肉と私
酪農してて、牛が大好き!!というと、必ずといっていいほど言われることがある。
「じゃあかわいそうで牛肉食べられないでしょ」
答えはNO!お肉大好きです。
酪農って、ほんとに毎日命を感じる。
子牛の出産もしょっちゅうある。
元気に生まれてくる子もいれば、そうじゃない子もいる。母牛が命を落とすこともある。
どんなに気をつけても病気はあるし、牛乳が出なくなればお肉として出荷される。
酪農家はお産の介助も病気の看病も毎日の観察も、死産の登録も、死亡牛の報告も、やる。
まだ命ある牛の寿命を決める(=出荷の決断をする)のも酪農家自身です。
毎日搾っている牛乳は、母牛が命を削って子牛のために出しているもの。
それをいただいている意識も持っている。
牛は、かわいい。
命が終わっても、これほどまでに美味しく、私たちの血肉となって命を繋いでくれる牛達には、感謝はもちろん尊敬さえ感じる。
だから、食べる。全部食べる。
家畜、経済動物、という運命が変えられないのなら、命を与えてくれる存在への感謝が「残さず食べる」ってことだと思ってる。
以前、牧場で乳牛として活躍してくれた牛をお肉として買い戻し、シェフに腕を奮って調理していただいたことがある。
これがうちの〇〇ちゃんのお肉、、、
と思ったら、さすがに泣けた。
かわいそう、かわいい、大好き、美味しそう、ありがとう、すごいね、、、
いろんな感情が一気に出た。
泣きながら、全部食べました。美味しかった。ありがたかった。命をいただいた実感が強くあった。
普段焼肉行ったりして泣くことはないけれど、いつも思い出す経験である。
肉だけじゃないけどね。世の中の大半の食べ物は何かしらの命。
今日も私を生かしてくれてありがとう。いただきます。
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