)

そもそもこのGo Toキャンペーン、元々全国一律に対象とする予定であったものが、東京発着のみが除外となった。その経緯については、東京都と政府との確執などいろいろ言われている。しかし、観光業を盛り上げるためやらなければならない中、一番流行している可能性がある場所を外すと言うのは決して間違った選択とは思わない。もちろん、検査数などの違いもあり東京が本当に一番流行しているかの議論はあるが、その話は今回論じない。

そんなことより、東京以外の場所に住む人間として、今回の件を見ていて思うのは、例えばこれが大阪とか、北海道だけを除外とした場合、ここまでの議論になっていなかったのではないかというものである。

というのも除外される少し前から「東京の人に来て欲しくない」、「東京から広がる」とGo Toキャンペーンを危ぶむ報道が目についていた。このような状態になったとき、これまでの東京の人の感覚であれば「全国一斉開始」か「全国一斉延期」しかなかったのではないだろうか

だから、東京の人にとって「東京だけ除外」なんて晴天の霹靂であったのだと思う。

でも、私たち東京以外の場所に住むものにとって、「東京以外除外」は日常茶飯事である。展覧会が東京だけ、ライブが東京だけ、テレビ観覧が東京だけ、就職説明会も東京会場しかないなんてしょっちゅう。私たちは「東京以外でいつ行われるかな」という期待を不安を抱きながら、多くのイベントを待ち望んでいる。もし東京でしか行われないのであれば、行くしかない。一大決心をして、往復2万5千円(京都はまだ条件の良いほうだ)の新幹線で向かう訳である。

また、東京から観光に来ている旅行者が「東京から来たと言いにくい」というインタビューも流れていたが、こんな経験をするのも初めてだと思う。でも自分の出身が田舎であることを隠すため(または言っても場所がわからないため)に少し盛って言う(表現が正しいかわからないが)ことは、東京以外に住む人にとってそれほど珍しいことではないだろう。

だから、なぜ今回こんなにも騒がれているかということを考えたとき、

東京の人たちが初めて東京であることに劣等感を感じたせいではないか。

と邪推してしまうのだ。

東京の皆さんは知っているのだろうか。朝の情報番組や昼のワイドショーで流している東京近郊のお出かけ情報、ランチ情報が東京以外のテレビでもたくさん流れていて、ほとんど行くこともないお店の情報を無駄に見せられていることを。東京以外に住む私たちは、在京キー局(そもそも京都人にいわせると「在東キー局」だと思う)と言われるテレビ局が、日本のテレビを牛耳っているから仕方ないと諦めているのだ。

別に東京の人が悪いわけではいない。むしろ、満員電車とか、高い地価とか、たくさん大変なことはあると思う。だけど、一つだけ知っておいて欲しい。

今回は東京だけ除外されたけど、いつもは全てその逆だ

ということを。


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