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ヨーロッパに偏っていた世界遺産

2021年現在世界遺産の登録数1154件。

登録数が多いのはヨーロッパ。

理由はいくつかあるけど、大きな原因の一つは素材の違い。

かつては世界遺産登録には、建設当初の状態がそのまま維持・保存されていることが重要でした。

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ヨーロッパは「石の文化」と言われ、石の建物が多い。

石造りの建物はあまり劣化しません。

古代ローマや古代ギリシャの遺跡も石造り。

日本は「木の文化」、アフリカは「土の文化」。石造りの建物と比べると劣化しやすく、どうしても不利に。

世界遺産に登録される文化遺産は、どうしてもヨーロッパに偏っていました。

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転機となったのが、1994年に開かれた「真正性における奈良会議」で決まった「奈良文書」

「遺産の保存は、地理や気候、環境などの自然条件、文化・歴史的背景などとの関係の中で、すべきことである。」とされました。

これにより 例えば法隆寺のように、木造建築で何度も修復され部材が新しくなっても、建設当時の様式を守ってきたことで真正性の価値を認められるように。

石の文化も、木の文化も、土の文化も、それぞれの地域に根付いた大切な文化。

まだまだ世界遺産の数はヨーロッパが多いですが、どの文化も同じように正当に評価される方向になっていくと嬉しいですね。







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