制度を批判する人に欠けている「経験」
今年はとにかく制度に対する批判が多い一年だったと思う。10万円の特別定額給付もさんざんだったし、今もGoToトラベル、GoToイートについて、いろいろと言われている。
批判する人の特徴
でも、あくまでもぼくの感覚だけど、制度への批判のほとんどが
こういった制度設計をしたことがない人がしているように思う。
例えば、報道機関の記者や、GoToの利用者、恩恵を受けるお店の人も含めて、自分でなんらかの制度を構築したことがある人は、ほとんどいないのではないだろうか。
ぼくの経験
ぼくも、当然こんな全国民が対象になるようなプロジェクトをしたことはないけど、数百人の人が参加する講演会の段取りをしたり、数千人規模の人が影響を受けるようなルールを構築したりしたことはある。
そういったことには、とにかく想像力が大事で「こんなことを言ってくる人がいたら」とか「当日こんなことが起こったら」という発想で
とにかくいろいろな事態を想定することになる。
そしていくら想像しても、どうしようもなく発生する事象のために
ある程度、現場の余力を残しておく必要がある。
国の制度の大変さ
もしかしたら、批判する人の中には、そういった経験がある人もいるのかもしれない。でもおそらく
全国民が対象となり、税金が使われる制度
の構築なんて誰もしたことはないはずだ。
全国民が対象となることで、所得の低い人、ネットを使えない人など様々な人がそれに参加することを想定する必要があり、ますます設計は大変だ。それに、税金を使うということは、いわゆる民間の企業のように「無料にするから許して」とか「返金します」とかいったことは自由にできないのである。
だからしっかりと現場に余力を残している必要があるところであるが、政治主導、つまり国民が求めているのだから「とにかく早く」と強制される。もちろん事情はわかるので、早くすればいいけど、早くしてもらうなら、ある程度のミスは許容すべきで
「早くて完璧なもの」を求めるのは、あまりに無茶振りだと思う。
一度経験してみてほしい
例えば記者の人も一度、有料の講演会の企画とかをしてみたり、飲食店の人もランチ10回券の販売なんかをしてみればいいと思う。その企画でどんなトラブルが想定されて、そのチラシや回数券の裏面に一体どんな説明文を書いておけば、それを防ぐことができるのか。
そういったことを必死に考えないといけないことがわかるはずだ。
だから、制度批判する前に、構築することは本当に大変なことであることを「経験」してほしいと思う。
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