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松本道弘先生×映画「美味しいごはん」

映画「美味しいごはん」の海外へ発信していこうという試み♪
それを実現するために必要なのが英語翻訳です。

映画「美味しいごはん」は、「おむすび」やシャッシャっと、お米を洗う音など「オノマトペ」など日本語特融の言葉が登場する映画なので、翻訳が大変…。

それができるのは、もうこの世でこの方しかいないでしょう。ということで白羽の矢が立ったのが松本道弘先生でした。

松本先生は、海外渡航の経験なしに独力で英語を磨き、1000人の中からアメリカ大使館同時通訳者に選ばれるほどの英語の達人!

英語を通して己を磨いていく「英語道」を提唱し、門下生には東進ハイスクールの人気講師の安河内哲也氏もいるなど、英語界では大御所中の大御所です。

松本先生が提唱する松本英語は実用的です。

生きた英語をモットーにしていますので、日常で使う機会が少なく、かつ、受験勉強が終わったら英語がキライになってしまう受験英語を好意的には思っていませんでした。

しかし、小田さんの師匠が創始者の大学受験塾ミスターステップアップでは受験勉強を通して、

「自分の弱さ」や
「越えなくてはいけない壁を超えていく」
という、心の成長を促していることを知り大絶賛♪。


「ぜひ、一緒に受験英語界に革命をもたらそう!」


と、某有名大学の教授の話をけってまで、ミスターステップと仕事をすることを選んだのでした。

それ以来、松本先生とは濃いお付き合いをしておりミスターステップアップでは、塾生の前で講義をしてくれたり、

塾の先生方と一緒に動画を撮ったり、

塾の合宿にまで参加したり、

塾のオリジナルテキストを一緒に作ったりと

受験英語に革命をもたらすべく、79歳とは思えないほどミスターステップアップと共に、精力的に活動されています。


私も小田さんと共に、松本道弘 私塾 「紘道館」にお邪魔し、松本先生が考案した「六角ディベート」を体験したり、映画を一緒にみて、時代背景や聞き取れた英語から、映画についてみんなで語る

・・・という何とも知的な時間を過ごさせていただきました。

この日の映画の題材は、1962年に配給された「奇跡の人」というヘレンケラーの話です。

松本先生は約50年ぶりに見たそうで、映画で登場するサリバン先生と、ご自身の生き様が似てたことから感動されていました。

それ以外にも、「紘道館」で毎年恒例となっているお花見にも参加させてもらったりと懇意にさせていただいております。(内緒ですが、お花見もスゴイ人たちが来てました^^)

そんな感じでミスターステップと関係を深めながらも、
ついにやってきました!
待ちに待ったこの日!
そうです、映画「美味しいごはん」の翻訳をする日がやってきたのです。


映画「美味しいごはん」って何?

映画「美味しいごはん」って聞いたことないな…と思うかもしれませんが、

それもそのはず!

この映画の特徴は、ハリウッド映画のような映画配給会社から配給された映画とは違い「自主上映」という形をとっています。


自主上映映画とは?

はじめて聞く上映スタイルだと思いますが自主上映映画とは、その作品を「共有したい」「みんなに見て欲しい」と思った人が主催者となり、映画の上映会を主催する、スタイルの映画です。

つまり、一般の映画のように映画館では上映はされず、個人が映画の上映する側となってはじめて、映画が上映されるシステムなのです。

**上映スタイルは自由! **

希望者の方が主催者となって、友達数人を集めて自宅で開催してもいいし、
公民館などを借りて地域の人を集めて開催しても大丈夫、大規模に映画館を貸し切って上映会を主催する人もいます。

配給会社の映画だと、映画は一気に広がりますが公開が終わった映画はというと、、、

その後は、ほとんど人の目に触れることなくその役目を終えてしまいます。「映画 美味しいごはん」の目的は食から本来持っている、日本の良さを復活させることです。

だから、花火のようなパッときれいな花を咲かせて、一瞬で終わっていいものではありません。長く、細くていいから、多くの人にみて欲しい、

そして、

「見てよかった!」

「この映画を大切な人にも見て欲しい」

という思いを持った人たちが主催を続けて下さることで、いづれ全国に広まって欲しいという思いが込められた映画なのです。

「毎日、美味しいごはんを、大切な人と食べること」
「幸せがどこか遠いところにあるものではなく毎日の食卓に、当たり前のようにあった時代」

ファストフードや、間違った食に対する知識。
食の乱れとともに、いつしか日本人から元気が失われていきました。

飲食店、食産業、そして、家庭が抱える食問題。
それらの問題も同時多発的に起こっています。

日本人の〝食に対する意識〟を変えることとは私が夢描く、温かい家庭が増えることと切っても切れない関係です。

「映画 美味しいごはん」は世界一嫌いな食べ物がお米だった主人公の女性が、お米でつくったシンプルな “塩おむすび”を食べたことで人生が激変したというドキュメンタリー映画です。


なぜ、塩おむすびで人生が激変したのか?

エネルギーの高い食事ってなにか?

それが描かれた作品となっています。

そんな想いのこもった映画「美味しいごはん」が海外にも羽ばたこうとしているのです。

偶然か、必然か、松本先生が翻訳をしに来て下さる前夜、
「待ってました!」と言わんばかりに「ロンドンから上映をしたい」
という一報が入ったのです。

(もちろん、松本先生が次の日に翻訳するという事実は主催者さんは知りません)


2日間の死闘の末

そんな背景をどっしり背負った翻訳作業は、そんな簡単にはいきません。

「同時通訳をしている人は神経をおかしくする人が多い」

と松本先生はおっしゃっていましたが、
同時通訳というお仕事は、それほど繊細な作業であり
とてつもなく神経をすり減らすほどハードなお仕事だということです。

50年間の蓄積された疲労が肩から首にかけて出ており、コンディションが万全とは言えない中でも、

「今日は大事な日だ。プロとしてやっていく!」

と言い、ミスターステップの門をくぐるのでした。

到着した松本先生を待ってたので、今か今かと待ちわびていた塾生たち。あっという間に、部屋は塾生で埋まってしまいました。

目の前であの松本道弘が、日本語を英語に翻訳していく。

塾生にとって夢のような時間が過ぎていきますが、先生が翻訳された英文は即座にテロップにして映画の字幕として挿入されていきます。

(ちなみにこんな感じて私も何ヶ所か映画に出ています^^)

私は英語は得意ではないので、詳細は分かりかねますが、松本先生の翻訳はこんな感じでした。

「あっ、作ってるの見たい!って」
というフレーズは
→I wanted to see him cooking.(元の翻訳)
→I wanted to see him in action.(松本先生の翻訳)

こんな感じに変わりました。

他も
「けど、ビジネスマンはそれを口にできないんですよ」
→They can’t say that out loud.(元の翻訳)
→They can’t say that out loud but under their breath.(松本先生の翻訳)

but under their breath このフレーズを付け足したり、


「あれでビジネスができるんですかね?」
をTheir reaction was like,”How can they break even?(松本先生の翻訳)

とbreak even (元を取る)
を使ったりと
松本先生の切れのいい英語翻訳を聞きながらメモ取りまくっていました。

「休憩中に、塾生に松本英語はどう?」
と率直に聞いてみましたが、

「難しい単語も確かにあったけど、私も知ってる単語や熟語の組み合わせで、あれだけキレイに英文が作れるとは思ってみませんでした、松本先生スゴイです」

と素直な感想を言ってくれました。

休憩後も、
「英語翻訳は短ければ、短いほど英語はいい」
とおっしゃっていましたが、

「(ご飯が)炊けた時もみんなこう、わぁっていうふうにして、みんなで(お米を)見たからこそ、さらに美味しくなったのんだと思います」

という長文を

「Watching improves the taste of rice.」
と短文でバシッと言い切った松本先生の訳に、大人たちも「キレるー」と思わず感嘆の声をあげていました。

松本先生ご自身は、体調の悪さを一切感じさせず、
「パーフェクト!いいセンいってるよー」
と、塾生たちの笑いも誘いながら翻訳作業が進みました。


こんな感じで、2日間合計して10時間にも及ぶ翻訳作業を終えて、作業終了!

無事1回目の英語翻訳が終わったのです。


特別な日を支えるのは日常

でも、なぜこんな大切な日に限って、松本先生は体調が悪くなってしまったのでしょうか?

たまたまでしょうか?

偶然でしょうか?

いいえ違います。

むしろ、ここぞという日に限って体調が悪くなったり、急に予定が入って行けなくなったりするものなのです。

何のために?

試すためです。

何を?

覚悟をです。

セミナーや大事な人と会う時に限って、別の大事な用事が入ってしまう。
(または、体調が悪くて行けない可能性が出てくる)

大事な予定や体調を押してまで、来るつもりはあるんですか?

「あなたは何を大事にするんですか?」
と聞かれているのです。

私のような若輩者がこんなことを書くのははばかれますが、敢えて分かりやすいように書かせていただきますと

松本先生は口には出しませんでしたが、

「プロとして、松本道弘として絶対にいいものにしなければ」

というものすごいプレッシャーがかかった状態だったと思います。

英語一筋、英語に人生を賭けてきたというほど、壮絶な人生を歩まれています。

その松本先生が79歳にして、受験英語に革命を起こそうと本気で挑んでいった。

それをミスターステップアップと共に、一緒にやっていこうと覚悟を決めた。

「家族も同然」

と言って下さるほど、深まった関係の中、その大事な人たちが大事にする映画「美味しいごはん」の英語翻訳。

「体調悪くても、やり抜きますか?」
と問われているのです。

松本先生は
「これは戦だな!決戦になる!」
と早い段階で、そうおっしゃっていました。

プロとして、百戦錬磨の松本道弘として、世に出すべき作品として仕上げていくこと。

そこに体調がどうのこうのとか全く関係なく、松本先生が翻訳にあたる上で、一切の妥協はありませんでした。

全フレーズを真正面から受け止めていった。


目の前に現れる英文を、松本英語でバッサバッサと切れる英語で翻訳していった。
(しかも、笑いも起こしながら…)

わたしく、牛窪は考えさせられました。

「自分自身、どこまでプロ意識を持って一日を過ごせているだろうか? 」
「感情や気分、体調に左右されてないか?」
「心の中でイイワケしていないだろうか?」
「自分の限界を自分で決めてはいないだろうか?」


もちろん、休息も大事ですが身が引き締まる思いでした。

こういう大事な時に、体調が悪くなった時こそ普段どんなことを考えどう生きているのか?
その生き方が出るのだと思います。


英語と共に生き、英語と共に成長してきた松本先生に、迷いはありませんでした。

最高の作品に仕上げること、切れる英語、松本英語で映画「美味しいごはん」を翻訳していくこと。


世界に出た時に、外国人が見ても何の違和感も持たないようなそんな英訳にしていくこと。

それだけを考えていたのだと思います。

それは松本先生が、普段からそうだからです。
普段から英語のことを考えて、毎日、一切の手抜きをせずに全力で生きているからこそ、こういう晴れの舞台の日に「ピシッ」とカッコよく決められるのだと思います。


特別な日を支えるのは日常。
普段何を考え、どう生きているのか?


セミナーやコンサルを受ける際も同じです。普段、どこまで自分の課題に向き合っているのか?そこと戦っているのか?

自分で戦って戦って戦い続けて、それでも答えが出なくて越えられなくて、自力の限界に達した時に、セミナーに聞いた一言が、解決の糸口になったり、

「これだーーー 」

と答えがひらめいたり、人生が進む貴重な時間が訪れるのだと思います。

特別な日を支えるのは日常。

あなたは普段何を考え、どう生きていますか?
考えるヒントになってくれたら嬉しく思います。

また、体験・経験したことで学び、気づいたことがありましたら記事にしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


ちなみに、後日談ですが、、、

松本先生は、帰りの新幹線の中で翻訳をした英文をスタートから頭の中で映像化しながら回想していたそうですが、、、

(2日間でご自身が翻訳した英文を全部覚えているそうです)


「あれでは全体的にアメリカ英語に偏ってしまっている。
ゆにわから直々にオファーのあった翻訳を、松本道弘の名に恥じない
内容にしていきたい。」

「来月のこの日に行くので、映画を見せて欲しい。
どの国の人が見ても、伝えたい内容が伝わるように全文通してもう一度見たうえで翻訳し直していく!」

と東京から日帰りで、大阪まで足を運んでくださって、
イギリス英語など、どの文化の人にも通用するように翻訳をし直してくださるとの話でした。

全訳覚えているのも驚きですが、
帰りの新幹線の中でも、、、

この2日間行った、翻訳があれでよかったのか?
それを問い続け、決して満足はしないその姿勢に頭が下がりました。

ご自身の「道」を歩んでいるプロとはこういうことなんだなと
理屈ではない何かを感じさせてもらった2日間でした。

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